マガジンのカバー画像

国分寺崖線・立川崖線遺跡紀行

5
多摩川沿いの国分寺崖線、立川崖線上にある遺跡を巡ります。
運営しているクリエイター

記事一覧

御岳山・狐塚・八幡塚古墳 等々力渓谷から巡る古墳旅(3)

「崖の上の古墳巡り」締めくくりは名門洋菓子店でスイーツを  等々力渓谷から巡る古墳旅(1)(2)からの続き。 今回が最終回です。   野毛古墳群 このシリーズで散策した古墳は、まとめて野毛古墳群と言います。いずれも5世紀あたりに築造されたものです。(横穴墓を除く)  まずは、それぞれの古墳の位置を示しておきます。  台地のエッジが波型や凹凸型になっています。これは、谷沢川が等々力渓谷を形成した原理と同じ「谷頭侵食(こくとうしんしょく)」によるものです。段丘から湧き出

等々力渓谷横穴墓群 等々力渓谷から巡る古墳旅(2)

古代の人々は、なぜ渓谷に横穴墓を作ったのだろう?  令和元年台風19号で多摩川流域は多くの水害を被りました。この地域でも谷沢川下流域と丸子川流域で内水氾濫が発生。しかし、渓谷内にありながらも横穴墓には被害はなかったようです。  横穴墓が後世の水害に耐えうると、古代人は分かっていたのでしょうか?  等々力渓谷横穴墓群前回の続き。 野毛大塚古墳から再び渓谷へ。 その先で対岸に渡ると広場にでます。 広場の左側にある小道を上っていくと… 奥に案内碑が見えます。 左奥に進

野毛大塚古墳 等々力渓谷から巡る古墳旅(1)

 帆立貝のカワイイ形にきゅん!古墳界のアイドルNo1(個人の感想です) 等々力渓谷 東京23区内唯一の自然渓谷。マイナスイオン満載の癒しスポットです。 東急大井町線・等々力駅からスタート。スーパー成城石井の脇に入ると… 目印がありました。この階段から渓谷に下ります。 赤い橋梁のゴルフ橋。人工物でさえ風情があります。 全長700m、谷の深さは最大10m。とても都会の住宅街にあるとは思えない。(と言いつつも、23区の左半分は武蔵野台地上で、川筋が谷になっていて地名にも谷

亀甲山古墳・多摩川台古墳群・宝莱山古墳(2)

1500年後に地価高騰!「プレシャスな都会のオアシス古墳」 (1)からのつづきです。 多摩川台古墳群 全部で8つの古墳。亀甲山古墳や宝莱山古墳より後(6世紀後半~7世紀前半)に作られた。そのころには古墳が小型化していて、しかも番号順に整列している。1~4号墳、5~7号墳がそれぞれ同じ時期にできたグループらしい。(石室の方向が同じような方向を向いている)  1号墳+2号墳 1号墳(後円部)  1号墳(全体)と2号墳(手前)。2号墳(円墳?)が最初に作られ、その後1号墳を

亀甲山古墳・多摩川台古墳群・宝莱山古墳(1)

「悠久の時をリバーサイドで」 現代ならスーパーエグゼクティブ!憧れの田園調布にある古墳。  今回は、買い物ついでに東京の古墳群を巡ります。国分寺崖線の東端にあたるこの付近には、複数の古墳がひしめいています。 浅間神社 東急東横線の多摩川駅から丸子橋方向へ進むと、多摩川が見えてきます。右手には小高い丘があり、浅間神社が鎮座しています。実は、ここも浅間神社古墳という古墳なのですが、墳丘そのものは社殿の下か奥にあるので、見ることはできません。5世紀末ごろの前方後円墳。  それで