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遊びの発達段階(その②)

 引き続き、遊びの発達段階について書いてみようと思います。前回は単純遊びから組み合わせ遊びまでご紹介しました。今回はその先にある前象徴遊びと象徴遊びについてです。

象徴ってなに?

 まずはじめに象徴遊びの「象徴」とはなんぞやというところからお話してみたいと思います。象徴を英語にすると「Symbol(シンボル)」です。例えば、「☀」この記号を見て多くの人は「晴れ」や「太陽」を表していると考えるようにシンボルと言えば記号を思い浮かべる人も多いでしょう。こうした、目の前にないものを別のものを使って、表現する機能のことをシンボル機能と言います。私たちが普段何気なく会話ができるのもシンボル機能を使って言葉に置き換えているからなのです。
・・・ちょっと言いすぎているかもしれません(;´∀`)

 シンボル機能が育つにつれてお子さんの遊びも真似をしたり、見立てたりといった変化が見られるようになってきます。また、そういった遊びを通してシンボル機能がより発達していくと言っても良いのでしょう。それでは、遊びの発達について解説していきたいと思います。

③前象徴遊び(PRESYMBOLIC PLAY)

 前象徴遊びは、前段階である単純遊び、組み合わせ遊びと同じように象徴遊びではなく、機能的な遊びに分類されます。なぜかというとまだ想像的な遊びというよりは物の機能に依存している遊びと言えるからです。
 前象徴遊びの段階のお子さんは、コップを持って飲むふりをしたり、電話の玩具を耳に当てて話すふりをしたり、ブラシで髪をとかすふりをするなど「ふり遊び」が見られるようになります。これは日常生活で経験したことや周囲の大人が行っていることを真似し、再現していると言えるでしょう。また、それまではブロックをただ積み重ねるなど目的的ではない遊び方をしていたのが、家を作り始めたり、乗り物を作るなど目的を持って作ることができるようになってきます。人形に食べ物を食べさせるふりをするなど人形を使った遊びも見られるようになります。人形を使ったふり遊びは一見すると想像的な遊びと思われるかもしれませんが、象徴遊びとの違いはまだ自分が主体として対象物に働きかけているという点です。

④象徴遊び(SYMBOLIC PLAY)

 象徴遊びとは、ある物が別の物を象徴しているように見せかける遊びです。例えば、青いブロックの海、積み木の食べ物を表したり、人形や動物のフィギュアを生きているかのように見せかけたり、子ども自身が現実や空想の役になりきって遊んだりします。
 前象徴遊びと大きく違うのは、見立て遊びができるようになることと、「ふり遊び」が「ごっこ遊び」へと変化する点です。
 見立て遊びとは前述したように積み木で食べ物を表すといった姿かたちは違ってもそうとして扱ったり、目の前に水道はないけれどもコップに水を入れる真似をするといった遊びです。象徴遊びができるようになると非現前の物を遊びの要素として取り入れられるようになるのです。「ふり遊び」から「ごっこ遊び」への変化とは、人形遊びを例に挙げるとそれまでとは違い、人形を主体とした遊びができるようになり、人形を歩かせたり、喋らせたりすることができるようになります。また、先生や警察官など実際にある職業を真似してなりきったり、妖精や海賊など空想的な役になりきったりと想像力を必要とする遊びへと発展できるようになるのです。ごっこ遊びの中では物語性もより際立っていきます。社会性の面でも他者とイメージをより共有するようになる点でそれまでの段階とは大きく違ってくるでしょう。

 今回は、前象徴遊びから象徴遊びまでの発達について解説しました。遊びの発達(その①)でも書いたように、遊びというのは様々な側面があります。乳児期は首が座ったり、手を対象物に伸ばせるようになるなど運動発達によって遊びが広がっていきます。また、社会性の面では共同注意の発達や模倣ができるようになることも遊びの発達に大きく関わっていきます。今回は遊びの一側面のみにフォーカスを当てた内容になっていることはご承知いただければと思います。
 遊びの発達をより知りたいという方はJASPERプログラムのマニュアル(来年あたり、翻訳本が出版されるようです)やふれあいペアレント・プログラムなどが参考資料になるかと思います。ご興味ある方は調べてみてください。


 それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました!また、遊びに関して整理できたらnoteにつらつら書いていこうと思います。では〜。

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