拒絶

確実に酔いの回りつつある知人達
他愛のない会話がだらだらと進む
質問責めに合う僕はいつも流れを止めてしまう

嘘がつけないせいで言葉に詰まる
フッと自分だけの空間に堕ちる

「これ以上の立入禁止」
そんな看板があれば掲げていたい

適当に誤魔化せない自分が悲しくなる
覗き込むような視線を感じながらうわの空
楽しいお酒の席で一人ぼんやり

話しなんか聞き流して相手にしなきゃいいのに
どうせ皆自分の事を話したいだけなんだから

そうだね。適当に誤魔化す事を
簡単に出来れば世の中を楽に進めるのに
それさえ出来ないんだね、僕は。

相手構わず社会の誰とも面と向かって
自分の弱みに正直になる事を選べない
自虐的過ぎる行為に思えて怯えてしまう

他人にとってどうでもいい事だと
分かっているから話さない

聞き流されてネタにされるのは許さない

守ってあげられるのは僕だけだ
僕は僕に優しくしてあげたい

強さなんて測れないし
僕を守れない強さなんて必要ない
たとえこのまま前に進めなくてもいい
そんな思いだけが残る

ありのままでいるには
あまりにも無防備な僕を

守ってあげよう
守ってあげるから

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