選り好み
私より優っている奴らは捨てた
私より劣っている奴らも捨てた
選り好みする私は一人になった
卑しい身分に生れ落ち
選り好みする癖を持つ
波が押し寄せては引いていく
人間である事をやめたい衝動
大波が来れば呑まれて沈み
打ち上げられては乾くのみ
波打ち際に残されるのは
いつかの尖ったままの私
成長を無理強いされた子供は
生涯成長する事はないだろう
成長を無視され続けた子供は
死ぬまで親にすがるのだろう
愛されていると信じるように
それは復讐という形でもある
人に怨みという感情がある以上
自然という美しさの中に
全て誤魔化してきた私達
犠牲となった死
川沿いの桜並木
流れた遺体の山
命を自由に扱える人である以上
己の
悪を隠し
善を求め
焦せる想いで選り好み
あぁ何から何まで選り好み