ワメキ
最後の時までワメキ散らすのは産まれ落ちた者の性なのだろうか。
野生に生きる者と、そうでない者の境界線が胸に刺さる。
野生に生きる者にむやみに力添えをしてはならない事を学んだ。
喰らわれるまで
餓えて枯れるまで
私も産まれた時からワメキ続けている。ワメキちらし、地団駄を踏み、塗り散らかし、書き散らかす。
数ミリの水も流れていない乾いた溝、深さは三十センチくらいあっただろうか。溝の底に、親指と人差し指の先を丸く合わせた程度の鳥のヒナを二羽見かけた。這い上がるすべも知らず、ただ空を見上げて泣いている。
私はその光景をしばらく眺めていた。ヒナ達の声は胸に聞き取れなかった。ヒナ達は私でないものに向けて必死に何かを訴え続けている。
野生の鳥だった。
境界線はあるものの産まれ落ちた者の性だった。
私と似ている。そう思った。
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