見出し画像

読書感想文『先生の白い嘘』1

Tone.さんが呟いていた『先生の白い嘘』読了しましたので、課題の感想文を一つ。
いやぁイイ漫画を教えてもらった!
性をどう見つめるか、という一助になるような内容でした。
なお、今回はネタバレをせずになんとか感想を書こうとおもいます。
高等テクだ。ネタバレ話したがりのつむにできるだろうか。

ざっくりあらすじ

主人公の先生は高校教師。大学時代に友達の彼氏にレイプされてからずっと関係を続けさせられており、心身は人知れず不安定な状態となっていた。
やがてその友達の彼氏は友達の夫となるが、以前関係を強いられている。
ある時、クラスを受け持つ男子生徒が不倫していると噂が立つ。
男子生徒もまた逆レイプを受けた被害者だった。
しかし先生は自身の経験から男子生徒に男への怒りをぶつけてしまった。
その後男子生徒は先生が怯えながら男と会っている姿を目にしてしまい、先生が気になって仕方がない。
男子生徒との関わりの中で先生は自身のトラウマや恐怖と向き合い、似た傷を持つお互いと触れ合っていく。
彼らを取り巻く周囲もまた数々の傷に溢れている。
それぞれが絡まり合って展開していくそれぞれの性、そして性の格差とは-

というようなストーリーです。
これはかなり触れづらい話題ですね。。
まず性的な描写がかなり多いです。 

では、全くネタバレをせずに私の言いたいことのみを書いていきましょう。
そう、ネタバレしすぎないためには全く触れなければいい。大は小を兼ねます。

感想

テーマがテーマなのでなんとも触れづらいですね。。
あくまでもつむの感想です。
長いので区切りながら書きます。
まずは悪役についてですね。

悪の権化!鬼畜・友達の彼氏

まず、本作におけるとんでもない悪役。
鬼畜・友達の彼氏早藤。

この鬼畜は何をとは明記しませんが、切り落とされてもおかしくない人物です。
犯罪者め!処刑だ!!
極端な男の性の悪の表現ですね。

この男は気の弱そうな処女のみを狙って襲い、恐怖を植え付け支配することを喜びます。
愛の描写が少しもなく、本当に物として執着します。

これは性欲というよりもマウンティングですよね。実に胸糞悪い。
つむは思うのですが、男性が性欲だと認識しているものには繁殖としての性欲ではなく、上下を示したいマウンティング欲があるのではないでしょうか。
マウンティングというのはあれです、ライオンの群れなんかで複数頭の雄がいる場合に雄同士でも見受けられる性行為です。
差し込む方が強いです。
戦国時代では人間もよくあったそうですね。主従の絆として。
群れで生きる人間の雄には「トップに立つ」という欲が多かれ少なかれ本能的に備わっているのだと思うのですよ。
そしてこれをわざわざ女にまで持ち込む人々もいるとつむは認識しています。
出会ったばかりで聞いてもいないのに突然脈絡もなく「俺Sだよ」と言ってくる謎な男性もごくたまにいらっしゃるでしょう。
それってそういうことかと。
「なるほどスネアか、ではこちらはシンバルで」と答えてやりたいですね。
やってやろうじゃないか鼓笛隊。ジャアァァーーン!!
この早藤は自身の子供が妻に出来るとあからさまに驚き怯え始めます。
繁殖を目的としたことはなかったことの証です。
まぁそうだろうねぇ。。

さて愛でも生殖でもないこの行為を繰り返す理由は終盤で判明します。
いやこれ息子を持つ身だと考えるな…。
男の子って小さな頃はみんなヒーローなんですよね。
特に母親にとってのヒーローでありたいと願っています。
許せずに囚われているのは一体誰なのか。

この男の妻となるのは能動的で貪欲、自己の目的のためには他者の犠牲も顧みないような女である先生の友達。
この妻に対しては全く性欲が沸かないそうなのですが、
一見小馬鹿にして不貞を繰り返すように見えてはいるものの、
拒否する事もできずに、ただ逃げ回るような行動をしています。
どうも対峙できないのです。
これは妻を畏怖しているようにも見える行動です。
何せこの妻、実家が太く性格も大分アレなので支配できるようなタイプではない。
そして妻に自分の子供が宿ると更にあからさまに避け始めます。

彼が恐れているものは何か、彼にとっての支配はどのような意味を持っていたのでしょうか。
何をとは言いませんけど切り落とすべきですね。

恐怖!母性による支配・色ボケBBA

そして男子生徒の新妻くんをやっちゃった色ボケBBA。
これもかなり恐ろしいものです。
二人でご飯を食べに行った後でこのおばさんは「新妻くんがホテルに連れ込んだ」と言っていますが、
本当のところどうなのでしょうか?
こう言ってはなんですが、高校生男子なんて子供です。
中年の手練れた女には言葉巧みに誘うことなんて簡単なのではないでしょうか。

新妻くんはこのおばさんのことを「親切でいい人だと思っていた」と語っています。
母性による支配というものがどんなものか、ご存知の方も多いでしょう。
それは一見とても甘く優しいものです。
「母」は尽くし与える。そして受け手は感謝し受け取る。
そして段々とそれは侵食していきます。
「あなたのためにしてあげたのよ」
じわりじわりと湾曲しながらこう言われるとどうでしょうか。
自分の為にしてくれたのだから…と受け入れざるを得ないように感じていきます。
そして気がつくと支配されており、支配者である「母」の意のままに操られてしまいます。
これは実の親子関係にも見られ、毒親のなんちゃらなんかでもよく語られていますよね。
このやり方、本当に拒絶が難しいです。
優しい人ほど断ることに罪悪感を覚えやすいのではないでしょうか。

さらにホテル内で「やっぱりできないよう」となってる新妻くんに、ブラック企業の上司が辞める部下に言うような言葉を浴びせます。
「こんなトコに女の人置いて帰るなんてトボけたことしといて
この先まともに女の子と付き合えると思ってんの?」
怯えている相手の視野の狭め方が実に巧妙です。the詭弁
若く経験がなければ「しなければいけないのではないか」と思ってしまいそう。

このおばさん、積極的に淫行働いといて「SEXをしたのは男のせい」を植え付けるのがまた酷い。
男女としての関係のつもりなのもキツイ。子供やからな高校生は。

こちらは鬼畜と比べると恋愛願望があり、その自分の疑似恋愛の欲望を遂げるためのツールとして手頃だった新妻くんを選んだ感じがします。
事の後連絡しまくりです。すごく女臭いな。。
あんたも色々あるんだろうが、未成年は流石に不味すぎるだろうよ。
この人ほんと、新妻くんが新妻ママに泣きつく幼さがあればどうするつもりだったのでしょうか。
私が新妻ママなら聞いた瞬間BBAの旦那に怒鳴り込みに行きます。
しかし新妻くんはマザコンではなくまともに育っている高校生の男子なのでママに泣きつくこともできず一人抱えるのです。可哀想。

多分続きます。

この記事が参加している募集

#読書感想文

187,975件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?