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ユニットホスティングをシャットダウン

9年やってきたユニットホスティング(UnitHosting)というIaaS(Infrastructure as a Service)サービスを終了ししました。終了を決断してからは、長年ご利用いただいていたユニットホスティングのお客様に対しこちらの都合でサーバの移転をお願いし、結果多大なご迷惑をお掛けすることになったことをお詫びいたします。

クローズの理由は、「サービス中核のソフトウェアの利用期限切れ

サービスの開始は2010年3月。2008年くらいにAmazon EC2を知って衝撃をうけて、自分たちでも出来るんじゃないかと思ったのがきっかけ。今思うとなんでAmazonと同じことができると思ったのか、なんて無謀で馬鹿なんだ

当時はソフトウェアの受託開発がメインの事業で顧客のサーバを預かることが多く、最低限のサーバの運用ノウハウはあった。開発に掛かった期間は半年くらい。2010年3月にサービスをローンチした。この時点でオンラインサインアップ後、即サーバを時間貸が実現できてる国内のサービスはなかった。手続きが簡単で中小企業や個人ユーザに喜ばれた。割と早い段階でキャッシュフローベースでプラスマイナス0(人件費除く)まで持っていけた。

ただこの後、競合他社が一気に参入してきて売り上げは頭打ちになった。キャッシュフローが拮抗してたため、インフラ拡張やサービス改良のための投資資金を捻出できなかった。情けないことに早く始めたメリットを全く活かせず殺してしまった。開発者に無理を押して稼いでもらった時間だったのにね。

そんな感じで手をこまねいているうちに事業を始めて5年経つと機器のリース契約が終わった。リース後の機器を買取ったらいままでリース代として払っていたキャッシュフローがそのまま手元に残った

ただ、もう今更投資しても全く勝てないところに世の中は進化していた。結局ユニットホスティングには追加投資も出来ず、私は本事業への興味も失って別の事業立ち上げたり、ビットコインマイニングしたり、お客さんのデータセンター作ったり、海外移住したりしていた。

そうこうしている間に、毎年更新していた中核ソフトウェアのライセンスが更新できなくなっていることに気づいた。中核ソフトウェアのメーカーは随分前からEOL(End of Life)を宣言していた。ただ、なんとなくライセンスは更新できていたので今後も更新出来るんだろうなと勝手に思っていた。完全に油断が招いた自分のミス。正直言って焦った。なんとか解決方法がないかと模索する日々が続いた。バイナリをダンプしながら日付が書いてそうなところ探して、なんでオープンソース使わなかったんだろうと後悔する。結局、ソフトウェアを全部作り直す以外方法がみつからなかった。ここに至りサービスのクローズを決断する。

クローズの案内後、自力で移行できないお客さんのサポートをしつつ、クローズの準備を淡々とすすめる。殆どのお客さんが期末の忙しい期間にもかかわらずトラブルなく移行していただいた。クローズの作業中、コードを確認する機会があり、開発や運用中に起こった色んな記憶が蘇った。殆どが失敗の記憶である。「この画面は(若くして亡くなった)E君が作ったんだよな」とか悲しい記憶も。

表向きのサービスはクローズしたものの、まだ内部のクロージング作業は続く。大量のハードディスクを復旧不能な状態に消す。不要なサーバ・ストレージを片付けるなど重労働もある。

使い終わったサーバ機器は使えるものだけ選抜して、縮小し自社用に組み直すことにした。ちょうど現在、Google Cloud Platformに展開している別サービスの課金がうなぎのぼりで、遂に先月大台(10,000USD)を超えてきたので、吸収してこちらコストを圧縮したいと計画している。

最後に、当事業のユーザ・開発者・ならびに分不相応に動き回った私に様々な形で応援・支援いただいた方(個人・企業)にお礼を申し上げます。方々の期待には応えられず申し訳ない気持ちです。合わせる顔がなくて引きこもりたいです。

しかしながら、私も未だ40代前半止まってもいられない、やりたいこともある。敢えて前向きに、尊敬するロックスミス先生の言葉をお借りして本報告を締めさせていただく。

残したデータの内容には満足しています。次は失敗しません。ご期待ください

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