「顔だけじゃ好きになりません」3巻 安斎かりん

やっぱりいろいろとネタバレあります。
ご容赦ください。


🌷「顔だけじゃ好きになりません」3巻 安斎かりん

書誌情報:安斎かりん「顔だけじゃ好きになりません」3巻(2021、花とゆめコミックス、白泉社、電子版)
収録作品:vol.11、vol.12、vol.13、vol.14、vol.15


vol.11

いろいろあって公式アカウントを続けることになったふたり。

自分の読み方が雑だったせいか一読して理解できなかった(よくある)箇所があったのでもう一度読み返してみたところ、どうやら
♦来年度の生徒を増やすために公式アカウントは続ける!
♦けど10万フォロワー達成したから接触は解禁!
ということだそうですが、接触解禁ってなに??付き合わないの??


ふたりが付き合わない理由ってなんだっけ・・・
と改めて考えてみたのですが、たぶん才南が先輩への「好き」をちゃんと地に足のついた「好き」に変えられるように、先輩は待っている…ってことですよね!(違うかも)
そのためにも告白の段階も必要だし、中の人と被写体という関係じゃなくて対等な関係になれた時に、ようやくふたりは付き合うのかな?

自信ないけど、そんなところでいっか!


あと、3000円のヘアゴムは高いよね…。


奏人先輩、33ページ(電子版)くらいですごい良いこと言ってました。(という報告)


vol.12

ゆずりちゃんの、何かに勘づいても対象をしばし泳がせておくところ、怖いけど そりゃそうするよね と納得の戦略です。

界隈とか強火って言葉が出てくるのが今風です。。。

それに
ゆずちゃんは好きなことを
人と共有するのが
大好きなんです

私達のことを知ったらきっと
気を遣って楽しめなくなっちゃうから…

p61

この才南のセリフには なるほど、こういう風に考えればいいのか~ と勉強になりました。自分は性格悪くてやっかみや詮索を受けると ちっ、羨ましいんだろ と思ってしまいがちなので、見習いたいです。

まったく内容に触れていなくて申し訳ないですが、彼らは学校の行事、夏季キャンプに参加しています。参加すると単位がとれるらしい。

キャンプっていうか合宿行事で思い出したんですけど
西炯子さんの「STAYリバース 双子座の女」の第一話では夏休み中の勉強合宿の様子が描かれています。1日9コマ×6日間……
西炯子さんの漫画を読んでいると 鹿児島の人ってめちゃくちゃ勉強するんだなあ…と思います。


vol.13

「アカウント消す」っていうの
メンヘラかまってちゃんぽくて
かわいかったですよ!!

p99

わたしもブロックしてきたりブッチしたりしている知人に「ウケる~それめっちゃかわいいですよ!」とか言ってあげたほうがいいのかな。
以前「(その説明が通用すると思っているなんて)とてもかわいいですね。」とその人に言ったことはあるのですが…(なかなかなことを既にやっている)

ていうかわたし、思いました。
インスタを題材にしているこの漫画を読んでいると、過去にあった嫌なことを次々に思い出す……ということを。。。
「顔好き」は悪くない。一ミリも。

メンヘラっぽくてかわいいよ!って明るく言う才南ですがその後のフォローもしなきゃいけない空気になったらすかさずする才南はまじで偉いと思います。


vol.14

この回めっちゃおもしろかった。
土井垣くん、そういうことだったんだ…と思いました。

才南が奏人先輩の「依存」に本能的に勘づくところ、、
それでも才南は「私は奏人先輩が『正論に耐えられない存在であること』を理解している!」という傲りと、自分が奏人先輩に必要とされている理由(=他人からしたら依存)を失いたくない負い目によって、ついつい奏人先輩の「依存」を擁護してしまうところ、、
…にいろいろと考えさせられました。

そういった圧倒的正しさは時につよすぎて
耐えられないひともいるんです

p129

この言葉、Twitterで過去によく見かけたんですけど、
どうやら「相手を思いやらずに自分の主張を強めに言ってしまう人に反省を促すワード」のようなのですが、正直、「正論=強すぎて人傷つけてる=悪」みたいな発想が安易だと思います。
正論の強さが悪いんじゃなくて正論に耐えられない人には耐えられない理由があるからであってしかもそれはその人自身の問題であり、周囲がその責任を代わりに負ってあげる必要(その人が傷つく理由や原因を相手や周囲が全被りすること)はあんまりないと思うんですよね……ていうかそれを周囲に求めるからメンヘラになるんだろ…と思います。(そもそも、じゃあ『正論で傷ついた人』が発する言葉では誰も傷つけたことがないわけ?と思います。)
以前からこの言葉やこの言葉を発する人にモヤっていましたが、ふつうにお互い様でいいじゃないかと思います。


vol.15

顔が良くて、タトゥーから察するにたぶん奏人先輩の何倍も凄みのある背景をもっているであろう土井垣くんに奏人先輩が存在意義を揺さぶられる回でした。とても面白かった。


土井垣くんというキャラクターがこんなふうに転向するとは思わなかった・・・!!すばらしい!
しかもかっこいい。

俺がしたいからした!
…知見が
よく言うヤツ

p162

って場面はめっちゃかっこよかったですねー
才南が『私がしたいからしたんです!』と発言する場面は「えっいいの?」って感じるポイントもまあまああるんですけど、土井垣くんはその才南のダメな感じの性質をこうしてお洒落に再利用して、揶揄ってもいるし、それ才南の良いところだよねと認めてあげてもいるんですよね。
かっこいいな土井垣くん!
才南、土井垣くんにしとけ!(vol.15ラストの展開無視)



以上、3巻の感想でした。

すごい今更ですが、安斎かりん先生の絵で好きなところは
目にトーンを使っているところ…!!
おしゃれじゃないですか??

わたしは少女漫画の現役読者だった頃は、日高万里先生の目が好きでした…(〃▽〃)フフフ
目の中の描き込みはシンプルなんだけど、おしゃれだったから…。


3巻の「顔好き」はけっこう大事なことを描いていますよね…
甘々な愛情表現も、その裏に依存心や、自分を卑下する気持ちがあるから相手の好意を浴びていたくなるという繋がりがあったりとか…。その「好き」でいいの?と考えさせられます。。
今の少女漫画もエゴの恋を愛へ昇華させる様を描いているんだなあ…

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