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少女漫画・ポエジーの館

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少女漫画のなかに書き綴られたうつくしいポエジーを紹介していきます。
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記事一覧

〈ポエジーの館〉やっぱり!!この人”面白い物好き”だったんだ

野口さんとまる子が友達になる回のシーンです。 私はこのシーンを子供の頃読んで、自分は野口さんだと思いました。自分も他人から見たら野口さんみたいに見えているんだろうなーと思ってました。 この二人が友達になるこの場面は、初めて読んだ時以来ずっと私の、友達を作るときの指針となっていて、誰かと友達になるということは相手が進んで表現しない部分にも気づくこと、通じ合うところを見つけて他人に対して開いていくことなのだと。「それを自分もやっていこう」と思った気がする。 そしてなんでまる

〈ポエジーの館〉彼がこれからどんなりっぱな人間になろうと

吉田秋生「櫻の園」より 杉山と会話しているときの由布子のセリフです。 由布子の話「vol.3 花酔い」って小学生だったころの自分にもわかりやすくて、 というか、ちょうど初潮を迎えた頃の少女にとっては「自分がいま感じている気持ちって、こういうことなのかなあ…」と、個人差はあるだろうけど味わい深い読後感を与えてくれる回なのです。 正直、このセリフを読んだときも、そしてそれから二十年くらい経ったつい最近まで、この言葉って「あいつ、まじ許さねえ…」みたいな怒りの礎というか墓標の立

〈ポエジーの館〉ぼくはこの時 初めて知った

萩尾望都「ゴールデンライラック」より ビリーのモノローグです。 このモノローグの次の場面がラストシーンなので、かなり終盤の言葉です。 この場面の直前のヴィーの涙も、とてもうつくしい。。 読み返して気づいたのですが、お話のほんとにいちばん最初で、ヴィーはビリーと出会った3歳の頃の記憶を語ります。 自分のことを生まれて初めてレディーとして扱ってくれたビリー… そしてその嬉しさのあまり、父がくれたエジプトのお土産のラクダのぬいぐるみに「ビリー」と名付けた、というのです。 なぜ