画像1

壊れた扇風機【音声と文章】

山田ゆり
00:00 | 00:00
※note毎日連続投稿1616日をコミット中! 1561日目。
※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む、
どちらでも短時間で楽しめます。




おはようございます。
山田ゆりです。


今回は
壊れた扇風機
をお伝えいたします。



ガチャン
バリバリバリー
グワァン


これまでのブーンブーンという連続音から突然その音が聞こえ一同は音のする司会者側へ目を向けた。




その日は朝から全従業員が集まる会議をしていた。
今日も暑さが厳しい。
会議室にはエアコンがない。


会議室の入り口で健康管理部の方がマスクをしていない方にマスクを、そして、全員に冷たい長い棒のようなものを配っていた。

保冷剤である。
それを首に回した。
それは最初、冷たすぎて使えないと感じた。

もしも個人的なものだったらそこで使用を諦めただろう。
しかし、会社側でせっかく用意してくれたものである。
周りを見渡すと皆さん、首にかけている。

少し我慢しながら首にかけてみた。


ところが、30度以上の部屋に密度の濃い人数が集まっている会議室は熱気で更に暑さが増し、その首に巻いたものがありがたいと感じるまでに時間はかからなかった。



温暖化が進み、連日夏日が続く状態でエアコンなしで過ごすのは無理がある。
窓を開けても体温に近い熱風が入ってくるだけだ。


ペットボトル飲料を持参して時々飲んでいる人がいた。

あぁ、私も持ってくればよかったと後悔した。



窓を全開にして部屋の四隅に扇風機が置かれていた。

最強の送風にしているため、ブーンブーンと轟音がし、扇風機の近くの人は会議中、声は聞こえづらかった。

熱風、マスク、のどの渇き、扇風機の轟音。
早く終わってくれと誰もが思っていた。



扇風機の連続音に慣れた頃にそれは起こった。

暑いから窓は全開にしていた。
そして、窓からの眩しい日差しを遮断するため暗幕をひいていた。
その日は風が強く、カーテンはバフッバフッと大きくはばたいていた。
カーテンの端が時々扇風機を撫でていた。



ガチャン
ガラスのようなものが砕ける音がした。
バリバリバリー
グワァン


カーテンの角が扇風機の中に巻き込み
扇風機の羽が壊れ近くへ飛んでいった。
そばにいた司会者が慌てて電源を切った。


今まで勢いよく首を振っていた扇風機は首振りのあたりで断線し
ガクッと首を落とした。


断続的な音に慣れてきて意識が少しもうろうとしていた皆はハッと我に返った。


真夏の会議は扇風機1台の損失だけで終わって良かったと思う。





今回は
壊れた扇風機
をお伝えいたしました。

本日も、最後までお聴きくださり
ありがとうございました。 

ちょっとした勇気が世界を変えます。
今日も素敵な一日をお過ごし下さい。

山田ゆりでした。


◆◆ アファメーション ◆◆
.。*゚+.*.。.。*゚+.*.。.。*゚+.*.。

私は愛されています
大きな愛で包まれています

失敗しても
ご迷惑をおかけしても
どんな時でも
愛されています

.。*゚+.*.。.。*゚+.*.。゚+..。*゚+

この記事が参加している募集

サポートありがとうございます💖サポートされたお金はプリンターのインク購入に使わせていただきます🤣60代ですが毎日noteを執筆中です😄素敵なnoterさんへ恩送りさせていただきます🎁kindle書籍も出版しています📚