画像1

老化は人を優しくする【音声と文章】

山田ゆり
00:00 | 00:00
※note毎日連続投稿1700日をコミット中! 1638日目。
※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む、
どちらでも数分で楽しめます。




おはようございます。
山田ゆりです。

今回は
老化は人を優しくする
をお伝えいたします。



「ゴメン。とりあえずここまでの分、渡すね。」

A子は分厚い振替伝票の束とクリアファイルにパンパンに入った領収証の束をのり子に渡した。


珍しいことである。
完璧主義のA子の仕事はほとんど間違いがない。

30代の頃のA子は100%間違わない人だった。
例えば、手形のサイトは取引先ごとに違う。90日後の期日の手形もあれば135日後のもある。
また、支払金額が10万円以上になると手形決済にするが、例外の取引先があり、その会社名を聞かれてもA子はすぐに答えられる。

何でも知っている人なのだ。その記憶力に脱帽する。「完璧」が歩いていると言っていいほどの人だ。



しかし、人間は誰だって年をとる。
若かった彼女も今は40代後半になった。
絶対間違わなかった彼女も、チラホラ間違いをするようになった。

それはのり子も感じていた。
振替伝票の間違いが出てくるようになった。

間違いが出始めた頃は「そんなことは無い」という態度だったA子だが
その内、A子の間違いは頻繁になり、彼女は自分の脳力低下を受け入れるようになった。


これまで、自分に対しては勿論、他人に対しても厳しいA子だったが、
「人は間違えるものである」と認識するようになった彼女は人に対して優しくなった。


弱い立場になってみて初めて相手の立場を理解することができる。


社長に「試算表、銀行から言われているから急いでほしい」と言われた。


「はい、かしこまりました」
と申し上げて社長室を出たが
試算表を急いでほしいと言われても
のり子に振替伝票が回ってこないと急ぐこともできない。


社長もその図式を良くお分かりで
「今日・明日中にA子さんが伝票をお渡しできるようにするといっているから」とおっしゃった。


本当だろうか。
これまでも〇日までには伝票を回すからと言われて、その期日を守ってくれる方が少なかった。


のり子は期待しないでいた。
すると、A子がいつもの半分くらいの伝票を抱えてきてのり子に渡した。

完璧主義の彼女は、全てが揃ってからではないとこちらに伝票を渡す人ではなかったが、今回は、できているところまでの伝票を渡してくれた。私としてはその方が助かる。


彼女、成長したなと思った。

完璧は素晴らしいことだ。
しかし、誰かと組んで仕事をする場合は
自分の仕事をクローズドにして、全てできたところで相手に渡すのではなく

その都度、途中経過を報告された方がお互い、仕事がスムーズにいく。


彼女は完璧のコートを脱いだのだと思う。
完璧ではない姿を見せるのは、きっと恥ずかしいだろう。
A子よりはるかに年上ののり子がそうだったから良くわかる。


しかし、完璧の外套を脱ぐと
もっと軽やかに動ける。

彼女はそれが分かってきたのだ。


年齢を重ねて分かることがある。
老化は人を優しくする。




今回は
老化は人を優しくする
をお伝えいたしました。

本日も、最後までお聴きくださり
ありがとうございました。 

ちょっとした勇気が世界を変えます。
今日も素敵な一日をお過ごし下さい。

山田ゆりでした。








◆◆ アファメーション ◆◆
.。*゚+.*.。.。*゚+.*.。.。*゚+.*.。

私は愛されています
大きな愛で包まれています

失敗しても
ご迷惑をおかけしても
どんな時でも
愛されています

.。*゚+.*.。.。*゚+.*.。゚+..。*゚+

この記事が参加している募集

サポートありがとうございます💖サポートされたお金はプリンターのインク購入に使わせていただきます🤣60代ですが毎日noteを執筆中です😄素敵なnoterさんへ恩送りさせていただきます🎁kindle書籍も出版しています📚