ハワイ音楽特集 ゲスト=サンディー (極東ラジオ アーカイヴ)
2002年8月31日放送
ハワイ音楽特集 DJ=宮沢和史、ゲスト=サンディー
宮沢和史(第一部)=サンディーさんをゲストにお迎えしてお送りしたハワイ特集。10代を主にハワイで過ごしたサンディーさん。今回の講師にはぴったりです。先週の最後の曲「DREAM CATCHER」も今週の最初の曲「SAMBINHA」もどちらも宮沢和史作曲。
昨年夏、NHK『海を渡ったサウダーデ』のハワイ取材に旅立つ前夜もMIYAはサンディーさんにお会いしています。サンディーさんにハワイ情報をいただいて旅だったそうです。
宮沢 サンディーさんに発音の仕方とか聞いてハワイに出かけたんですよね。
SANDII MIYAもいろんなところに行く人になったのね。私、自分のことを「歌う兼高かおる」って90年に『MERCY』というアルバムをレコーディングした頃から言ってたんですけど(笑)、ぱっと目の前を見たら、もっといろんなところに行ってるMIYAがいた(笑)。
宮沢 大貫妙子さんもそうですよね。女性の方がタフだなあというか、飛びこんじゃうじゃないですか。男性の方が自分の流儀を崩したくないから。そういうところがあるような気がするんです。
SANDII MIYAもそういうところある? ないでしょ?
宮沢 僕は子どもの頃好きだったサンディーさんや、サンセッツや、大貫妙子さんや坂本龍一さんを見てるから、それが当たり前という気がするんですよ。僕もそうやりたいと。
SANDII じゃあ私たちがやってきたことは点が線になる形でちゃんとMIYAがやってくれてるというか……。
宮沢 あと、世界にはこんな面白いものがあるんだよ、イギリスやアメリカだけじゃないんだよって教えられてきてるから、そういうところに行くと「知らなかった!」っていうのがあるじゃないですか。
SANDII 逆にすごく日本のことが見えるし、これは絶対に消えてほしくない日本の美しさだとか、はじめてトラディショナルなものを意識しはじめますよね。
宮沢 それを聴く人たちに教えてあげたいという気持ちもあるし。
SANDII そうよね。わかる? おせっかい焼きおばさんのこの気持ち(笑)。
M2は今年6月にリリースされたJAZZTRONIK FEAT. SANDII名義のミニアルバム『Tiki Tiki』より。「bounce」234号サンディーさんにこのアルバムについてのサンディーさんのインタビューが掲載されています。「bounce」234号はハワイ音楽の特集なので、今回の特集でハワイに興味を持った方はこちらの特集「HAWAII CALLING」をご覧ください。
サンディーさんは子どもの頃にハワイに移民。最初は環境の変化に抵抗していたサンディーさんも、ハワイの自然、人に魅了され、ハワイが大好きに。
M3はサンディーさんがハワイ音楽にはじめて本格的に取り組んだ1996年のアルバム『SANDII'S HAWAI'I』から。イントロにはチャント(ハワイの祝詞のようなもの)が入っています。
ハワイの音楽からハワイの歴史、ハワイの沖縄文化の話へ。
日本からもハワイへ移民した人がたくさんいます。1868年から移民がはじまり、その年(明治元年なので「元年者」と呼ばれました)の移民者は149名。移民の多くはさとうきび畑で働きました。沖縄からの移民は1900年からスタート。沖縄民謡にもハワイ移民をテーマにした曲があります。M4の「ハワイ節」はそのひとつ。
ハワイの歴史に興味のある方には矢口佑人「ハワイの歴史と文化」(中公新書)をお勧めします。「ハワイのウチナンチュー」について知りたい方は沖縄県立博物館の「日系移民1世紀展」というページもあります。
SANDII ハワイでは沖縄民謡の番組枠があって毎週流れてたんです。沖縄の人はケルト民族みたいに、音楽を持って移民してると思うんですよ。音楽は目に見えないものでしょ。だから、終わらない。お花の種みたいにいろんなところに埋まっていくものだと思うのね。MIYAはいろんな国に行って、今それをやってると私は思ってて、しかも「沖縄音楽」ではなくて、いろんなものを受け入れたMIYAのあったかい気持ちを持っていって、それが移民の人たちの心をわくわくさせたり。
宮沢 やってみたいですね。
SANDII やってると思うよ。だからこんな現象が起きてるんだし。私はそういうことをしてみたかった。私がはじめてヨーロッパやオーストラリアでヒットが出たのは沖縄の旋律を借りて作った「オープン・セサミ」(1982年サンディー&ザ。サンセッツ『イミグランツ』に収録)という曲なんです。沖縄風のカチャーシーの踊りとハワイアン風の踊りをチャンプルーしたステージングでやってみましたから。西欧人から見たら「なに人?」って感じ(笑)。やっぱり沖縄にはお世話になってます。
MIYAの音楽の旅の先人のひとりサンディーさんをお迎えしての放送は、音楽、トーク、それにBGMも含めてすべて刺激的な番組になりました。サンディーさんありがとうございました。リスナーのみなさん、感想をお待ちしています。また、今回の放送でサンディーさんに興味を持った方には極東ラジオ的最重要アルバムとして1990年のサンディーさんのアルバム『MERCY』も強力にお勧めします(といって今回『MERCY』からオンエアできませんでしたが)。
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