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読書要約#11 経営戦略の基本

経営戦略について網羅的に学べる一冊。各種フレームワークもたくさん。王道を知ることと、その上でその次を考えるということを考えさせられる。

①経営戦略の役割

そもそも戦略とはもともと軍事用語で「戦場で勝ち残るための謀」を指す言葉である。経営戦略とは「経営環境下において企業が目的を達成するために必要な打ち手」を指す。

企業ピラミッドとして一番上に目的が来て次にビジョンが来てその下が経営戦略で一番下が戦術がくる。つまり経営戦略はビジョンなどの「思い」と「現場」をつなぐ架け橋なのだ。

②戦略を動かす仕組みづくり

いくら戦略自体が優れていてもそれを実行できる仕組みがなければ元も子もない。いくつかポイントがあるので順に説明する。

一つ目は「経営管理」。戦略実行のための具体的な日々の活動の管理を意味する。これがまた二つに分解できて「計画」と「評価」に分けられる。計画で日々の活動の進め方を決定する。まずはあるべき姿を描くこと。ゴールがないと誰も行動は起こせない。そして6w2hを意識して計画すると良いとか。もれもダブりも少なくなる。また評価で日々の活動が進んでいるかチェックする。kpiの設定である。自分たちのあるべき姿にどれだけ近づけているかを客観的に示す指標だ。臨機応変にその数や種類、本当に必要か?を見極めていく必要がある。

二つ目は「組織」だ。実行する主体であるヒト・モノ・カネの準備を整える。戦略達成のための最適な組織構造の検討だ。職能性なのか事業部制なのか、マトリクス型なのかはたまたプロジェクトベースで進めるのか。そのスピード感や管理コストなどを鑑みて決定する必要がある。

③全社戦略の実践

企業としてどこに投資するかを決めるということ。ビジョンが前提にあってそれに基づき魅力的な事業に有限である資源を配分していく(事業ポートフォリオ)。次に各事業の持つ機能の最適化。重複部分を取り除いたり、あるいはまとめたりして機能を最大化する。

④事業戦略の実践

目的、定量目標の策定から現状分析、戦略方向性の策定、複数施策から実現可能性の判断で絞りつつ計画に落とし込み、実行をしていくという流れだ。

ここでは現状分析と実行が大事だとか。自分たちはどこのポジションで戦えば勝機があるのかを決めるために分析はとても重要で、そして何よりそれを実行すること。これがあって初めて数字や実績がでてくる。

⑤所感

経営について網羅的に学んだ感じ。本書の後半でも述べられているがそもそも戦略とは何かから考える必要あり。変化の激しい時代において、決めたことがそのまま実現することも多くはない。イノベーションと呼ばれるものも狙ってではなく偶然から生まれるものもある。計画するなとは全く思わないが、変に固執せずに変化に対応する力は必須であると思う。一定の余裕を持つということと、学び続けることで変化に対応していきたい。

⑥転用

本書は基本・王道が詰まった一冊だった。ということでスペインに今来ているのでスペインの王道から考える抽象化。

スペイン、バルセロナの王道といえばサグラダファミリア。
この建築物は1882年に建築開始し未だ完成していないとんでもない規模感のもの(非効率が過ぎるとも言える)。完成予定年は2026年とか。これが大変な人気なわけだがなぜか。それは「完成途中」であるからだと推察する。

第一に完成途中の建築物を公開していること自体が少ない。その希少性から人気が高いのではないか。第二に建築物に対する当事者意識が成り立ちやすい。建築物に何か直接手を加えたわけではないが、未完成の状態の建物に立ち入ることで心理的に何か関連した気になる。この建物を一緒に作っている感が醸成されるのだ。クラウドファンディングも一種そのような気がしていて、お金を払うことでそのプロジェクトの一員になった気になる。もしかしたら壮大な時間をつかったクラウドファンディングに、私は参加したのかもしれない。要は共感をいかに生むか。サグラダファミリアの場合はそのかけている時間と建築用法のこだわりなど繊細な部分。そんなにこの建築物を建てたかったのかと狂気すら感じる。つらつらと書いてきたが、「新規性」と「狂気」と「共感」と「人気」はなにか関連がある用語のように思われる。

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