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読書要約 #9急いでデジタルクリエイティブの本当の話をします。

クリエイティブディレクターの小霜さんの著書。マス広告とデジタル広告の違いや強み・弱み、現場感が非常にわかりやすく書いてある。めちゃくちゃ面白かった。

①マス広告とデジタル広告の特徴

マス広告は文系的、web広告は理系的だとか。つまり、マス広告はギリギリまで粘って考え抜いて「えいやっ」で出すのが特徴。これを「出稿」と本書ではしている。すなわち広告を露出したら作業は終わり。それはいわば投網のようなもので大衆にむけて発信されるもの。一方でweb広告はいわば一本釣りのようなもので「この魚を釣りたい」にとても適している。そのためには「運用」なるものが大事になってくる。それは広告を露出してから作業が始まる。データを取って反応が悪いクリエイティブを変えたり、配信媒体を変えたり、配信時間を調整したり、諸々の調整を短いスパンで回していく。

②マス広告とデジタル広告のリアル

これら二つには大きな溝があると言われている。上記のとおり、マス広告とweb広告は性質が違うものである。それゆえ対立構造になりやすい。例えば評価のされ方も違う。マス広告は成果というよりも「感覚」や「なんかいいんじゃね?」という軸が重要視されてきた。広告賞もその判断軸だとか。一方でweb広告は成果ありきのものだ。数字を大事にする。ゆえに目指しているゴールも違うように思われる。マス広告は世の中を騒がせたい、動かしたいとうパターンが多い。一方でweb広告はパフォーマンスやバリューを極限まで高めたいというパターンが多い。なので、それぞれがすれ違うことが多々起きるとか。

③広告業界のこれから

これからは"現段階"では「マスとデジタルを行き来できる人材」が重宝されると本書でされている。それは先に述べたようにマスとデジタルの間に溝が存在しており、それらの橋渡しが必要であるからだ。
でもこれはあくまで"現段階"の話。山口周さんが言うように、優秀な人材というのはその時代において希少価値が高い人材のことをいう。デジタルの移り変わりは非常に早い。人間の購買体験もテクノロジーの力で目まぐるしい勢いで変わっていくだろう。そこに柔軟に対応してフィットする広告をつくれるか。
「学びながら働く」。まさにこれ。
そこで大事になってくるキーワードは「保証」感。

④所感

マス広告とデジタル広告がどっちが優れているかとか、デジタル広告がマス広告に侵食しているとか、これからデジタルが追い越すとか、そういう話が多い気がする。しかし、どっちが優れているかというよりは、今回この本を読んでわかったが共存の道をいかに作るかというのが大事だと感じた。広告業界で食い合いをするよりみんなで市場をどのように大きくするかということに注力していったほうがみんなが幸せになる。僕自身、「広告」という手段には実はそこまでこだわりはないが、市場を大きくするということには興味があるのでその動向に注目していきたいし、自分もそこに関われるように実力をつけていく。

⑤転用

SNSが主流になった今、情報が爆発し生活者も情報一つ一つに接する時間や注意力というのが少なくなっているらしい。そこでデジタルクリエイティブの作りかたとして、最初の数秒にこだわり、いかに生活者の注目を集めるかというのが大事だとか。

今スポーツ施設の周年イベントの企画をしているのだが、そのプロモーションとしてweb動画をつくろうと思っている。そのディレクションとして最初のつかみをどう印象づけるかということを意識してやってみようと思う。とりあえずミノ編に初月無料ではいり、動画の作り方みたいな動画を見漁っている。つくるのは多分自分じゃないけど最低限の知識はいれておく。
本番は約2ヶ月後なのでできることはなんでもやってやり切りたいと思う。素人なりに。

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