見出し画像

【roots2】 《15章》覚悟

「ルビー大丈夫か?」しばらくしてオーウェンが最初に声を発した。
「デイブは…どうなるの?」ルビーの問いに誰も答えられなかった。魔法のような信じられない事が目の前で起きて、ただざんばらに切られたルビーの髪が今起きた事の現実を突き付けた。

オーウェンがルビーを連れて三階に降りるとディランがリリーを守るようにしていてくれたのが伝わった。物音で何が起きていたのかは2人にも理解出来ているようだった。
オーウェンはリリーを黙って抱きしめると目を閉じてふうっと息をした。やっと息が吸えた。そんな感じだ。体を離しルビーを託した。リリーはただうなづいてルビーを抱きしめた。

男たちは一階の会議室に降りて頭を抱えた。
「デイブに考えがあるのかな?」とティムが言った。「無いだろ。怒りに満ちてた…あんなデイブ見た事が無い」とオーウェンが言った。
「目が違ってたな」とルークが呟くと「俺でもああなる」とタイラーが低い声で言った。
「守りたかったんだろう。皆を」とディランが言った。
「何が起きるのかな?」ティムが不安を口に出すと皆が口々に
「滝が枯れるかもしれないな」「俺たちが1人づつ消えるとか」次から次へと良くない想像を吐き出した。
皆んな言いたいことを言うだけ言うと。

「ルビーは大丈夫かな」
「いてやって欲しいやつがいないから、慰めようもないよな」
「髪は切られて…チェイスにあんな事されて…」
「辛いだろうな」
と次はルビーの心配になり、ただうなだれた。

その様子に「俺たちで支えよう」ディランが言うと6人はうなづいた。
「デイブは探しに行かなくて良いのか?」タイラーがオーウェンに聞いた。
「どこをどう探せば良いのか、全くわからない」とオーウェンが言って目を固く閉じ眉間にシワを寄せた。
「どうやってここに来れたのか…わかると良いんだけど」トレバーが調べるよと言って肩をたたいた。
「きっと戦って帰ってくる」ディランが言って男たちは顔を上げた。「僕らのデイブはそう言う男だろ?」ディランの力強い励ましにも皆そうだねとは言い難く「祈るしか出来ないのか…」そんな重苦しい空気が流れた。

*****
「ルビー髪を整えましょうか?」リリーが優しく話しかけると一粒だけ涙を流して、手で拭うとにこりと笑った。切ない笑顔に「素敵にするわ。デイブもびっくりするわよ」とリリーが思わず抱きしめた。「ありがとう。お願いします」

ルビーはベリーショートになった。
小さな顔をより際立たせた。
キリリとした出立ちで一階の男たちの元に降りてゆき
「デイブは戦って帰って来るわ。待ちましょう」と力強く言い切った。
まるでジャンヌダルクの様な神々しい姿はうなだれていた男たちをうなづかせた。

to be continue…
*******

ルビー頑張って!📙☕️

毎週水曜日更新📙✨

ワクワクとドキドキと喜びと幸せを🍀
#長編小説roots #長編小説#小説#挿絵#イラスト#ワクワク#ドキドキ#喜び#幸せ#月ノ羽音#roots

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?