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【roots2】 《17章》帰還

デイブは廊下を抜けてオーウェンの焼け残った家の中に出た。
自分の家へ行き地下道を通って新居へ戻って来た。
ドアを開け「ただいまー!!」と大きな声で言うとドドド…と階段に人が溢れた。
一番後ろにいたルビーに皆が道を開けてルビーが駆け降り、そのままデイブに飛び込むと嬉しそうに抱きとめた。2人は向かい合うとデイブは
「似合うよ!素敵だ!」と髪を褒めた。
ルビーは「おかえりなさい」と涙をいっぱい溜めて優しく言った。
全員が待ってられない!とばかりにわぁッと覆い被さってデイブを抱きしめた。

デイブが消えてから1か月が経っていた。

ディランは毎日滝を見に行き「今日もデイブは戦っているよ」とルビーに教えてくれた。
水は強さを増して流れを止める事が無かった。
それが唯一、デイブの生存を知る術だった。 
ただ。ただ。生きていると信じて皆デイブの帰還を待ち続けていたのだ。

「チェイスは?」オーウェンが聞いた。
「消えたよ。ドアも部屋もなくなったんだ」
「何をしたんだ?」トレバーが身を乗り出した。
「何をしたんだろう?」とデイブが言うと皆が笑って「拍子抜けするような事言うなよ」とタイラーが言った。
「そうだな。じゃ、ルビーに」とデイブは両手を出した。ルビーが両手を掴むと「皆も手を出して」と言った。めいめいが手を出してルビーやデイブの手や腕に乗せた。ルビーが目を閉じてすうっと息を吸い込むと皆の頭の中に360°スクリーンの映画の様なデイブの一部始終が映し出された。

見終わった後「らしすぎてびっくりした」と皆が笑い出した。
「ルビーとディランが戦って帰って来るから待ちましょうって言ったんだ。その通りになったね。」とティムが飛び跳ねて言った。
「デイブはどこにいてもデイブで安心したよ」とオーウェンが言うと「だからさ、もう6歳児じゃないんだ。大人なんだってば」とデイブがさも自慢げに言って皆が笑った。

皆、安心して。1か月ぶりに自分の家へ帰って行った。

夜デイブが風呂に入り、背中が鏡に映ると赤い翼のような火傷の跡がついていた。
あの印だ!
一瞬カッと赤くなり消えてなくなった。

to be continue…
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今度の旅は一筋縄ではいかないね📙☕️

毎週水曜日更新📙✨

ワクワクとドキドキと喜びと幸せを🍀
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