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【roots2】 《23章》新しい目標・3


次の日、オスカーがアリソンに手紙を見せた。
「色々はわからないけど…あんた達が来た時のあの必死に何かから逃げていて…頑張って働かないといけないわけがあるんだろうなとは思ってたよ。
それがこの人達とのことなんだね」
アリソンは真っ直ぐにオスカーの目を見て優しく言った。
「信じてもらうのが難しい話なんだけど…アリソンに嘘をつきたくないから。正直に話すね」オスカーが自信なさそうに一度視線を下に落とすとアリソンは
「何でも聞くよ。心配なんてしないで!話してごらん」と明るく言った。

「初めて僕がここに来た時。僕が16歳くらいの頃は、彼らは70代で。僕を心から支えてくれて…初めての信頼出来る大人なんだ…父親みたいに思ってて。その後、僕らを守るために亡くなって。それで…生まれ変わってまた僕たちのもとへ来てくれた」
オスカーがおそるおそる話すと
「ヘェ〜そんな事があるんだね」と冷やかす訳でもなく穏やかに言った。
「それで…また僕たちを助けるために…3人を逃してくれたんだ。2人は多分戦って…僕らの居場所を作ってくれた。」
「そうなの」
「今はね25歳くらいの若い夫婦だけれど…僕にとっては父さんと母さんなんだ」
「おやま!年下なんだね」アリソンは少しびっくりした。
「でも立派で誰よりも優しくて尊敬できる人たちだよ」
「わかる。オスカーの話でよくわかるよ」
「だから帰ろうと思うんだ。今度こそ親孝行がしたい」オスカーの気持ちにカケラも嘘がないとしっかり伝わっていた。
「そうなさい。畑の苗と木も持って行ったら?
小麦粉も持って行って。食べて貰わなくちゃね」
「そんな…いいの?」
「あんた達が一生懸命に育てたものばっかりさ。自慢するために持って帰りなさい」と言ってぽんと手を打った。
「運ぶのにトラックがいるね。私が運転して行こうか?」
「アリソンが?本当に?」オスカーが喜ぶと
「2人に会ってみたいし…植えるのも手伝いたいし。邪魔になるかしらねぇ」とアリソンが言った。
「まさか!2人がどれだけ喜ぶかしれないよ!」
「じゃあ決まりだ。2、3日で準備して行こう」
オスカーは思わずアリソンをハグして「ありがとう!ありがとう!」と叫んだ。

次の日から、木を選んで土をたっぷりと袋にいれて紐で縛る作業をした。
レモン、オレンジ、さくらんぼ、それぞれ2本づつ。野菜はトマト、ナス、芋、ハーブ類と色々をケースに詰めた。小麦粉も挽きたてを持たせてくれた。

明日、いよいよ森へ帰る。

to be continue…
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