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夜明けに佇む生き残り

こんばんは。
誰もいない研究室のソファに座る私です。

普段であれば皆集中して自分の解決すべき課題や疑問に向き合う場所ですが、今なら大きな声を出そうが、歌おうが、踊りながら廊下を練り歩こうが、誰にも咎められません。

非常にやってみたくはありますが、今日のところはやめておきます。


今日のところは。


深夜から朝方にかけての、人の気配がなくなった空間が好きです。

日中は沢山の人間が動き回って、騒がしくて、目まぐるしく移ろっている場所を深夜に訪れた時に感じる静けさは独特の肌触りがします。

デスクに佇む飲みかけのペットボトル。

明朝、誰もいない駅で鳴り響くアナウンス。

目の前を通り過ぎようがピクリとも動かない自動ドア。

全ては人が生活するためのもので、確実にここで生きている人がいる。

無造作に置かれたその生々しさを残したまま、人間だけが切り取られてしまったような空間が持つちぐはぐさが愛おしい。


その場に自分の足音だけが響くのを聞くと、まるで人類最後の生き残りになったような気分になります。

もし本当にそんな時がきたら、人間が人間のためだけに作り、遺していったシステムたちが、二度と帰らぬ主を健気に待つのを眺め、少し可哀想に思いながら朽ち果てていくんだろうな。

想像してみて、それはそれで良い最期かもしれないな、と思いました。


でも、隣に誰かがいてくれたらもっといい。


久しぶりに文章を書きたくなって訪れたこのサイトも、また私が戻ってきてポロリと独り言をこぼしていくのを待ってくれていました。

Web上に存在する数多のページのうち、月待狼が書いた言葉を表示するためだけにある小さな領域。私がいなければ、意味を成さない。

またどれくらい留守にしてしまうかわかりませんが、できる限り戻ってきたいと思います。


ここをしばらく離れている間に考え、感じたことは沢山あって、まだ書き足りない気もしますが今日はこの辺で。

では。