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スライサー ideaMakerの詳細設定(サポート編)

3Dプリンターのスライサー ideaMakerを使いこなす為に必要な詳細設定の解説(レイヤー編)になります。
サポートの項目では造形物を支えるのに必要なサポートに関する設定を行う事になります。
この記事では各項目の説明をしています、剥がしやすいサポートや造形物を支えやすいサポートの説明は別記事で作成予定です。

導入方法や他の項目についても説明していますので、他の項目について知りたい方はマニュアルをご参照ください。

サポートを生成する

サポートを生成するかどうかの設定。
なし・プラットフォームに触れる部分のみ・全ての3つから選択する。
なし→サポートを生成しない。
プラットフォームに触れる部分のみ→サポートが必要な形状であっても造形物の上にはサポートを生成しない。
全て→サポートが必要な個所全てにサポートを生成する。

サポート

サポートのエクストルーダー:サポートを出力するエクストルーダーの設定。
デュアルエクストルーダーの場合に変更する。

サポートタイプ:サポートの形状を設定。
ノーマル→通常のサポートを生成する。
強度のあるサポートが生成されるため失敗しにくい。
柱状→柱状のサポートを生成する。
必要な部分にのみ柱状のサポートが生成されるので出力時間を短縮できる。
ノーマルではサポートが生成される位置にサポートが生成されなかったりする。

サポート充填形状:サポートの充填形状を設定。
格子状・線状・同心円状・一直線・三角形・ジャイロイドから選択する。
造形物の形状と相談をして決めるが「一直線」「三角形」「ジャイロイド」のどれかにしておくと失敗が少ない。
(筆者はジャイロイドを選択することが多い)

充填アウトライン:サポートにアウトラインを追加する設定。
サポートにアウトラインをつける事でサポートの強度が増したりサポート先端部分にくる造形の失敗を防ぐ。
アウトラインの数値を大きくするとサポートが壊しにくくなるので注意。

充填率:サポートの充填率設定。
充填率が低すぎると密度が薄くなり上手くサポートを作れない部分が出てくる。

最大オーバーハング角度:サポートを生成しない最大角度の設定。
ここで設定した角度以下ではサポートが生成されない。
3Dプリンターの機種や使用するフィラメントによって柔軟に変更する。

水平オフセット:造形物とサポートとの距離設定。
造形物とサポートとのXY方向の距離を指定する。

上面サポートとモデルの空洞層数:上面サポートとモデル間の距離設定。
サポートの上面とモデルの底面の隙間を何レイヤーにするかを設定する。
0にするとサポートを剥がせなくなるので1以上を入力する。

底面サポートとモデルの空洞層数:底面サポートとモデル間の距離設定。
サポートの上面とモデルの底面の隙間を何レイヤーにするかを設定する。
0にするとサポートを剥がせなくなるので1以上を入力する。

サポートの流量:サポート部分の流量設定。
サポート部分の流量だけを設定したい場合に変更する。
(サポートを壊しやすくしたいのであれば流量を少し減らす。)

水平方向の拡張:サポート構造をXY方向に拡張する設定。
造形物の形状によっては増やした方が安定する。

ソリッドベースレイヤー:ソリッドベースを作るレイヤー数の設定。
プラットフォームへの定着力を高めるために塗りつぶすレイヤーを何層にするかの設定。
出力中にサポートがプラットフォームから剥がれてしまう場合は少し数を増やす。

サポートの充填パターンが格子状で、サ…れます(充填率が25%以上の場合):充填形状が格子状かつ充填率が25%以上の時に、充填パターンを線状に自動で変更する設定。
ONにするぐらいなら最初から線状を選択すればいい。

サポート充填角度の組み合わせ

サポート充填形状の角度設定。
造形物の形状によって変更が必要なのであれば変更する。

その他

柱のサイズ:柱状サポートの最小サイズ設定。
柱状サポートが折れたり崩れたりする場合に大きくする。

スパース構造を追加する:サポートにスパースコネクション構造を追加するかどうかの設定。
強度不足にならないようにいい感じのサポート構造にしてくれる設定。
(サポート強度ギリギリを攻める設定以外ではONでもOFFでも大差ないので常時ONでも問題ないと思う)

微細構造の下にサポートを生成:微細構造の下にサポートを生成するかどうかの設定。
オーバーハングに耐えられる微細構造であればOFFにした方がサポート除去時に破損しないですむ。

微細構造の下のサポートを拡張:微細構造の下に限りサポート構造をXY方向に拡張する設定。
造形途中でサポートが崩れるのを防ぐ。

高密度サポート

高密度サポート層数:高密度サポートの層数設定。
高密度サポートを生成する事でサポート接地面の荒れを少なくする事が出来る。
ゼロにすると高密度サポートを生成しなくなる。

高密度サポートの底面層:底面の高密度サポート総数を別途変更したい場合の設定。
上面と同じ層数で構わない場合はONにする必要はない。

高密度サポートの充填率:高密度サポートの充填率設定。
密度が高い方がサポート接地面が綺麗になるが、その分サポートを剥がしにくくなる。

高密度サポート形状:高密度サポートの形状設定。
格子状・線状・同心円状・一直線から選択する。
「線状」「一直線」のどちらかにしておくと失敗が少ない。

高密度サポート充填アウトライン:高密度サポートにアウトラインを追加する設定。
アウトラインを追加しておいた方が高密度サポートを一気に剥がしやすくなる。

高密度サポート用エクストルーダー:高密度サポートを造形するエクストルーダーを指定する設定。
造形物+サポートを主エクストルーダーにして、高密度サポートのみを別のエクストルーダーにする事で水溶性フィラメント等の使用量を削減する事ができる。

高密度サポート内部の水平延長:高密度サポートを水平方向に延長する設定。
狭い範囲のサポートが崩れないように水平方向へ延長する。

高密度サポートの充填形状が格子状の場合、…を使用する(充填率が25%以上の場合):充填形状が格子状かつ充填率が25%以上の時に、充填パターンを線状に自動で変更する設定。
基本的に高密度サポートは25%以上の設定になるので、高密度サポートを格子状にしたい場合はOFFにする。

適応サポート

上面に近づくにつれてサポートの充填率を自動で変更する機能。
(ideaMakerでは密度の高い上の層を基準にしていて、下にいくにつれて密度が薄くなるという考え方で説明がされている。)
この機能をONにしている場合、サポート充填率は「適応充填の密度範囲の設定」が優先されるので注意。

適応サポート変更回数:サポートの充填構造の密度を最大で何回変更するかの設定。
多い数値を設定してもその回数変化するとは限らないので注意。
(適応充填を何回適用するかはideaMakerが自動で判断する。)

適応充填の密度範囲:充填率を最大で何%~何%へ変化させるかの設定。
最大値が使われるとは限らないので注意。
(何%の充填率を使用するかはideaMakerが自動で判断する。)

適応サポートのレイヤー数:充填率が変化した層を何レイヤー造形するかの設定。
小さすぎる値を設定すると崩れるので注意。

適応サポート内部水平延長:XY方向に展開して狭いサポート領域を回避する設定。
この設定が反映されるかどうかはideaMakerが自動で判断する。

適応サポートの最小幅:適応サポートが適用される幅の設定。
この数値より狭い範囲では適応充填が適用されなくなる。

まとめ

3Dプリンターに慣れないうちは「サポートタイプをノーマル」「サポート充填形状をジャイロイド」「高密度サポート形状を一直線」「適応サポートOFF」にするぐらいで良いと思います。
適応サポートをONにする事で出力にかかる時間を大幅に減らす事が出来ますが、ideaMakerが自動で判断する部分が大半なので油断してると失敗します。

以上でideaMakerの詳細設定(サポート編)の項目説明は終わりです。
必要に応じて追記したり修正したりしていく予定です。
この項目は「こんな考え方で使うといいよ!」とか「ここ間違ってるぞ!」みたいなコメントは知識を共有するために大事なので何かありましたらご指摘をお願いいたします。

ideaMakerの使い方や応用方法に関する説明記事は下記のマガジンに随時追加していく予定です。


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