神武天皇は実在したか

神武天皇の後に続く
綏靖・安寧・懿徳・孝昭・孝安・孝霊・孝元・開化の8代の天皇
いわゆる「欠史八代」の天皇は実在しないと考える歴史学者がいます
日本書紀には形式的な記述だけで具体的なエピソードがないからです

そうなると神武天皇の存在も怪しくなる
崇神天皇が実は初代で
それ以前の天皇は
天皇家支配の権威付けのために創作された
そんな話になる

しかし私は「欠史八代」の記述の少なさに
逆にリアリティを感じます

ポイントは古代日本には文字がなく
伝承もすべて口伝えであったことです


大雨で外に出られず
一族の者たちが火を囲んで座る
一人が言う
「おおばば様、また昔語りをしてくれ」
「よし今日は かむぬなかわみみのすめら…」
「いわれびこのすめらみことさまの話がいい」
「それはこの前語ったばかりだろう」
しかし
「いわれびこ!」「いわれびこ!」コールは止まない
「しかたないのう」

おおばば様の昔語りは皆の唯一の娯楽でした
どうせ聞くなら初代神武天皇というヒーローが
縦横無尽に活躍する話を聞きたいのです

そうなると語り部の大婆も考える
神武天皇のエピソードだけが膨らんでいく
2代目以降のエピソードは語られないから
忘れられていく


もし後世にでっちあげたのだったら
それこそバランス良く「欠史八代」の天皇にも
エピソードがいろいろ創作されていないと不自然です

記紀の編者も困ったはず
語り部の婆さんをいくらゆすっても話がでてこない
「初代の話はもういいです
 二代目以降の話をもっと詳しく」
「そういわれましても、はて?
 う~~~ん・・・・・・・」
「まじかよ!」

信じる信じないはあなた次第です

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