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11話

 なんで皆んなここにいるのだろう?
 そう思うけれど、言葉にはしない。
 百華はたまたまだって言っていたし。
 久しぶりに逸の背中が見えた時は嬉しかったし。
 聿は逸と普通に話をしていたし。
 『どうして』なんて考えても仕方ない事だ。

 ふたりを家に入れたはいいが、すぐに話をするのは避けたくて、『お腹すいたから…』と私は料理を始めた。
 ご飯はそんなに炊いてなかったから慌てて、人参とかごぼうとかちくわとかきのことか醤油で煮てかさまし混ぜご飯にして、茶碗蒸し作って、お豆腐とわかめのお味噌汁も作った。
 ちゃんと
 「これは、お礼だよ」
 って伝えてふたりの前に食事を並べた。
 聿は呆れていながらも、逸に顔を向けると、逸は聿に『コレだよ』と言って、ふたりの間でしかわからない何度かのアイコンタクトとうなずきで聿が納得したように『わかった』と言って、ふたりは食事をし始めた。
 私のご飯を食べてくれた事にに安心した。
 その後はさんにんでたわいも無い話をして過ごしていると"あの"無視できないインターホンが鳴った。
 聿は誰なのか分かった様で、私を制して立ち上がりモニターをスルーして、いきなりドアを開けた。
 百華が露骨に嫌な顔をしたのが見えた。


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