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ドラマ✳︎海のはじまり 第7話


コロッケ

庶民の味というけれど
ひき肉炒めて、玉ねぎ炒めて
じゃがいも茹でて、潰して
調味して、小麦粉つけて
卵つけて、パン粉つけて
油であげる。

どこでも見かけるコロッケだけど
こんなに工程があって
冷めてしまうと、トースターで
温め直す。

人はコロッケなるものを
手間暇かけて作り
食する。

子育てもそう。
食べるだけの人には
側から見るだけの人には
わからない手間暇が
たくさんある。

水季は一度も手作りはしなかったであろうコロッケ。
一人で育てるつもりだったけど
コロッケのようにお惣菜に頼ってきたんだ。色々な人の手を借りて。




「夏くんが好きなのにごめんね」

「ママと夏くん、なんでお別れしたの」

海ちゃんに言わせた言葉。

「大人がみんな恋愛が下手なだけ」

弥生の言葉

このドラマに出てくるみんなが
愛しているのに、表すのが
不器用なんだ。

津野の自宅の本棚には
子宮がん、子育ての本

人知れず、海ちゃんや水季の為に
読んでいたんだろうな。
そんなの誰にも、本人達にも
知られずに。


納骨に来ない津野に対して
夏が自分が関わっているからか?と
心配するも
朱音は
「月岡さんのことなんて、たいしてに気してないわ。水季と近かったから」
朱音の複雑な気持ちが感じられる。
そして夏もその言葉は心に刺さっていただろう。

「喋れないよ、骨だもん」
「骨になったら痛くない?薬いらない?
良かった」

海ちゃんは大人以上に、現実を受け止めてる事に泣かされる。

大和に聞く夏
亡くなったお母さんの事
遺骨の分骨
海ちゃんと大和の共通点は
母を早くに亡くした事。

「無理しないでね」の津野の言葉に
「無理しなきゃ子供も私も死んじゃう」
思わず弱音が出る水季。
言える人が出来た事は、良い事なんだよ、水季。

津野は水季と海を
一番支えてきた自負がある。
だから中絶の紙を見た時
凄い勢いで怒ったんだろうな。
そんな津野に
「恋人できたら頼らないから」と水季
そして「未だ気持ち利用してます
最低です」

そりゃあそこまで関わってくれたら
津野の気持ち分かるよね。
それに対して答えられないのは
やっぱり夏への思いを断ち切れない水季。
でも、目の前に彼との子供が居るんだよ?断ち切れないよね、って私は思う。

「知らない人のことそいつ呼ばわり」
「津野さんだって何も知らないでしょ海の父親のこと」

うん。そうだよね。
二人してちょっとづつ傷つけあってる。




「自分で選べない事って
生まれてくる事だけと思った。
自分で決められないの、もう一個ありました。いつ死ぬかは選べないんですね」水季が言う。

ああ、そうだよねと
テレビの前で私も頷いていた。

「治療しようよと」津野に対して

「直らないかもしれない方がずっと大きい。海とちょっとでもいる方が良い」

治療を拒んでいたんだね。

病気なれば大概の人は、医者に行って
治療をする。
でも一定数、治療を拒んだり
民間療法に走る人もいる。
事情があってやりたくても出来なかったりもある。

以前、治る確率が
たとえ1%いや、0%だったとしても
私が生きられればその確率を上げられるなら、治療するよと望んだ方が
見事克服したのをどこかで見た。
その決意をした事が、気持ちが
克服への結果に結びついたのかもしれない。

よく“延命率”って耳にするけど
あの数字の裏には、たくさんの人の
人生や喜びや悲しみが隠れていると
思っている。


津野はみかんのヨーグルトと言った水季に、みかんとヨーグルトを買ってくる。
無かったらいらないと言ったのに。
みかんもヨーグルトも両方選べば良い。
海ちゃんが一番でも、水季の命も
同じ一番なんだよと
津野が言ったような気がした。

助けてくださいと言えた水季は
津野が
副題の【いちばん近くで支えてくれた人】に完全になった気がする。

水季がいなくなった時のための準備を
朱音に託す。

「海のこと不安なことなくなったら
急に怖くなった、死ぬの」と水季。

私は母親の立場の
朱音の気持ちも辛いなぁと思った。

安心できると思ったのに
急に辛くなったと泣きながら
抱き合う二人


この日の一番のシーンは
やはり
津野の朱音からの電話に出ない。
荒くなる呼吸。
抑えきれない嗚咽。
苦しい胸を掻きむしる津野。

一言もセリフもないのに
全てがわかる状況に
私も泣かずにはいられなかった。


水季のアパートに行くと朱音は
「触らないで、家族でやるんで」
と津野に
遺品整理の手伝いを拒む。

【一番近くで支えた人】なのに。




ゆき子が弥生に話す
再婚の時の話。
立場が似ている二人。

でも違うとゆき子は言う。

“すがる人がいない”弥生には。
ゆきこには“夏がいたから”と。

そうなんだよな。
ゆき子にとって、今は愛のない夫の子だけど、夏は支えてくれる存在なんだ。

夏が大和の話を聞いて
水季の骨を入れたネックレスを
作って海ちゃんに渡す。

「ママちっちゃい」と海ちゃん。

こんなにちっちゃくても
今後もこうやって水季は
ずっと関わっていくんだろうな。

墓参りのシーンで
津野くんのところへ行こうとする海は夏の顔色を見る。
三つ編みを解くあのときのように。

「津野が羨ましい(自分の知らない水季を)よく知ってるから辛い」って言う夏
でも夏には海ちゃんが居る。

弥生の心は「私には居ないんだよ」と
思っての言葉だろうか。

駅までの道で
二人きりになった津野と弥生との
やりとり。

津野は
水季が海ちゃん連れて、夏のアパート行ったけど会わずに帰ったのは弥生が居たからだと話す。
知らないで代理されるの嫌だからと


「なんで必死?」の津野の問いに
「母親になりたいからです」と弥生。


母性と父性について

「母性=無償の愛」に対する
弥生と水季の反応が似ていると
津野は気がつく。

一度でも妊娠し、母になった瞬間が
弥生にもあるんだと、思い起こされた。


何かあれば連絡くださいと弥生に
言う津野。
水季を【一番近くで支える人】だった津野が
弥生の【一番近くで支える人】になるのかな?

チャリをあっちに置いてるのでと言った津野だけど、それなら墓園まで自転車で来るんじゃない?って思った。
って事は、駅に行くのはあくまで口実で、夏には話したくない言葉を弥生に言いたいが為?

もう、今回は津野ぉぉぉ!ってシーンが
多くて、不器用な大人達の心模様に
揺さぶられた。

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