見出し画像

『犬王』やばかった。見ようぜ。【ネタバレなし】

先日、映画『犬王』を観に行った。度肝を抜かれた。最高だった。
今回はその感想をネタバレなしで書いて映画を振り返りながら、映画をまだ観に行っていない人におススメする文章です。

予告編、簡単なあらすじ

舞台は室町時代、平家が滅んだ壇ノ浦の戦いから約300年後の室町時代のこと。
壇ノ浦の戦いで海中に沈んだ草薙の剣の呪いにやられ目を失った琵琶弾きの友名は、京で奇抜な踊りを見せる犬王に出会う。二人は平家物語を新たな表現技法、新たなお話で語ることによって民衆たちを魅了していくが……?

前提知識として知っておいて良かったこと(これから観る人必見!)

・『平家物語』や、源平合戦の大まかな流れ

特に壇ノ浦の戦いに関しては映画内でもこれをテーマとした戯曲が流れるので要チェックといったところ。これに関しては、アニメ『平家物語』を見ていただくのが分かりやすい。アマプラなどで一挙配信しているので是非。私もこれを見た後すぐに映画を観に行ったおかげでまだ記憶が鮮明でストーリーやモチーフが理解しやすかった。

「忙しくてそんなの見る暇がないよ」って方向け、特別に要点2つだけ。

・壇ノ浦の戦いは海上で行われたが、その命運には鯨が関わっていたといわれている。(当時の言葉ではイルカ。)鯨の大群がどう進むかを見ていたが、最終的に源氏軍→平家軍に進み、これによって源氏軍は「神は私たち源氏の味方をしている」と士気をさらに上げたんだとか。

・敗北を悟った平家軍。僅か8歳の安徳天皇は母親に「海中にも竜宮城という極楽がきっとある」と言われた。そして、3種の神器を抱え一緒に入水しその生涯を終えた。

ちなみにアニメ『平家物語』の各回の感想、全体的な印象については別記事で既に書いているのでよろしければどうぞ。勉強になるし、泣ける。

・室町時代初期の政治動向について。

3代将軍、足利義満といえば鹿苑寺(金閣)を建築したというのが真っ先に思い浮かぶ人が多いかもしれない。しかし、それだけではない。当時、政権は南朝と北朝に分かれ、それぞれに天皇がいるという前代未聞の事態が起こっていたのである。自分の政権の正当性を証明するには3種の神器を持っていることが鍵となる。この辺りが映画と関連している。

また、この当時には能・狂言といったものも盛んになった。義満は観阿弥・世阿弥親子を特に優遇していたそうだ。この陰で隠されてしまったといわれているのが今回のテーマ、犬王という人物なのである。

本編感想!

音楽

いや~とにかく素晴らしかった。凄かった。映画館で迫力あるサウンドを楽しめるのが本当に良かった。琵琶の音色とその他の音の融合も素敵だったし、ノリノリになれる音楽ばっかりで楽しかった。(室町時代にはベースとかドラムとかないでしょとツッコまずに純粋に楽しみましょ)犬王役、友名役の歌っている人がめっちゃ上手くて惹きこまれた。

アニメ

絵のタッチが繊細でとっても私好みでした。犬王が民衆の前で能を踊る演出シーンもかなり凝っているので音楽と併せて楽しめた!

ストーリー

事前に平家物語のストーリーや室町時代の時代背景を学んでから観ただけあって、「あ!ここアニメで見たとこだ!学んだところだ!」となった。そのことがストーリー展開を追いかける手助けに大いに役に立った!

段々と民衆の人気を集めていくのを見届けるのが面白かったな~
お話の最後、「歴史はこうやって隠蔽と改ざんされていくのか」と少し悲しい気持ちになったがこれが”定め”というだろうと思ったな。

犬王役、自由奔放って感じを上手く表現してあって本当に凄かった。

最後に

丁度今、学業の方で平家物語に触れ、”ついで”という感じで観に行ったのだが、とにかく圧倒された。まだ観に行っていない方は是非。
頭空っぽにして楽しむもよし、歴史の勉強に使うも良しの映画だった。
とってもオススメです。

ではまた。

遠方

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?