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Dr.STONEを見て人類に貢献したくなったので、献血に行く。

Dr.STONEのアニメ3期が放送中だ。

もう既に漫画版は完結しているこの作品だが、内容は『地球の全人類がある日突然石化してしまい、そこから文明復活を成し遂げるお話』である。

ジャンプ漫画ではあまり見ない本格的な科学監修と、時折挟まるギャグでリアルとフィクションをうまいこと混ぜ込んでいて本当に素晴らしい。

子供に都道府県を覚えさせるのは桃鉄に任せて、科学への興味はDr.STONEに任せるべきかもしれない。


そしてあらゆるキャラクターの生き様がカッコ良すぎる
そういう意味でも非常に教育に良さそうだ。なお主人公の口は悪い。

そんな魅力あるキャラクターたちが、自分では足りない部分を他者と補い合い、前へと進んでいく様はまさに圧巻。

やはり人間はこうやって繋がり合うことが大事なんだなって……。

きっとDr.STONEを見た多くの人が、圧倒的な人類讃歌を感じたことだろう。


(そしてまた新OPが良いんだこれが……)


ああ……


自分も人類のために頑張らなきゃ……!!



そんなわけで、Dr.STONEで人類愛に目覚めた自分は献血に行くことにした。

もっと他にできることないんか?」という幻聴がどこかから聞こえるが、自分にできるのなんてこんなもんである。


さて、血液は人工的に作れず長期保存も出来ないため、その都度必要量を献血で確保するしかない。

使用期限は赤血球製剤21日間血小板製剤4日間血漿製剤1年間とされている。(想像以上に期限が短い!)

自分はO型なので、いざとなれば他の血液型の人にも使えるらしいし、ここは思い切って400ml提供するとしよう。


また、献血をするには健康体である必要があるのだが、実はここが結構なハードルになっていたりする。

体は一見健康でも、たとえばマラリア流行地域に海外旅行した人は1年NG、その地域に1年以上居住なんてしてたら3年間献血NGだ。

他にも血が出る歯科治療を3日以内に受けた人はNG、ピアスの穴を空けた人は最低1ヶ月NGなど、多岐にわたる。

自分はこれらに関しては無事クリアしていたので献血に行くのは確定なわけだが、ただでさえ少なそうな献血者が更に減ってしまうほど厳しい基準である。


こうなったのも、昔行っていた売血の諸問題が関わっているようだ。

実は、日本では1960年代までは、「売血」と言って、献血をした人に対してお金を支払うということがありました。
民間企業が「血液銀行」を運営し、そこで一般の人々にお金を払い、輸血用などの血液を集めていたのです。

いくらぐらいもらえていたかと言うと、1964年12月の新聞記事によると、400ccで1200円ぐらいだそうです。当時の高校卒業程度の国家公務員(一般職)の初任給が約14000円(現在の初任給15万円程度)でしたから、1回の献血で1200円というのはけっこうな金額です。

かつては「売血」がおこなわれていた

そう、昔は今でいう1万円くらいが売血によって得られていたらしい。

人の助けにもなって1万円も貰えるなんて夢のようだが、そんな売血は悪い連中によって盛大に悪用された

その結果、質の悪い血液が大量に出回り、注射針の再利用なども横行して感染者を出しまくることとなる。

そしてライシャワー事件の輸血で国の大恥といえる駐日米国大使の肝炎感染を引き起こし、国は民間の血液銀行に頼らずに赤十字の献血一本でいくことに決めたのだ。

その後HIVや肝炎ウィルスなどの病原体が発見されたことで、輸血用血液の基準も厳格化されて、今のボランティア精神に頼る献血になった。

現代だったら売血を復活させるのもありな気もするが、まあ1960年代のあれこれから何十年経っても出来ていないということは、色々あるのだろう。


……そうだ、『献血NFT』でも配ったらどうだろうか?

伊藤穰一氏によると、NFTを入れるウォレットはその人を表す評価基準になっていくだろうとのこと。

『献血という社会貢献をしなければ手に入らないNFT』をウォレットに並べられるというのは、かなりのインセンティブが働きそうな気がする。

献血は1年に出来る回数の制限もあるし、ウォレットが献血NFTだらけになって邪魔になるなんてことにもなりにくいだろう。

今NFTウォレットを持っている人自体が先進的な考えの人が多いだろうし、NFT配布が始まったら献血人口増加にかなり寄与しそうな気がするぞ……!

まあもちろん、既に同じことを考えていた人はいた。
相変わらず世の中は優秀な人ばかりである。

献血NFT、実現する日は来るのだろうか……?



……話が横道に逸れたところで、実際の献血体験レビューを書いていこう。

今回、自分は予約なしの完全初心者として行ったため、現地であれこれ登録作業が必要だったものの、全工程での所要時間は30分程度だった。

【献血の流れ(初心者)】
・献血車へ行く
・説明を受けて、体調を確認される
・4桁の番号と指紋を登録(次回の献血時にも使う)
・タブレットで20個くらいの質問に答える(NG関係の確認)
飲み物を貰う(お土産ではなく献血中の水分補給のためにある)
・献血車の中で、タブレットの回答を元に問診
・指に軽く針を刺して血液型や血の濃さの確認
・ベッドに寝て本格的な献血開始。(献血中は足を動かして痺れを防ぐ)
・献血が終わったら少し椅子に座って体調は問題ないかチェック
おみやげを貰って帰る。

とまあこんな感じの30分だ。

痛みに関しては、もっと痛い思いをしてきたので何の問題もなかった。


そしてなんというかこう……

すごく「自己肯定感がアップする」のを感じたよね……!


だってもう、めっちゃ褒めてくるのだ。

「献血ありがとうございます!今回が初めて!?すごい!!」

「血の勢いが凄くてもう半分採取できてますよ!すごい!!」

「もう終わりました!すごい!次もお願いします!!」

(※若干の意訳を含む)

こんなに褒めてもらったの、いつ以来かな……


それに自分はそもそも人類への貢献という壮大な目的で来ているわけで、その時点で自己肯定感は爆上がりなのだ。

もはや献血車に乗り込むことすら誇らしく感じていたわけだが、追加でこんなに褒められるなんてもう……

次回も余裕で行くよね!!


(単純な人間である)


そんなわけで初めての献血体験は終わった。

最後にお土産を渡される際に献血カードも貰える。

これは次回の献血の作業をスムーズにするだけではなく、次の献血が出来るようになる日にちなども書いてあるので便利だ。(大体2〜3ヶ月後)


だがこの記事で献血に興味が湧いた人には、ぜひともスマホアプリを入れることをオススメしたい。

献血アプリ(ラブラッド)を予め使っておけば、予約やNG事項の確認アンケートなどをアプリで行えるので、現地での時間短縮が出来る。

そしてなにより、アプリ経由だと献血ポイントが余計に貰えるのがデカい!!

「いや献血ポイントって何だよ」という話だが、貯めると献血オリジナルグッズが貰えるポイントである。

他では手に入らないおもしろグッズもあるので、社会貢献と共に収集癖も満たせるぞ!

なお、献血グッズの転売は禁止だ!!


転売禁止なんてお構いなしなメルカリ

また、加算ポイントは内容によって変わってくる。

自分は400mlの血を捧げたので10ptだったが、「そんなに抜いたら倒れるわ!」という人は200mlでもOKだ。

出来る範囲で貢献していこう。グッズのために。人類のために。

あ、それと献血の自分に対するメリットが他にもある。

最初の方で基準が厳格化されたことに触れたが、つまりは血液検査をした上で血液製剤になるわけだ。

なのでその検査で問題があった場合、自分の登録した住所にお知らせが行く。

例えばB型・C型・E型肝炎だったり、最近話題の梅毒だったり、自分がもしそういうものに罹患していたら判明する機会になるのだ。

こういう意味でも献血はメリットがあるといえるだろう。

(疑いの自覚がある人が検査目的に献血を使えというわけでは全くないが)



そんなわけで、献血行ったら自己肯定感が上がったお話。

自分の血が誰かを救うことになったら良いなと思いつつ、将来自分も大事故で輸血されるかもしれないのだから、その分を提供しておこうと思う。


なお400ml献血は男性でも年間3回しか出来ないのだが、これだけで100回献血を達成するのも面白いかも……?

100回献血記念

冷静に考えたら33年かかるこの計画。(もはやグッズ変わってそう)

これを実行に移すかはともかく、みんなも出来る範囲で献血にGO!!



(キャッチコピーがかっこよすぎる)


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