【実験】カフェインレスコーヒーでカフェインの離脱症状は防げるのか
前回、コーヒー豆のお試しセットの中にあったカフェインレスの豆。
自分から買うことは正直なさそうな豆だが、せっかくなのでこれを利用して実験をしてみた。
そう、果たして自分の頭痛は本当にカフェインの離脱症状のせいなのか。
まあ今までの症状を見るに、ほぼ確実にカフェインのせいで頭痛が起きてそうではあるのだが、今回の実験で最終結論を出そうというわけである。
ところで、カフェインを抜いたコーヒーの名称には『カフェインレス』、『デカフェ』、『ノンカフェイン』などの呼び名がある。
そしてこれらにはちゃんと細かな違いがあるのだ。
これによると、今回自分飲むカフェインレスコーヒーは、最大で10%くらいカフェインが入っている可能性があるらしい。
とはいえ最大でも約10%しかカフェインが含まれていないなら、一日3杯飲もうが離脱症状が出る可能性は十分ありそうだ。
しかし普通に考えれば、「カフェインが入ってないものを飲んでも、そりゃ離脱症状出るでしょ…」と思うことだろう。
そもそもカフェインの枯渇による離脱症状なのに、カフェインを摂取しなくても治るのなら、もはや意味がわからないわけで。
しかし今回こんなことをするきっかけになった論文があるのだ。
内容を簡単に説明すると、
要するにカフェインの離脱症状についての実験だ。
実験結果はというと、
ただの水を飲んだグループは離脱症状には変化なし。
そしてコーヒー(実はデカフェだが教えない)を飲んだグループは離脱症状が軽くなった。
しかし飲んだのはデカフェなのでカフェインは入っていない。
なので離脱症状が軽くなるのはおかしい。
つまりこれはプラシーボ効果によるものだと思われる。
そして一番注目なのは3つ目のグループだ。
このグループにはデカフェコーヒー(カフェインなし)だとしっかり被験者には伝えてある。
しかしそれを飲むと離脱症状が軽くなったのだ。
先程まとめた通り、デカフェコーヒーのカフェインは通常の0.2%以下であるため、離脱症状の改善には効果がないはず。
そして事前にデカフェだと知らされているということは、プラシーボ効果ですらないのだ。
これについて研究チームは、「長年のコーヒー摂取による条件付けが発動しているんじゃないか」との説明をしている。
つまりコーヒーの匂いとかカップの温かさとか、そういうものでいつものコーヒーを飲んでいると思い込み、症状が改善してしまったのではないかというのだ。
そういえば過去にeスポーツとエナジードリンクに関する記事を書いた際に、『エナドリじゃなくてただの炭酸水でもいい感じの効果が出た』なんて研究結果があった。
あれはたしか「TRPチャネルがうんたらかんたらで良い感じ(すごい雑な説明)」とのことだったが、このカフェインの研究にも同じような要素があるのかもしれない。
まあそんなわけで、カフェインレスコーヒーであることを知っている自分でも、離脱症状を軽くなるのかを今回は試していく。
とはいえもちろん、この実験で被験者全員の症状が改善したわけではない。
そんな簡単に改善するなら、世の中でカフェインの離脱症状に悩んでいる人はもっと少ないはずだ。
……果たして自分の結果はどうなるのだろうか?
要するに今回の実験は、
・離脱症状が出たらやっぱりカフェインを摂ってないせい
・カフェインレスでも離脱症状が起きないことがある
この2つの検証を兼ねているということなのだ。
(でも記事を書いてて思ったが、兼ねていいのかこれ?)
それでは実験を開始しよう。
たった今、カルディのキリマンジャロを飲み終えた。
これはもちろんカフェイン入りだ。
しかしここからはすべてカフェインレスコーヒーで行く。
もちろんお茶もエナドリも禁止である。
【2時間経過】
2時間しか経ってないが、さっそく1杯目のカフェインレスコーヒーを飲む。
豆の説明は『ブラジルNo.2/3(スイス式水抽出法)』だ。
名前も抽出法も全てがよくわからないが、飲みやすいコーヒーだとは思う。
(パンチがないともいう)
【18時間経過】
2杯目&3杯目のカフェインレスコーヒーを摂取。
まだ体調に変化はない。
【23時間経過】 (頭痛の予兆あり)
4杯目のカフェインレスコーヒーを摂取。
豆はホンジュラスのカフェインレス(有機栽培)に変わった。
味は飲みやすく、個人的にはブラジルより好きかも?
だがここで前頭部に頭痛特有のモヤモヤ感みたいなものを感じ始める。
カフェインの離脱症状は12〜24時間後に現れるというが、これはもしかして……?
【28時間経過】 (頭痛の予兆継続中)
5杯目のカフェインレスコーヒーを摂取。
依然としてモヤモヤ感はあるが、痛みはまだない。
もしかしてこのまま問題なくいけるか?
そんなことを思いつつ、寝ることにする。
【38時間経過】 (頭痛の予兆悪化中)
目が覚めた。
前頭部のモヤモヤ感と目の奥の違和感がある。
これって自分が今まで天気痛だと思ってたものに酷似してるような……?
なお、ここ最近は晴れ渡りまくりで低気圧の問題はない毎日だ。
今までの天気痛はカフェインの離脱症状のせいだった可能性が出てきた。
そしてとりあえず6杯目のカフェインレスコーヒーを飲む。
これで収まったら良いなあ。
【40時間経過】 (頭痛発生)
いよいよ左のこめかみ辺りに痛みが出始めてきた。
いつもの自分だったらもうロキソニンを飲んでそうなレベルだ。
どうやらカフェインレスコーヒーのカフェイン量では厳しかったらしい。
尋常じゃない痛みというわけではないが、体調をこれ以上悪化させたくないし、なにより豆がなくなったのでこれで切り上げることにする。
やはり自分の頭痛にはカフェインが関わっているのは確実なようだ。
そっか……。
そんなわけで、カフェインを摂取する。
コーヒーにしようかとも思ったが、茶葉があったので有効活用することに。
緑茶のカフェイン量はコーヒーに比べたら少なめなので、3倍くらい飲まないと同じカフェイン量にはならなそうだが、お茶はグビグビ飲めてしまうので問題ないだろう。
・・・
で、茶葉20gによる800mlの緑茶を飲んだわけだが、前頭部は未だにモヤモヤしているし、あんまり改善した気がしない。
茶葉10gの450ml抽出で、100mlあたり20mgのカフェインが取れるはずなのだが……?
依然として痛む頭。
やはり人体はそう単純ではないということか……。
そんなわけで追加のキリマンジャロを飲む。
うん、普通に美味しい。
……しかしその後何時間経っても頭痛が治まらない。
か、カフェインはもう体に入りましたよ〜?
いやもう何が何やら……
というわけで実験結果をまとめよう。
まあこれはしょうがない。
自分はプラシーボ効果も効かなそうな疑り深さを持っている自覚があるので、元々期待は薄かったのだ。
しかしもし今回離脱症状が出ていなかったら、「自分の頭痛にはカフェインが関わっていない」のか、論文にあった「カフェインレスでもOKな効果」がみられたのか、どっちなのかわかりゃしない酷い実験になっていたわけだ。
そういう意味では今回の結果はありがたい。
しかし問題はその結果が出た後である。
そう、50時間経過した今でも痛いのなんの。
そこはカフェイン摂取したら治ってくれないと困るよ……?
この状況から考えられることは、40時間に及ぶカフェイン未摂取期間を作ってしまうと、その後の回復は容易ではないということだろうか。
自分は24時間くらいで前頭部の違和感が出始めたが、このタイミングでカフェインを摂取しないと痛みが長期化してしまうのかもしれない。
とはいえ過去に「吐くレベルの頭痛」がしたときにはコーヒーを飲んで楽になった気もしたし、なんだかよくわからない体だ。
いずれにせよ、自分の頭痛の原因にカフェインが大いに関わっていることは確定した。
これは本格的に旅行の際にも気を使っていかないとまずそうだ。
でもまあ長年の謎が一つ解けたようでよかった。
皆さんの中にも、実は低気圧とかじゃなくカフェインの離脱症状で頭痛が起きていたなんて人がいるかもしれない。(あるいは複合要因)
一度自分のように実験して試してみる……のは正直辛いのでオススメはしないが、この記事を頭の片隅にでも残して貰えたら幸いだ。
法律的には完全に合法なカフェインだが、こりゃなかなかに厄介な成分なんじゃないかとあらためて感じた次第。
上手に付き合っていかねば。
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