【つながる旅行記#182】過酷だけど、それが逆に新しい気がしてきた『よこはま動物園ズーラシア』
前回は常同行動がやけに気になる回になってしまったが、気を取り直してよこはま動物園ズーラシアを巡っていく。
相変わらずの天気だ。雨は止みそうにない。
ここからはアフリカゾーン。
一体どんな動物がいるのだろうか。
ヤマアラシがいた。この寒さでもヒーターのおかげで暖かそうだ。
池田動物園ではあの針を触ったので、ヤバさはよくわかっている。
怒ったときが怖すぎて飼える気がしない。
建物の中にいたのはオカピ。
名前は知っていたが、どんな動物かはよく知らない。
そういえばシマウマの縞々模様はツェツェバエを防ぐ効果があるなんてのを聞いた気がするが、オカピの縞々は足と尻尾だけなのであんまり効果がなさそうだ。
オカピはこのように見た目がシマウマっぽいのでウマ系か何かだと思いがちだが、まさかのキリンの仲間だという。
写真のオカピはメスだが、オスだとキリンのように角が生える。
キリン科だから。
キリン科は現在、キリンとオカピの2種だけで構成される科だ。
(大昔にはシバテリウムなどがいたのだが)
キリン好きだというのに、全然知らなかった。
…………。
今日はクレープすら食べられないらしい。
……いや、しかし逆に面白い気がしてきた。
なんかこう、人類が滅びた後の動物園に来てるみたいで。
なんだかめちゃくちゃ良い位置で休憩しているチーターがいた。
こんなにガラスの近くに……!!
もはやサファリパークの距離である。
写真撮り放題。
特徴的な模様もこんなに近くで見られることはそうそうない。
……しかしこのチーター、全然逃げないな。
これはもう、こんな日に来た自分へのプレゼントだな……!
いや全然プレゼントじゃなかった。
しっかりガラスの前にいる理由があったようだ。
タペタム……?
調べてみると、タペタムはいわば人間の目にはない反射板で、夜に猫の目が光ることに関係している構造のようだ。
色々な事情が重なって、双方にメリットがある展示になっているわけか。
ライオンもネコ科だし、タペタムがある。
つまり……
気づいてないようにも見えるような……?
人も全然居ないし、音で伝わる情報も最小限なのだろう。
こんなにじっくりと近距離で見れて、動物にもストレスを与えていないというのはなかなか素晴らしいのでは……?
ライオンとの時間を楽しんで外に出ると、雨は吹雪になっていた。
でもシマウマは普通に外で活動できるらしい。
暑いところにいる動物だから寒さに弱いと思っていたが、そうでもないようだ。
(お腹すいたな……)
どうにか開いているレストランがあったので、ここで食事にしよう。
メニューも雨の日用になるらしい。
全てにおいて制限がかかっているのを感じる。
まさかのステーキを注文。
動物を見た後に肉を食べる。なんだか背徳感がすごい。
ああ、こんなにも人が居ない静かな動物園は初めてだ。
ある意味貴重な経験ができた。
入口に向かっていると、最初見たときは居なかったインドゾウが居る。
最後の最後に姿を見せてくれたか。
バスに乗り、いよいよ今日で横浜を離れる。
船に博物館に技術館に動物園に……随分と楽しんでしまった。
そして思う。
「天気の悪い冬の動物園は、これっきりでいいかな」と……。
次回へ続く…
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