【つながる旅行記#192】天王寺動物園で知る過酷なコアラ飼育の世界
前回は大阪城の天守に登り、新世界を見て、西成で寝た。
では、今日はこの新世界の辺りを散策するとしよう。
西成は治安がヤバいという話があったが、とりあえず自分は夜間も問題は起きなくてなによりだ。
なお風呂は銭湯の無料券を宿で貰えるので、西成の銭湯へ行って済ませることになる。
そこの番頭のおばちゃんが「寒かったやろ~!温まっていってな!!」的な声をかけてくれて、なんというかその……すごくあったけぇ感じだった。
大阪、良いかも……。
まあ西成を朝散歩してたら、尿臭がすごかったのは勘弁してほしかったけどね!!
(このあたりは立ちション被害がすごいらしい)
汚い話はこれくらいにして、今日の目的地へ向かおう。
この近くには天王寺動物園があるのだ。
近くには美術館もあるのだが、残念ながら今は工事で休館中。
そしてなんと通天閣は時刻も知らせてくれるらしい。
動物園は9時30分に開くので、微妙に待ち時間ができた。
デジタル表示にも対応しているだと……!?
そんなわけで、朝イチで動物園に入園。
「どんだけ動物見たいんだこの人」と思われたかもしれない。
でも朝イチだからこそ、混雑を回避できるのだ。
昨日は人混みで大変だったからこれでバランスをとろう。
そういえば直近で行ったズーラシアでは鳥インフルエンザが問題になっていたが、大阪でもやはり対応しているようだ。
看板をみるに、コクチョウは鳥インフルエンザにかかりやすいらしい。
鳥の種類によってかかりやすさが変わるなんて考えたことがなかった。
ちなみにこれらの鳥はキジ科ばっかりなのだが、別にキジ科は鳥インフルエンザにかからないとかいうわけではない。
でも展示されているということは……どういうことなんでしょうね?
多少は強いとか……?
ゾウのエリアに入ると、現地の見張り小屋が再現されていた。
アジアゾウと生活圏を共にする現地の畑では、お腹をすかせたゾウが襲撃してくるらしいのだ。
当然放置したら凄まじい被害になるので、夜を徹して見張りをするという。
そして偶然見えたゾウの乳首。
実はゾウの乳首は人間と同じで2つしかない。
4つくらいはありそうなイメージだったのでちょっとびっくり。
(考えてみればそんなに子供産まないか…)
おお!!
なんとコアラ館がある!
オーストラリアに行かなくてもコアラは見れたのか!
……ちなみに中は撮影禁止なので、これで我慢して欲しい。↓
どうやらコアラは別格の配慮がされているようなのだ。
ちなみに館内に居たのは一匹だけで、アークくんというらしい。
館内は少し薄暗くて静謐な感じで、そんな中で見たコアラはなんというか……丸い毛玉だった。(寝てた)
そして実は2023年現在、天王寺動物園にはもうコアラは居ない。
エサ代が半端じゃないため、維持が困難だということで撤退を決定したのである。(1匹で年間数千万)
何を食ったら1匹でそんなことになるんだよという話だが、もちろんコアラなのでユーカリを食べている。
そのユーカリの栽培委託費が凄まじいのだ。
どうやらコアラのために大規模に栽培委託をしているらしい。
「足りなくなったらオーストラリアから輸入すればよくね?」なんてことを自分は考えてしまうが、実はユーカリにはそれができない理由がある。
コアラのエサとして使うユーカリは農薬を使うのがNGなため、オーストラリアから持ってきてもユーカリに付いた虫が検疫で引っかかり、没収されてしまうのだ。
それゆえにユーカリの栽培場は日本国内になくてはならず、災害で供給できない状態を防ぐためにも栽培地を分散させ、冗長性をもたせる必要がある。
そしてもちろん日本で育てているユーカリも農薬の使用はNGなので、虫が湧いたら一つ一つ職員が手で駆除していく。
そりゃお金もかかるわけだよ……。
そんなわけで2019年にアークくんは天王寺動物園を離れ、イギリスへ渡ったのである。
そして……
お父さんになった。
おめでとうアークくん!!
(自分には毛玉にしか見えなかったけど)
コアラ知識を得てほっこりしたところで、次回へ続く……!
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