【つながる旅行記#268】初めての新宿御苑巡りと『謎の物体』
前回はあまりにも印象に残るところばかりだった伊東旅行を終えた。
そしてこれは蒙古タンメン中本である。
好きなラジオでやけにオススメしているので店に入ってみたものの、最低レベルの辛さを頼んだのに辛すぎてめちゃくちゃむせる。
また、一口ごとにむせてろくに食べられないのに、後ろの壁際には順番待ちの列が出来ているのでプレッシャーが半端じゃない。
自分の妄想だろうとは思うが、
「さっさと食えよ…」
「むせてんじゃねぇよ」
「ここはパンピーが来るところじゃねぇぞ?」
……などと思われていそうな気がしてならない。
なので涙を流しながら必死に麺をかきこむ。
泣きたい……! (いやもう泣いてたわ)
まあそもそも辛いものが苦手な人間が来るところじゃなかったよね。
これからはしっかりと自分の味覚を理解して店を選ぼう。
こういう経験もきっと大事。
……さて、そんなわけで自分は再び東京に来ている。
伊東から随分と様変わりした場所だが、帰省前の寄り道というやつだ。
初めての下北沢にも寄ってみたが、なんだかあんまり自分向けな場所ではなさそうな雰囲気。
そして道端にあったガチャガチャゾーンを見て、国宝土偶ガチャが三方五湖限定じゃなかった事を知る。
いやそりゃそうだろという話ではあるが、自分はなぜか限定だと勘違いしていたので衝撃を受けたのだ。
ま、まあ思い出はプライスレスだから……
そしてこちらは新宿御苑。
さっきから色々な場所へ移動しまくりだが、東京の公共交通機関網と観光スポットの多さは本当に凄まじい。
自分は人混みが最高に苦手=東京も苦手なのだが、人混みになるほどの需要があるからこその便利さだと考えると、なかなか判断が難しいところだ。
実は相当楽しめる都市なんだろうなと自分が思えるようになっただけでも、一歩前進だろう。
なお、東京に住んでいた頃はあれど、基本引きこもっていたので新宿御苑にも当然来ていない。
ここは新海誠監督の映画、『言の葉の庭』の舞台にもなった場所だ。
どんなところなのか楽しみ!
中に入ると、東京とは思えないのびのびとした空間がそこにはあった。
盛大に芝生に寝そべる東京の人々……まるで北海道大学のようだ。
(それくらいしか知らないだけだが)
なお北海道大学は「子供が走ると芝生が痛みまくってヤバいから禁止!!」という子供来ないで宣言をしたそうだが、北海道大学の芝生の規模で年間3000万円の維持費がかかっていたというから、これは新宿御苑も相当な額がかかっていそうだ。
しかし新宿御苑、思った以上に自然が楽しめる場所のようだ。
自分のような田舎出身者でも、普段は便利な都会で過ごしつつ、耐えられなくなったら新宿御苑で自然成分を吸収しに来ればなんとかなったのかもしれない。
そして大量のメタセコイアもあった。
たしかこれ、博物館で化石とかになっていたような……?
実はこの植物、化石では昔からよく知られていたものなのだが、昭和21年(1946年)に中国にまだ実物が存在していることが判明したという面白い歴史を持つ。
そのため生きている化石と呼ばれ、日本にも植えられるようになったのだ。
数日前に沼津でシーラカンスを見た直後な人間としては、不思議なめぐり合わせを感じる。
(……あとメタセコイアなのかメタセコイヤなのかはっきりして欲しい)
そしてなんだか凄く奇妙な空間が広がっていることに気づいた。
なにやら木の周りに洞窟にできる石筍みたいなものがいっぱいあるのだ。
これはなんなのかというと、ラクウショウという木の『呼吸根』だ。
いや、そもそも呼吸根って何だよという話だが。
植物も夜には光合成ではなく呼吸をしている事は義務教育で知っていたが、根っこで呼吸してる木があるのか……?
あるのだ。
ラクウショウは原産地が北アメリカの湿地や沼地なので、酸素を取り入れるために地上に呼吸根を伸ばすのである。(沼地の土中では酸欠でガス交換が困難なので)
まあここは沼地でもなんでもない気がするが、伸ばせるもんは伸ばしとこうということでついつい呼吸根を出しちゃうのだろう。
なお、この呼吸根は天然のトラップとして超厄介なので、基本的に公園の管理者によって処理されることが多い。(つまづいて転ぶから)
とはいえラクウショウもまさか公園に植えられるとは思わなかっただろうし、罪はないのだ。
ラクウショウは見た目がメタセコイアとよく似ており、多少違いがある葉っぱを見たりしないと判別できないのだが、もし近くに呼吸根があればラクウショウだと簡単にわかる。(管理者に処理されてなければだが)
新宿御苑はラクウショウの呼吸根観察スポットとしても良いのかもしれない。
というわけで、新宿御苑は何やら見どころがまだまだありそうな感じだ。
こんな良い場所を知らずに過去に都会で過ごしてきたことを少しだけ後悔しつつ、興味が湧くような状態になってから来れて良かったとも思う。
引き続き探索して知識を得ていこう。
次回へ続く……!