【つながる旅行記#36】大間のマグロ、圧倒的大満足。
前回、むつ市を歩き回り聖地巡礼を完了。次の目的地を大間に定めた。
下北駅からバスに乗り、大間へと辿り着く。
もう時刻は16時を回った。
そして知る。
今日はもう函館行きのフェリーが無いことを。
函館と大間は、確かにフェリーで繋がっている。
しかし、運行しているのは1日2便である。
バスやフェリーは四六時中運行しているわけではないのだ。
1時間待てば次のが来るなんて世界ではない。
函館のバスでも失敗したのに、なぜ同じような失敗をしているのか……。
「そのスマホ、何のために持ってんの?」
そんな声が聞こえてくるようだ。
行き当たりばったり、ここに極まる。
しかし、失敗はしたが挽回も早かった。
いち早く今日泊まる場所の予約を行い、野宿だけは免れたのだ。
(おそらく冬の青森で野宿は死ぬ)
今はその宿泊所に向かっている。
マグロは後回しだ。
家々が立ち並ぶところから離れ、山に向かってかなり歩き、到着した。
ここは「大間町 海峡保養センター」。
温泉施設だ。
なんと調べたら宿泊も出来るようなのだ。
最近大きい湯船に全然浸かってなかったので、民宿よりもこちらを選んだ。
「浅虫温泉で温泉に入らずに、大間で入るのかよ」とは思うけども。
部屋は小さめだが、雨風をしのいで寝られるだけで感謝である。
しかも部屋を出れば大浴場があるのだ。
正直、ホテルよりテンションが上がる。
超高速なFreeWiFiも使えるらしい。
さて、それでは宿も確保できたことだし、マグロを食べに行こう。
荷物は最小限にして、負担を減らす。
あれこれ中身を出し、必要なものだけサブザックへと移し替える。
中身を出した結果、部屋は散らかったけど……。
まあ帰ってきたら片付ければいいか。
いまはさっさとマグロである。
※まさかの旅館と同じシステムだったらしく、このあと帰ってきたら布団が敷かれて、散らかった荷物も片付けられていた。
ここに泊まる人は気をつけよう……。
お部屋係の人、申し訳ない。
外に出るともうかなり薄暗くなってきていた。
急がないと帰りが怖いことになりそうだ。
到着した。
大間でマグロを食べられる店は他にもあるのだが、
すぐ近くに本州最北端もあるのでここを選んだ。
さっそく中へ入ろう。
値段を見ると……3000円越えである。
自分は贅沢な店は避け続けてきたので、こんな額の外食をしたことはない。
いや、ここは覚悟を決めて注文しよう。
今後来れるかわからないんだぞ?
来た。
な、なんだこの切り身のデカさは……!?
3色丼なので赤身、中トロ、大トロが乗っている。
こんな巨大な大トロを食べるなんて人生初だぞ……!
なんだか緊張してきた。
ふと外を見るとなんかネコが集まっている。
人生初の大間のマグロにビビっている自分を心配しているのだろうか。
ネコに見守られつつ、いきなり大トロからいただく。
モニュ……モニュ……。
にやり……!(満面の笑み)
なにかを食べて、
笑えてくるのは始めてだった。
うっめぇ……。
箸が止まらん。
中トロ、赤身も食べる。
……おいおい、自分が今まで食べてきた赤身ってなんだったの?
アカマンボウだったの?(ウソ都市伝説)
もう何もかもが美味い。
3000円とかどうでもいいことだった。
余裕でその価値はある。
しかも画像ではちょうど見えないけど、小皿に乗った謎の白い身もめちゃくちゃ美味かった。何なのかわからないけど。
圧倒的大正解だった。
大間に来る選択をしたことも、この店を選んだことも。
いやホントに……大満足だった。
もうすっかり日は落ちた。
「大間んぞく」で大満足した自分は、本州最北端へ向かう。
日本という枠組みで言えば稚内の宗谷岬が日本最北だが、
本州という括りなら、ここ大間に最北端がある。
自分がまさか来ることになるとは思っていなかったが。
人生分からないものだ。
最北端ではマグロの一本釣りをしていた。
マグロ、美味かったよ……。
目的を果たし、宿泊所へ向かう。
ぶっちゃけ暗すぎる。
これから山方面に向かって長距離歩くとか何の冗談なのだろう。
どう考えても車で行く宿泊所だった。
ふと海を見ると、津軽海峡を挟んで函館の明かりが見える。
こっちにも分けてほしい。
おそらく青森では有名なスーパーであろうMAEDAで物資を補充し、宿泊所へ向かう。
ああ、今日もまた泥のように眠ろう。
しかし大間のマグロ、凄まじい美味さだったな……。
このためだけに大間に来たくなる魅力が間違いなくある。
明らかに舌が肥えてしまった。こんな世界もあるんだな……。
よし、明日もマグロを食べよう。
もう来れないかもしれないから仕方ないよな。
暴走した舌は、止められないかもしれない――
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