【つながる旅行記#252】沼津御用邸の謎のゲームと畳と安全管理
前回は沼津御用邸にやってきて自転車の歴史を語って終わった。
今回はちゃんと見ていこう。
御用邸を。
そんなわけでこちらは調理室である。
ここで皇族や勤め人の方々の食事が作られてきたのだろう。
釘隠しにも大量に種類があるらしい。
釘を隠すためだけにこんなにこだわるなんて粋な文化だなと思う。
(PCやガジェット類の隠しネジは嫌いだが)
そして謎のゲームが置いてあった。
これは『昭和天皇実録』にも4回登場する、「クロックノール」というものなのではないかと言われている玩具だ。
「なのではないか」というのは、宮内庁が昭和天皇実録を作るにあたって資料を見ていく中で、「この何度か出てくる”クロックノール”って何…?」という感じで、実はどんなものかは把握できていなかったらしいのだ。
だがそれを、「なんだかよくわからないけどとりあえず実録に書いとけば情報来るかも」という経緯で宮内庁が収録したところ、のちにボードゲーム研究家が「これはクロキノールでは?」と情報を寄せてくれたのである。
『クロキノール』は当時主に上流家庭で遊ばれていたカナダの玩具で、別名「クロック」とも呼ばれていたカーリングみたいなゲームとのこと。
そう聞くとクロックノールはクロキノールで確定っぽい。
世界には知らないゲームがいっぱいである。
観察力のある人は気づいたかも知れないが、ここは畳ではない。
日本家屋ではあれど、時代に合わせて洋風要素も取り入れていたのだ。
というか沼津空襲で焼かれてしまった部分には、そもそも洋風建築だった部分もあったりする。
現在の上皇陛下は沼津空襲の3日前まで御用邸に居たとのことなので、歴史というのは本当にタイミングが違えばどうなるかわかったものではない。
そういえば畳について話してなかった。
ガイドの方が「この模様が合ってるのが凄いんです!」と言っていたのだ。
言われてみれば模様がしっかりと連続するようになっている。
自分が畳を作ったら盛大に斜めになるのは間違いない。
神は細部に宿るのだ……!(元ネタはドイツ)
なお、この模様は『小紋高麗縁』といい、大紋高麗縁と比べてレアらしい。
機会があったら探してみよう。(京都御所にもあるとかなんとか)
お風呂は広い湯船とかではなく、掛かり湯式というものだったらしい。
(お湯をかぶって綺麗にするということ?)
なお、お湯は50mほど離れた湯沸かし所からえっさほいさと手作業で運び込んでいた。
とにかく御用邸では火事に気をつけており、最初に見た調理場でも炭火くらいしか用いず、大きな火が必要な場合は湯沸かし所のかまどを使うように徹底されていたのだ。
なにせ皇族が使う場所なので最高レベルの安全を考えなきゃいけないだろうし、安全担当者はストレスがエグそうである。
ぼくにはとてもできない。
そんなわけで西附属邸でした。
一般庶民がこんなものを見れるなんて良い時代だなとあらためて実感する。
さてさて、それでは東附属邸も見て……
……またどうにもタイミングが悪かったようだ。
まあまた来ればいいやということで諦めよう。
歴史民俗資料館は開館しているみたいだし十分だ。
では、さらなる知識を求めて歴史民俗資料館へ行こう。
全然御用邸と民俗資料館に関係性は感じないが、果たして……?
次回へ続く……!!
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