だらだら音楽観①ー曲の背景を知る上での2つの視点

また色々考えすぎてツイート増えちゃいそうなのでだらだらとひとりごと。

今日はいま自分が曲を分析するときに大事にしていかなきゃいけないと思っていることを備忘録的に書いていこうと思う。いつか何やればいいかわからなくなった時に参考になるかもということで。

その① 定義づけ


いま自分の中で大事にしていることは「定義づけ」である。音楽界ではよく使われるがあまり意味のはっきりしない言葉が多数存在する。たとえば「可愛いく演奏する」「エロく演奏する」などである。これらはなんかこうconcreteな演奏のイメージを誰ももたないままなんとなく受け継がれてしまっているなと思う。こういう言葉たちにちゃんと定義を与えて、合奏で使える形にしていくこと(または合奏で自分が使っている言葉をsolidなものにしていくこと)は本当に大事な事だと思う。

定義づけは曲によって異なる技術的な内容でも有り得るし、もっと抽象的なことでもよい。たとえば、可愛くとは「フレーズの余韻を上向きに空中に溶かすようなイメージ」かもしれないし、エロくとは「見てはいけないものだとわかっていながらも、どうしても目を離せなくなってしまうような、背徳的な魅力を内包する音」かもしれない。なるべく演奏者から積極性を引き出すような言葉遣いが理想的である。抽象的であっても、狙いどころを狭めることに成功していればある程度の成功を収めていると言える気がする。
今日ふと思い立ったのは「室内楽的」とはなんだろうということ。なんとなくのイメージはわかるし、自分も使っちゃったことあるけど実の所なんのこと言っているかは分からないなあ、今度室内楽を色々聞いてみて勉強しよう。

その② 位置づけ

もうひとついま大事にしていることがあるとすれば「位置づけ」である。これから演奏する曲はその作曲家の他の曲との関係でどういう位置付けなのか、この作品のは他の作品にないどんな思い入れがあるのか。その作品はなんのジャンルに属すのか、そしてそのジャンルはどういう特徴を持っているのか。その作曲家は同時代の同地域の作曲家の中でどういう立ち位置で何をこだわりとしているのか。さらに地域ごとにどういう特徴があるのか。歴史的な経緯は。このような形で比較の材料として様々な枠組みでのいま取りくんでいる曲の「位置づけ」を知ることで、特にこの曲で作曲家が何を表現したかったかの核の部分が朧気ながら見えて来るような気がする。これを演奏に落とし込むのにはまたハードルがもうひとつ必要なのだが。

だらだらな結論(?)

この定義づけと位置づけはあくまでも楽曲の核に対する解像度をあげるための道具であって本質的なことではないが、このmeticulousな作業を毎曲続けていくことが今後の力になると信じている。

いまはまだ全曲一から全部調べる感じになっているが、対比の作業だけでなく類比の作業が沢山できるようになってからが本当に深みに迫っていけるのだろうと感じる。過去にやったあの曲とここの部分が似ている→ではこの曲でのこのフレーズはあの曲とどう違うか、どう演奏されるべきか という初めて勉強する時よりもう一歩高い解像度でのリアルな感覚をもっての比較作業ができるようになるからである。早くそのレベルに達したいな〜。

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