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ホリックと次元の魔女

「あなたの願い、叶えましょう!」(次元の魔女)


テレビドラマ「HOLiC」(2013年、CLAMP原作、豊島圭介演出)を観た。
生まれつきの霊感体質であった主人公の四月一日君尋(染谷将太)は、小さい頃から目に見えないあやかし(妖怪)の姿が見えて、普段から悩まされていた。そして見えていても何もできない自分に嫌気がさしていた。君尋(キミヒロ)は、ふと気が付くと“ミセ”と呼ばれる妖しい屋敷の前に来ていた。不思議に思っていると、その屋敷の扉が開いて君尋は部屋の中に引き込まれてしまう。「いらっしゃいませ、お客様!」マル(川島鈴遥)とモル(畠山紬)という名のふたりの少女が現れると、やがて女主人の壱原侑子(杏)の元に連れてゆかれた。


「世の中に偶然というものはないの。あるのは必然だけ」

浄玻璃の鏡のような水の中に、君尋の所持していた古い時計を入れると侑子は静かに語りだした。「ワタヌキキミヒロ、特殊な家族構成の中に身を置いている。本当の両親じゃない人と住み、ひとつ屋根の下にいる人たちは全て苗字が違う。手先が器用で、家事をしなければならない環境にいる。小さい頃から家系的な血のせいで、あやかし(妖怪)を自然に惹きよせてしまう。きっとそれがあなたの悩みね。」誕生日と名前を明かすだけで、読み解く人にはすべてわかってしまうという。


「与えられたモノには、それに見合っただけの対価という代償が必要なの。願いを叶えたら、それは過不足無く、きっちりと均等に頂くわ。それが、例え魂(たましい)であったとしても。」
君尋は、後に侑子は時を超えし「次元の魔女」であることを知る。次々と奇怪なトラブルに遭遇する君尋は、いつしか女郎蜘蛛(安達祐実)の世界に捕らえられてしまう。人の弱みに付け込み魂を喰らおうとする女郎蜘蛛。果たして、瀕死の状態の君尋に、侑子はどのような決断をするのだろうか?といった物語です。
「ゲゲゲの鬼太郎」「呪術廻戦」など、妖怪の世界のことを描く作品の多くが大ヒットしていますが、目に見えないものが世の中に与える影響は計り知れません。世界の気候変動も、目に見えない龍神の怒りなのかもしれません。多くの人が神社仏閣や聖地に足繫く訪ねるのも、人間にはどこか人智の及ばない崇高な存在があると信じているからに他なりません。いずれ目に見えない世界の真相がわかる日がくるかもしれません。




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