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嗣人
2020年2月24日 14:27
夢を視た。 薄暗い病院の廊下、緑色の非常灯の明かりが仄かにあたりを照らす。赤黒い血に塗れたリノリウムの床の上に誰かが転がっている。白衣を着ているので医師だろうか。少なくとも、彼には下半身がない。まるで乱暴に引きちぎられたような有様に思わず目を背ける。 夢だ。これは夢だ。 呆然とする頭で、必死に思考する。こんな病院は知らない。こんな光景は知らない。こんな男は見たことがない。これは紛れもなく夢
2020年2月28日 00:21
太宰府天満宮の祭神として祀られて幾星霜、御神徳を得ようとやってくる参拝客は増え続け、今や日本屈指の大神社となった。学業の神として知られる一方で、家内安全や商売繁盛、恋愛成就や安産祈願など願い事も大変多い。遠路はるばるやってきたのだから、他の願い事も一緒に叶えてもらおうというのは無理もない。人間誰だって高名な神社で願いごとをする。そういうものだ。 しかし、如何せん専門の分野というものがある。私は
2020年2月29日 20:10
その場所は太宰府天満宮から徒歩五分ほどの場所にある古い喫茶店である。一階は木刀などの修学旅行生を虜にするアイテムを揃える土産物屋、二階は少し大きめの座敷になっており、普段は喫茶店として使用しているが、現在はとある団体が貸しきりで使用している。クリスマスが終わった辺りから、二十人ほどの男女が籠ってなにやらしている。 店主の孫、松戸晶子は年末に帰省した際に二階に出入りしている大人たちを見かけたが