革新の時代のあれこれ書き散らし

思うことをつらつらと。

勢力に関しての話では以前書いたTierリストに触れるのでご参考に。

テラミスティカと比べて純粋に良くなったと思う点

科学ボーナスで4パワーを得られるのが4段階ではなく、3段階になったこと。
その他の点は大体良し悪しあって好みの問題だと思う。

テラミスティカと比べて純粋に悪くなったと思う点

ゲーム開始時の勢力の選択

ドラフトルールでは勢力に対して地形を自由に選択できるようになった。そのため地形が隣接するからこの種族はやめようということがなくなり、結果弱いと思う勢力を選ぶ理由は特にないという状態になった。

現状ドラフトと通常の組み合わせルールの経験がちょうど半々だが、そういった意味で勢力地形ボーナスタイルを組み合わせてピックするルールのほうが好み。ただ、これはこれで宮殿早取りが初手番の宮殿一直線を強要してるみたいでちょっと不満。

尖った勢力がいなくなった

モジュラー式になったことでスウォームリングとかエンジニアのようなボードそのものが大きく違う種族がいなくなった。
強いかはさておき、ジャイアントみたいな砦(宮殿)と能力がセットの種族も作りようがなくなった。ドワーフとファキアも船を得た。
組み合わせによって一貫性がなくなったので、勢力というより能力だよね。

最強の宮殿は

  1. 宮殿13 : アクション - 3コイン1本, ギルド3点

  2. 宮殿12 : 収入 - 8パワー, 工房2点

勢力が基本的に経済的な能力を持っているので、自然に点数を得られる2つが頭抜けてるかなという印象。とはいえ宮殿は強力なものが多くて大部分は大きな差はないと思っているけども。
単なる点数換算だと工房2点のほうが高くなるが、アクションで手番が遅くなるとはいえ本がもらえる宮殿13のほうが強いと思う。

最弱の宮殿は

宮殿8 : 収入 - 2コイン 2パワー 1道具, 6パワーで都市

フィーラインとリザードでも基本的には不要。

地形の強さ

砂漠(黄) > 森林(緑), 沼地(黒), 荒野(赤) > 山岳(灰) > 湖(青) > 平原(茶)

テラミスティカで4番手が強かった最大の理由を1番手でも疑似体現できる黄が最強だと思う。
ただ、4人戦でのドラフトルールの場合、黄緑黒赤となると黄赤が隣接なので相対的に緑と黒が伸びそう。緑と黒は都市も作りやすいし。
灰は収入純増なので無難。なんだかんだコインはいる。
青は1船舶あって拡大し易いかと思えばそれが活かしにくいマップになっている上に都市を作りにくい。
平原は単純に能力が弱い。その分4人マップの地形は強い方だと思うが、特に黄色の隣というのがマイナス点。

航海士に関して

弱い。
ボーナスタイルのほうが船舶+1がついてて高性能というのが可哀想。
Tierリストで冗談交じりに出禁と言っている幻術師とどちらのほうが平均の強さからの差が大きいかといえばこちら。なので勢力を除外してバランスを取るということを本当に行うのならば、幻術師より航海士を除外するほうがいい。
(とはいえ勝つのは1人負けるのは複数人なので、1つ抜けてるのならそれを消したくなるのが人の性。まぁどんな勢力であっても私は自分から除外しようなんて言いませんが)

ただし上記はある程度テラミスティカや革新の時代を遊んでいる人から見ての話。初プレイで航海士を選ぶ人は結構多い。能力のわかりやすさはプレイの指針になり、そういった意味で幻術師と並んで指針を作りやすいので1~2回しかプレイしないほとんどの人たちから見ていい勢力なんじゃないかとも思う。過去には河川に隣接するスペースで減額が受けれるというバージョンもあったらしいけど、そういった目線で見れば今のほうが正解に感じる。

モールとリザードに関して

Tierリストでは下から数えて早い位置にしているが、個人的には強い寄りの種族。
というよりもこの2勢力に関してはピックできるできないがわかりやすいため、行けると思う場面でしか選ばず、勝率で見ると高くなると思っている。
(ドラフトで航海士・モール・リザードのうちの2つが残った選択肢だったら知らん)
テラミスティカでノマドとファキアではファキアのほうが強いと思っているファキア使いだが、それも同様の理由。

祝福されし者に関して

航海士だけでなく、モール・リザードもプレイ不可レベルに弱いとする意見を見かけた。
個別に触れた通りシチュエーションを選ばずにこれらをピックしなければいけないなら弱いのは間違いないが、リザードを上げているの祝福されし者に触れられていないのが気になった。

祝福されし者を相手にしていると科学ボーナス大量にもらっていて強そうに思えるが、実際のところ能力でもらえているのは初期の科学レベル1と合わせて4段階分のみ。
リザードとのわかりやすい比較として科学ボーナスを

  1. スコップ

  2. 道具

  3. スコップ

  4. 道具

という順番として、リザードが2ラウンド目と4ラウンド目に都市を完成させたと仮定すると、2ラウンド終了時点で

  • 祝福されしもの:1スコップ、2道具

  • リザード:1スコップ、1道具、2コイン、1道具収入

となっているので、3ラウンド目の収入フェイズ終了時点でリザードのほうが2コイン得している。
道具収入は4ラウンド目ももらえることを考慮すると4ラウンド目終了時に

  • 祝福されしもの:2スコップ、4道具

  • リザード:2スコップ、3道具、4コイン、2道具収入

となり差は広がる。
まぁ祝福されし者もスコップもらったあとに工房を立てて収入は増えるだろとか、2ラウンド目都市自体が確実じゃないだろとか、スコップスコップと科学ボーナスが続いたらとかツッコミどころはたくさんあるが。
さらにリザードが都市一直線ほぼ1択で妨害されやすくラウンド得点との折り合いも付けなければならないのに対して、祝福されし者は制約がない上、都市の鍵無しに7段階目以上の科学ボーナスがもらえるので基本的には祝福されし者のほうが強い。
しかし、割と現実的な範囲で能力の収入自体はリザードの方が多くなるしこの2勢力に大きな差はないと思う。

結局のところルールブック通りのドラフトルールでは人数+1しか勢力が用意されず、ピーキー勢力がそのピーキーさにあっていない盤面なのに強要されるタイミングがあるってのが問題な気がする。

フィーラインに関して

フィーラインそのものというよりは、こちらもツイッターで見かけたフィーライン最強説に関して。

祝福されし者が『みなし』で科学トラックが進む擬似的な科学勢力なので、革新の時代唯一の科学勢力ということがフィーラインの強み。
一方で都市を作るまで無能力であり、能力自体も盤面の拡大に直接的には寄与しないため、エリア得点に関しては他の種族の方が高くなる可能性が高い。

4人プレイ時フィーラインがいなかった場合に科学点を全員がきれいに分け合うと仮定して8-4-2-0で14点。
さらにフィーラインが1都市作るごとに順位が1つ上がると仮定して3都市で8-8-4-2の22点なので上昇分が8点。仮に順位が入れ替わったのが全て同じプレイヤーだった場合、そのプレイヤーとは相対的に16点。最後にドンと点数が入るのでデカくみえるけど、元々能力なしである程度取れていることを考えると勢力能力での点数は印象ほど大きくない。
(ちなみに4都市は宮殿11を使用してならともかく、普通にやったらよほど上手な人でもない限りそのためにそれなりに点数を失うと思っているので割愛する)
ここに3本と科学ボーナスが入ってくるわけだが、拡大再生産に置いて最重要な序盤にその収入はない。都市の設立のために中立建物を取る可能性を考えると一概に言えないが、他の勢力がきっちりプレイできていればエリア得点では3位以下になる可能性が高い。

宮殿11を持って1ラウンドから科学レベル9を達成して科学ボーナスで2スコップ貰いつつ後のラウンドでおかわりみたいな状況のフィーラインは間違いなく最強の一角だと思うが、場面を選ばず最強クラスかと改めて考えてみてもやっぱりTierリストに書いた通り。

そんな中で勝率が高くなるとしたら、科学トラックを重視するプレイヤーが多い環境なんじゃないかなーと想像してみる。

革新の時代が目指したと思うもの

ストレスの少ないテラミスティカだと思う。

  • 最終ラウンドに2種類の点数がある→たくさん開拓したのに点数が全然取れなかったという体験をなくす

  • 12の勢力の殆どが経済的な能力を持ち能力タイルなどにもスコップが増えた→何もできなかったという体験をなくす

  • ボーナスタイルの得点はもう置き換えられることのない宮殿・大学以外は全て即時点に変更された→アップグレードすると点数が減るということをなくす

など。特にボーナスタイルの件でそう感じる。
ドラフトで不満に思っている強制2択でもない限り弱い勢力を選ぶ理由がないというのもある意味、好きな勢力をいつでも使えるということにつながる。
革新タイルでどーんと点数がもらえるのでじゃあ5冊の本の取得方法とそれで点数を取るためにはっていうのもプレイの指針になる。
そういった工夫を随所に感じる。

なのでテラミスティカシリーズを初めて遊ぶならまずテラミスティカからとせずに最初から革新の時代を遊ぶのがいい。
(テラミスティカシリーズをやりたいと思ってやる人は基本普段から重ゲーをやっている人だと思うので、ルールが多いから初めてに向かないってのは的外れだと思うんですよね)
ルールをステップアップで覚えるという1点に集中するならテラノヴァを挟んでもいいけど、あれは初手からの殺し合いを楽しめみたいな全然違うゲームだからなぁ。

そして、ここではあえてストレスという言葉をつかったけどそういった部分がテラミスティカの面白さでもある。そこから繰り返し遊んで物足りなくなってきたと思ったらテラミスティカやガイアプロジェクトに進めばいいんじゃないかと思う。増えろテラミ党。

BGGでの評価はテラミスティカを超えてガイアは超えないぐらいで落ち着くと思っているけど、10年後に今のテラミスティカと同じぐらい盛り上がっているかといえばそれはNoかな。
この予想が外れて、どの作品も10年後も盛んに遊ばれてたら嬉しいね。

最後に

ルールブックにドラフトルールなんて載せたのが革新の時代の最大の失敗じゃないかな?(特に人数+1の部分


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