強欲老人の、親の顔が見たい
日本政府の財政の厳しさは、この30年近く語られ尽くしている。せっかく始めた子育て支援の政策ですらも、税金をたくさん納めて居るであろう、高所得世帯から取り上げ、節約に励む必要があるのだという。
バブル崩壊以降、金銭的な余裕を失った日本社会においては、大学の研究予算を始め、インフラの維持コストや、非正規化による公務員の給与に至るまで、数々の支出の削減が進められている。
そのような日本に、恐るべきニュースが飛び込んできた。こちらのニュースを理解できるまで、できれば五回、いや、十回ほどご覧いただきたい。
理解は不可能である、文章の前半と後半で矛盾が生じているからだ
今をときめくロシア政府のフェイクニュースですら、現実と照らし合わせてはじめてその説明の矛盾を指摘することができるが、ロシア、あるいは北朝鮮などの全体主義国のメディアですら、一つの記事だけで矛盾を完結する作品を作り上げる高みに到達していない。
前半では、コロナ渦によって賃金の低下が発生したのだという。
賃金水準に連動する年金も、当然ながら引き下がる。それに対して何らかの給付措置が必要だとの主張である。その是非はともかく、この主張そのものには矛盾は無い。恐るべき点は、後半部分である。
後半部分で「賃上げの恩恵が及びにくい年金受給者」が挙げられている
賃金が下がったのであれば、年金は切り下がり、上がれば年金の給付水準も当然に引き上げられるのだ。
しかしながら、この記者の文章力故なのか、日本政府を壮大なる矛盾が占めているのかはわからないが、われわれはロシアの国営放送も夢見ることができない、論拠の楽園に到達してしまった。さらにそれを、滅多なことでは言質を取られないことで名高い総理大臣ご自身が「重要な申し入れなので政府として対応」すると言っているのだ。
別のニュースでは、一人5000円程度を想定しているのだという。対象となる年金受給者は2600万人だ。トータルで1300億円+事務コストだけが、今回の政策にかかる費用である。これそのものは、年額の国家予算を踏まえると、特段大きな物では無い。しかしー
そもそも、論拠を求めるというのは、弱者の戯言に過ぎないのだ。
われわれの社会に存在した、儒教的倫理。それらに寄生した団塊世代は、人口動態の前に圧勝を約束されている。実のところ、
「戦争の廃墟から日本を立ち上がらせた」
「多くの子供をなして日本の人口を支えた」
「私たちの世代は、年金の無い親世代を支えた」
といった美辞麗句は、世代と年齢を考えるとかなりの後期高齢者に限られる。彼らのような苦心の中で国を支えた功労者は、もはや高齢者のうちの少数に過ぎない。
国防充実の邪魔をし、成田空港設営の邪魔をし、バブルの余韻に自身の利益だけは得ることに夢中で、子供世代の利益を一切鑑みなかった「団塊」の世代がそこにいる。彼らは保育園の設営にすら、慣れ親しんだ抗議活動を繰り広げている。
「高慢な人々なのでしょうか?」というこの記事の締めくくり方は、「そうではありません」との答えを期待しているのであろう。だが、断じてこう主張したい。
お前らのような傲慢な高齢者の奴隷に成り下がるのは、もううんざりだ
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