Gaaki
Op.1 「ワスレタクナイオト」/Wasuretakunaioto Sounds you don't want to forget
Op.1 after story 番外編 「ワスレタクナイコエ」/ Wasretakunaikoe Voice you don't want to forget
Op.2 「愛スルコト」 / aisurukoto To Love
Op.1 に登場する 音楽の精 ガーキ 上→帽子をとった姿 下→後ろ姿 2作目にも登場します。 ただいま制作中。
「ワスレタクナイオト」 『8th』・『9th』の内容を少し修正しました。 「ワスレタクナイオト」・「ワスレタクナイコエ」 それぞれのイラストを差し替えました。 一度、投稿したものを変更するのは、良くないこととわかっていながらも、変更してしまいました。 投稿した後に思いつきました。よろしければ、改めて見て、読んでいただけると有難いです。
ガーキ/Gaaki ―音楽の精 主人公(私)/main character 小学生の女の子
No.2 「愛スルコト」 To Love
今回は、物語ではなく、初作品になった「ワスレタクナイオト」とそれの番外編である「ワスレタクナイコエ」を創ったきっかけについて書きたいと思います。 この作品は、エピローグでも少し書きましたが、私の実際に経験した事を元に創りました。そのきっかけとなったのは今年の夏です。 浪人生の私は夏休み期間限定で、地元の学童の先生という形でアルバイトをしました。以前から子どもは好きで、子ども達と一緒に遊ぶのも得意だと自負していました。とは言え、学童の先生は初めてで初日はとても緊張していまし
誰にでも忘れなくない思い出はあると思います。 でも、環境が変わり、状況が変わり、時が経つと色褪せてしまいまうものです。どの思い出も、自分にとってかけがえのないものなのに気づくと薄れてしまう。そんな事を誰もが経験しているはずです。 ですが、例え一度色褪せてしまったものでも、何かをきっかけにふと蘇ることがあります。そして、新しく何かに挑戦する背中を押してくれたり、普段は忘れがちな人との繋がりの暖かさを思い出させてくれます。 この物語は、そんな大切な思い出を振り返るきっかけにな
『大丈夫。』 心の中で言うと、また演奏する。 「おやつの時間ですよ〜。自分の席に戻ってください。」 先生にそう言われ、自分の席に戻ろうとすると、ピアノの前にガーキの姿が見えた気がした。 「ありがとう。これからもよろしくね。」 少し微笑んで、そう呟いた。 『もちろん!』 きっとガーキなら迷わずこう応えてくれるだろう。 みんなには聞こえない...忘れたくない声が私にはハッキリと聞こえた。
清らかな君へ きっと君なら、気づいてくれると思うから最後に僕からの言葉をここに残しておこうと思う。 君は、本当に素敵だよ。悲しんでいる人に手を差し伸べる姿も、真剣にピアノを弾いている姿も、褒められた時の照れ笑いも、どれもとっても輝いていたから。 君の中には、沢山の可能性が眠っている。これから、何にだってなれるんだ。だからどんなことにも挑戦して、そこで感じたことを大切にしてほしい。君なら、何があってもきっと乗り越えられるはずだよ。 お別れは寂しいけど、そう思える
その言葉を、もう一度頭の中で繰り返した後、本を閉じて、ピアノのある部屋に向かった。いつも通り椅子に座り、ガーキに教えてもらった曲を一通り弾いたところで、貰った楽譜がいつもと違うことに気がづいた。楽譜の裏に何か文字が書いてある。 昨夜の23時50分―。 「あと10分、もうすぐ行かないといけない時間か...。楽しかったな。」 そう呟くと帽子に刺さったペンを手に取った。 清らかな君へ
「はい、1時間経ったのでおやつの時間までは自由時間にします。怪我しないように遊んでください。」 先生がそう言うと、みんなは外に飛び出していったが、私はいつも通り部屋の中で過ごす。何気なく、本棚にある一冊の本を取り出した。表紙には大きく「ミッケ」と書いてある。夏休みに、ガーキと一緒にやった思い出の本だ。見ているとガーキの声が聞こえてくる。 『君は僕が居なくなったあと、このピアノを見る度に僕のことを思い出すと思うんだ。一緒にやったミッケを見る度
夏休みが終わったからといって学童に行かなくなるわけではない。学校がある日でも、終わったあとは学童に行く。二学期の始業式は午前中で終わるため、午後からは学童で過ごすことになる。いつもと同じはずだが、今日だけはわけが違う。夏休みの間、当たり前になっていた存在がないから...。 昨日までは、「ガーキ」という不思議な音楽の精がいて、教室を歩き回っていた。でも今、その姿は見えない。 学校の後の学童は、行くとすぐに、宿題をする時間になる。その間も、ふとした時にガーキの姿を思い出してしま
「今日から二学期が始まります。二学期は運動会もあるので、皆さん元気に頑張りましょう。」 終わりの会での先生の話が終わり、二学期が始まった。夏休み明け最初の一日は、気が重い...特に、夏休みの思い出が多ければ多いほど...
『ワスレタクナイコエ』 Voice you don’t want to forget 夏休みが終わった一日目、始業式の後の話。
次の日、始業式のあと学童に行くと、その姿はなかった。でも、教室を見るとガーキとの思い出が蘇る。ピアノの前に座ると優しいガーキの声が聞こえる。それが余計に寂しい気持ちを強くする。 いつも通りピアノに向かい、一通り弾いたところで、楽譜の裏に何か文字が書いてあることに気がついた。少し目を通してから、 「大丈夫。」 そう心の中で呟いて、また演奏する。 きっとガーキは今日も近くで見ていてくれる。 忘れられない…忘れたくない音がいつまでも、どこまでも響いている。 Fin...
一通り話し終えたところでガーキが時計を確認した。 「おっと!話しすぎてピアノの時間があと少ししかないや…これじゃきっと最後まで完成しないね...教えきれなくて申し訳ないな...」 「いいんだよ、完成しちゃったらこれからの楽しみが減るから!それに、ガーキからはたくさん大切なことを教わったし。」 「そっか、そう言ってくれると嬉しいよ。せめて、最後にお手本だけ見せておこうかな。僕の最後の演奏だ。聴いてくれる?」 「もちろん!特等席で聴くよ!」 「特等席?」 不思議そうにしながら椅