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軒先の形

中国の木造建築の軒先は、主張が強い。くどい、と言ってもいい。デザイナーか、あるいは建築主の強烈な意志が反映されて、(あるいはそれらが積み重なった文化的常識として、)機能を越えて無用に反り上がっている。
成都近郊、山間部との境目の街、都江堰のモニュメント的な建築。温暖で雨も多い土地。

ソウル宮廷の軒先。色彩はさておき、放射状の配列が丁寧で反りも抑制が効いている。組物の先端部の主張が強い。垂木の密度が高いのは強度を出すためか、デザインなのか

ソウルの古い街並みの民家の軒先。この街で見た家々の軒の垂木材は太くて短い印象。おそらく、長くてまっすぐな木材の調達が難しい中で大きめの軒の出を作ろうとしている技術的努力の成果では、と推測。これと比較すれば、宮廷の建築が、材料の選定からどれほど贅沢をしていることか、推察される。

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