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開業する際に覚えておいて欲しいこと

開業する際、いろんな人が関わることが多くありますが、特に重要なのか、資金調達になります。

資金調達は金融機関から行うことになると思います。

そして資金調達するには「事業計画書」が必須であり、その事業計画書は、ちゃんと成り立つ計画書が必要です。

1年目から大幅黒字の事業計画書はクリニックではあまり見かけません。

1年目は利子のみ返済、2年目から元本も返済になります。

なので、2年目以降、ちゃんと返済ができますよという事業計画書が必要になります。

そんなの当たり前じゃん!と思うと思いますが、当たり前なのです。

ただ、ここからが問題で、仮に専用ソフトでの試算で1日あたりの患者数が1年目20人、2年目40人、3年目以降は60人で継続、一人1日当たりの単価は5000円と設定します。

これだと、1ヶ月20日営業と仮定して、1年目1日10万円で、1ヶ月で1年目は200万円、2年目は400万円、3年目は600万円の計算が成り立ちます。

ところが、こんな医療機器も入れたい、あんな医療機器も入れたい、それに伴う借り入れは膨らみ、もしくはリースをして、月々の返済が増えてしまうということが往々にしてあります。

建築費が増加している昨今、建築費の増加も目立ちます。

数年前の20%増というのも珍しくありません。

で、医療機器を想定より増やし、かつ、建築費が20%増えてしまい、結果として、借入資金が20%増えてしまったと仮定します。

そうすると、本来、赤字になってしまう、もしくは赤字じゃないけど、ギリギリラインとなると、銀行はお金を貸してくれませんので、事業計画書を書き換えます。

ただ、あまりに大きく外れたものは出せませんので、ちょっとずついじったりします。

20%増やすには、1日あたりを1年目24人、2年目48人、3年目72人とすれば成り立ちますが、流石にちょっと銀行が見ても「こんなに来るの?」という感じがすると思います。

となると、これはやりすぎなので、1年目22人、2年目44人、3年目66人として、その代わり単価を5000円から5500円にすることで帳尻を合わせます。

これで事業計画書を出して、銀行から融資を得ます。

ただ、よく考えて欲しいのは、単純に紙の上で借入と返済の帳尻を合わせただけで、開業して患者が本当に来るかどうかもわかりませんし、その数が様々なデータからソフトが導き出した数字を、何の根拠もなく、正しいのかもわからないのに、業績を上方修正したにすぎません。

通常、最初に出す人数と単価が妥当な数字を出してきます。

つまり上方修正した事業計画書は、そもそもあまり当てにならない数字になります。

しかしそれらを知らないと、「事業計画書では成立しているんだから大丈夫でしょう?」って考えるDrが存在します。

銀行がお金かしてくれるんだから大丈夫なんでしょうという感覚なのかもしれません。

銀行もお金を貸したいので、ある程度上方修正された事業計画書でもOKを出すんだろうとは思います。

しかし、現実、開業するとそう甘くないことが多々あります。

開業時の銀行の融資は非常に甘いというか、「どうぞ借りてください‼️」的なところが多い印象があります。

実際僕は、周囲のDrとの情報交換が出きていたので、周囲で開業資金を借りた際の金利を教えてもらっていて、この金額の最低金利はこのくらいという相場を知っていたので、銀行に「この利率なら借りますが、それがダメなら他に交渉します」といって交渉しました😂

周囲でこの利率で貸し出しているのを知っていたので、できたのかもしれません。

そしてこちらの希望する金利でお金を借りられました。

しかし、もし運転資金が底をつき、追加融資をするとしたら、話は全く別になると思います。

以前も書きましたが、事実として、僕の知っているDrは予想より患者数が伸びずに3年目に追加融資を銀行に依頼された際、担当からボロクソに言われ、返済後は二度と銀行とは取引はしないと心に誓ったと言っていました。

そのくらい追加融資は厳しいようです。

なので、何が言いたいかというと、最初に出てくる1日当たりの患者数と単価から成立するような開業をまずは目指すべきであり、自分の理想を追求した、希望するような重装開業は避けるべきだろというのが僕の考えです。

ただ、自信がある、俺は間違っていない、絶対に成功する‼️という自信があるなら話は別ですが、それなら成功してから拡張できるように最初から設計してもらい、土地のみ借りておく(購入しておく)というのはアリだと思います。

待合室の拡大、第二診察室、第三診察室を増設した部分に拡張できるような設計をしてもらう。

こういう設計をしてくれといえば、してくれるでしょう。

あとは患者数を見て将来的に資金に余裕ができればすればいいだけです。

そして、その際、売上があり、利益が出ていれば、銀行は喜んでお金を貸してくれます。

事業に使い、かつ事業が大きく伸びることがある程度読める場合、銀行はお金を貸してくれます。

①資金計画は開業するDrの希望に応じて、現実とは違う数値に書き換えられているだけの可能性もあり、上方修正された事業計画書が大丈夫だから自分の開業もやっていけると考えるのは間違いである。

②ただどうしても大きいクリニックを作りたいという希望があるなら、将来拡張できるように設計してもらい、かつ土地のみ確保しておく。

③ウハウハな状態なれば内部留保、もしくは銀行からの融資でいかようにでも対応でき、かつ、利益の上乗せが見込めるため、より安全に投資ができる。

最初から重装開業するよりは、まずは試算にあった開業を心がけることを僕自身はお勧めします。

無駄なスペース、無駄な建物のために借金を返し続けるのは全くの無駄です。

そして、建てられたものは、使っていなくても傷みます。

そのため、無駄なスペースが傷んでいくことにお金を払うことになります。

よく考えて、拡大したいなら将来拡大できるように設計してもらうことをお勧めします。

ビル診なら、隣の店舗が空いた時に借りるという方法もあると思います。

個人的には最初は小さく、患者数が増えて収まりきらなくなって初めて拡張をしていくのがいいと考えます。

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