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クリニックの待ち時間の印象

開業すると、丁寧に診察しよう、ちゃんと丁寧に話も聞こう、そのほか、勤務時代にはできなかったことをしようという気持ちになります。

一方で、待ち時間というものには気を配る必要はあると思います。

知り合いのクリニック、待合室が空いていても、30分以上待つことがざらにあると。

待合室に2人いて、3番目で30分待ちは普通だと。

多分、1人10分かけて診察をしているんだと思います。

実際には、早い人もいれば遅い人もいるんだとは思います。

なので、1時間で10人くらいを目安にしているのかもしれません。

そして、そのクリニックで起こっていることは何か?というと、朝一と昼一、そして午前の終業と午後の終業の間際に患者が多く来院しているのです。

朝一と昼一は待ってもらえばいいということが言えると思いますが、待ち時間の関係で午前終わりと午後終わりに患者が多く来るのはクリニックとしてはいいことではありません。

スタッフに残業が生じ労働環境が悪いと判断されますし、当然残業代が発生しますので、余分な経費がかかります。

しかし、話を聞くと午前の受付が終わる12時前に5人とか来たり、また、18時前に数人が立て続けに来ることが結構あるとのことでした。

待ち時間を計算すると、結果的にそこに行った方が待ち時間が少ないと患者さんに判断されるようです。

そして、そのような状態は良くないと院長も診察の仕方を変え、待ち時間があまりないようにして改善を図ったようですが、受診動向は変わらずに今に至っているようです。

つまり、患者さんたちは全員「T先生のクリニックは待つ!」ということを理解し、それに合わせた行動をしているのです。

そして、実際には以前に比べ待ち時間が減っても、減った時間帯に受診をしないので、わからないということです。

最初の印象で、その後の受診動向が決まり、待ち時間等の削減が行われても、その後の受診動向は変わりにくいということが言えると思います。

また、大学や基幹病院のDrはそもそも30分くらい待つのは当たり前という考え方をしているDrもいますが、それはやめたほうがいいと思っています。

大学や基幹病院とクリニックは根本的に患者さんたちの考え方が違います。

大学や基幹病院で1時間待つのと、クリニックで1時間待つのでは全く意味が違います。

確かに一部、待ってもいいから、話をしっかりと聞いてもらいたいという患者が存在しますが、一部の患者のために多くの患者を犠牲にする、もしくは他院に移られるリスクをどこまで許容するかだと思います。

そして一回ついた「診察までの待ち時間が長い」という印象は簡単には消えません。

最初から待ち時間が短いという印象を持ち続けてもらう印象は必要だと思います。

午前、午後終わりに患者が多く来るのはスタッフの不満が最もたまりやすい条件の一つだと思います。

定時でしっかりと終わるようにいかにコントロールするか。

それが院長の腕なのかもしれません。

待ち時間対策は患者のみならず、スタッフの満足度にも影響します。

そして患者さんの待ち時間が長いという初期の印象を消し去るのは難しいということも覚えておいた方がいいと思います☺️

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