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院長とスタッフの方向性をどうすり合わせするか?

開業医同士で飲み会をするとこの話題が出ることがあります。

「俺(院長)はこうしたいのに、スタッフは反対する。」

よく聞く話です。

小さいことでは受付時間と診療終了時間に差を設けているところでは、患者数が少ないのに診療待ちの人がいても、受付が受付時間を過ぎると、その後に受診希望の人たちを勝手に断ってしまうということなんかがあります。

院長は患者数を増やしたいので、そういう場合は受け付けるように言ってもなかなか納得してくれない場合もあります。

また、それなら受付時間を延長して診療終了時間に合わせようとすると、これまた大反対になったりします。

また往診をしたいから、看護師に昼休みに一緒に来て欲しいということを新たに始めようとすると大反対が起こったりするのも聞いたことがあります。

新しい検査機器を入れ、その検査をするのが看護師である場合、看護師から大反対されたというのも聞いたことがあります。

いずれもスタッフの中にあるのは「今以上に仕事が増えることへの不満」だと思います。

院長が嫌いだ!というのは別にあるかもしれませんが、それは置いておいて、基本的には仕事が増えるのが嫌だという点が大きいのだと思います。

また、受付時間について言えば、帰宅時間が遅くなるのが嫌だというのもあるかもしれません。

ただそれはその通りで、仕事量が増えるのは間違いがありません。

新しいことを導入すれば仕事量は増えます。

これは当然のことです。

しかし、スタッフたちは、今の給料で今の仕事量なら満足だけど、今の給料で仕事だけ増えるのは嫌だというのが本音なんじゃないかと思います。

しかし、新しいことをするたびに給料を上げていたのでは、経営が成り立たなくなることもあり得ます。

まして新しい医療機器が本当に利益を生むかどうかもわかりません。

当院も色々と新しいことをしたいのですが、スタッフとのすり合わせについては、いつも考えてしまいます。

ただ心がけていることはあります。

入れることによる必要性の有無、またそれに伴うスタッフのメリットデメリットを院長がしっかりと理解した上で検討するということだと思います。

そして最優先されるべきは必要性です。

この医療機器を入れることにより、またシステムを変更することにより、患者さんにとって最大限メリットがあるのであれば、僕は導入しますし変更します。

ただし、必ず導入の前やシステム変更の前にはスタッフに話をします。

必要性についても理解をしてもらいますし、システム変更についても同様です。

これで全く理解が得られない場合が今までなかったのですが、多分、ほとんどのスタッフたちは必要性について理解はできると思っています。

ただそれが自分たちにとって不利益にしかならないのではないかという不満をどう解消するかという点が一番の課題だと思います。

ここからは僕個人の対処の仕方なので、反対意見も多くあるかもしれません。

ただ僕はこうしてきたよという事例としてみてもらえたらと思いますが、僕は割とスタッフと話します。

今僕が考えていること、将来したいことなど、なんでも話をします。

もっとこうしていきたいんだよね、もっとこうしたいんだよねという話をします。

もっと患者が増えたらこうしたいなと考えている、こんな事業も入れていきたい、こんな医療機器も入れたい等々、結構フランクに話します。

もちろん今すぐではないものも含めて話をします。

5年後10年後についても話したりします😂

スタッフは現実不可能なんじゃないの?と感じることも僕の目標として話をします。

また、スタッフには定期昇給やボーナスのアップの仕組みについても話をします。

以前、スタッフと話をしていて、「定期昇給をしていくには、それに見合った利益がないとそもそも定期昇給は難しいし、あとはクリニックの内部留保を減らしたり、取り崩したりしながら対応するしかないので、基本は売上・利益共に右肩上がりであることが求めらる。旦那の給料が上がらないか、上がっても貯蓄率が下がるのに旦那のお小遣いは上がり続けるってないでしょう?」って話したら、「確かに‼️」と言っていました😂

スタッフの給料が上がり続けるには、売り上げ(利益)が上がり続ける必要があるというところを理解してもらうと、実は新しいことへの受け入れが良くなったように感じています。

また、患者さんに必要性の高いことは導入したりシステムの変更したりするのも、患者さんの数が増えることにより売上が上がり、それがみんなの給料が上がる原資になるということを理解してもらえれば実は、導入・変更は難しいことではないと考えています。

こうやって、売上が上がり続ける必要性があること、そのためには新しいことへの取り組みやシステムの変更、その他、いろんなことが必要であることをスタッフ全員に理解してもらうことが必要なんじゃないかと考えています。

そして、スタッフ全員が仕事量が増えることについては、本当に納得できていなくても、必要性は理解はできているという状況は生まれます。

僕はまずはこの状態で導入・変革していいと考えています。

その上で、患者数が増える、患者に感謝されるという環境が生まれ、患者さんからの感謝をスタッフが実感できれば、結果として納得もできてくると考えています。

ただその際、以前の述べたかもしれませんが、スタッフの動き方については、スタッフに一任します。

彼女たちが考える、もっとも動きやすい、負担のない形でやってもらえたらいいからです。

正直、最初は無駄が多いなと思うことは多々あります。

ただそれは仕方がないことであり、彼女たちが納得するための代償だと考えています。

自分たちで上手にシステムを検討し、それにあった動き、役割分担ができてくると、負担感も減ります。

そうやってクリニック全体としてブラッシュアップしてくことが必要になると思います。

また、その一環でスタッフが増えることもあります。

また、雑用をより減らし、本来の業務に集中できるようにすることも必要です。

誰でもできる仕事を看護師がするのは非常に悪手だと考えています。

仮に看護師が暇の時間があっても、その時間に看護師にやらせるのは悪手だと僕は考えていて、その間に、もっとも改革できる部分を考えてもらう方がはるかに有益だと考えています。

開業当初はコストがかかり売上があまり上がらず、雑用は手の空いている人がやればいいじゃん!って思うかもしれませんが、個人的には看護師は看護師として、医療事務は医療事務としてどうやったらもっと患者さんの満足度を上げられ、もっと患者さんに来てもらえるクリニックになるのかを考え実践してもらった方がいいと考えています。

そうやってみんなが考える習慣をつけていくほうが将来的にメリットが大きいと考えています。

飲み会で、他のDrたちから、「看護師や医療事務にいっても経営なんて理解できないじゃん」って言われることがあるのですが、それはDrが、みんなが理解できるように伝えていないだけで、理解できないスタッフが悪いのではなく、理解できるように伝えないDrが悪いんじゃないかと僕は考えています。

まあ、そんなことは言いませんが😁

開業するDrたちでも、減価償却をちゃんと理解できている人は多くはありません。

それと同様に看護師、医療事務に経営をちゃんと理解しろと言ってもそう簡単ではありません。

僕の個人的意見としてですが、スタッフにちゃんと説明をして、理解できるまで話をした上で、新たなことを導入し、その上で、利益を上げつつ、スタッフにもその利益が還元できるようにしていくことが重要だと思っています。

トップダウンで導入、変革もありだとは思いますが、僕の中ではその手法よりは話して伝えて理解してもらう方がいいと考えています。

正解はないと思いますが、スタッフを集める時に話を聞いて理解しようとしてくれるスタッフが集まると、非常に楽だと思っています。

そういうスタッフを集め続けるのが重要であり、スタッフの大半がそうなると、新たに入ったスタッフもそれに染まっていきます。

そしたら経営者としては勝ちだと思います。

雑談でした😁


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