組織でお局はどうして発生するのか?
病院ではよく「お局」が発生します。
正直、どこの病棟にもお局が存在します。
以前働いた田舎の病院では各病棟にお局が存在し、そのお局は全員煙たがってはいますが、A病棟のA、B病棟のB、C病棟のC,D病棟のDというお局がいると、A病棟のAをB病棟に移動させようとすると、B病棟はAを引き受けるならBをどこかに出してくれ!となり、じゃあBをC病棟に移動させるとなると、C病棟はならCをほかの病棟に移動させろといってきて、じゃあ、D病棟になると、D病棟はじゃあ、Dをほかの病棟に移動させてくれとなり、じゃあ、A病棟にとなって、結局一つずつずれるだけになり、結局問題のあるお局が回ってくるなら、まだ慣れているお局の方が御しやすいということで、この移動話は立ち消えになり、結局ずっとお局が居座ることになっていました。
こうやって、お局はさらにわがまま放題のお局が出来上がり、誰も自分たちを移動させられない、自分の地位を邪魔されないということを自覚し始めます。
また、お局同士のネットワークでこの話が全員に筒抜けになり、今の状態なら何をやっても大丈夫ということも自覚をします。
これは自分たちを誰も管理できないという発想から生まれているのだろうと思います。
師長だろうと看護部長だろうと自分たちを不利な状況に追い込めないことを自覚していることになります。
なので、そんなに働かず、若い看護師に仕事を振って、自分は座っていても何の問題もない、不機嫌そうにしていればみんなが気を使って何でもやってくれるという状況が生まれるんだろうなと思います。
お局がお局として存在できる環境が存在し続けることを理解しているんだろうと思います。
ただ多くの病院ではそういうお局に対して、指導は行われています。
口調や対応の仕方、その他、諸々の指導は僕が知る限りおこなわれていますが、その指導が全く意味をなしていません。
なぜなら、言われても痛くもかゆくもなく、給与が下がるわけでもボーナスが下がるわけでもないからです。
実質的なダメージはゼロです。
指導が行われても、言葉自体にダメージがない以上、「はいはい」といって聞き流して言えばそれで終わりです。
そして裏でお局が集まって師長の悪口を言って憂さ晴らしをしている。
どうやっても改善しませんよね。
これはクリニックでは、これが 一つの部署で起こるという違いはありますが、似たような感じになるのだと思います。
知り合いのクリニックでは開業当初からいた医療事務が10年経過し徐々にお局化し、自分の希望通りに動かない新人をいじめたり、無視したりするようになったと言っていました。
そして、新しい人がすぐに辞めてしまうと。
別の知り合いのクリニックでは派遣を頼んでも派遣もいじめてしまうので、1日で辞めてしまったと言っていました。
この二つのクリニックの院長と話をして共通していたことは、問題を注意した際に「なら私が辞めます!」といったけど、辞められると困るので「まあまあ、そういうことは言わないで。あなたがいなくなるとクリニックは大変になるからね」という「退職引き留め」をしていたことです。
これで「私がいないと事務は回らなくなるから、多少何をやっても大丈夫」という発想になったんだろうなと思います。
つまりお局作りのきっかけを作ったと僕は思っています。
これは自分の経験ではないので、確実なことは言えませんが、クリニックでお局化する際のきっかけは院長なんだろうなと思っています。
スタッフが自分の存在価値がほかのスタッフのよりも高いと勘違いするきっかけを与えてはいけないということになると僕自身は考えています。
実はスタッフ間同士でもこの人がいないと困ると感じることは存在するのですが、きっかけさえあれば、そのポジションにとって代わりたいと思っているスタッフもいると思います。
そういうスタッフをいかに抱えられるかが組織の強さになるのかなと思っています。
仮にAさんがお局化の兆候が見えてきた際には、早急にくぎを刺すことが 重要だと思っています。
Aさんには、今の問題点を話して、そのうえで改善されなければ業務から外し、その分給料の手当が下がる(手当がなければボーナスは大幅に下がる)旨を説明し、今後、同様の問題があれば始末書を毎回書いてもらうことを説明する必要があると考えています。
それなら辞めますという言葉が出てくれば「了解しました。退職希望日を教えてください」といって引き止めることは一切しない方がいいと考えています。
そこで申し訳ありませんということであれば、改善を見ていけばいいと思いますし、「なら辞める」という言葉が出れば、そのまま退職を受け入れる方向だと思います。
そういう強い姿勢を経営者は見せることでお局化をかなり防げると僕は感じています。
ただ愛人を雇用し、お局化している美容クリニックを知っていますが😂、こういうところはそもそもお局化を悪いと感じていませんので、仕方がないですし、そういうところで働いている人は諦めるしかありません😂。
お局の方が経営者より強いので、まあ、そういうところで働くのはやめた方がいいよねということになるかと思います。
もっともそこは愛人を事務長として置いているのでお局とは違うのかもしれません。
事務長が単にワンマンというだけなのかもしれませんね。
でも、20代半ばの看護師が事務長として年上の看護師の面接で上から目線で指摘するのはあまりいい感じではないですからね。
そういう事務長がいるところへの就職はお勧めしませんね。
ちょっと話はそれましたが、お局問題で退職者が多くなる確率は増えますので、そうならないように最初の段階から対応は必要だと思います。
お局を作らない、作りそうな人は早い段階で排除する。
こういうと属人性がなければお局化は起きないような感じもしますが、属人性は僕個人はある程度は必要だと感じているので、業務に適度な属人性を持たせつつ、ただいざというときはとってかわることが可能な人材を有しておくことが重要かなと思っています。