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痛みのメカニズムと痛み止めのお話


痛いって嫌ですね。辛いですし、自由に動けないのでイライラしますし、痛みが長く続くと鬱々とした気分になります。


💊痛みって何なんでしょう。


痛みの代表的なメカニズムは3つあります。


①体の傷や損傷などの刺激が末しょう神経を通じて脳に伝えられるもの
②神経そのものの痛み
③心因性の痛み

その他


痛みは本来、傷や温度、細菌などによる刺激があるとセンサーが働いて、発痛物質が作られ、神経を伝って脳に届けられて痛みを感じます。それは体の損傷にいち早く気づき、行動を制限し安静にして治癒を促す為に必要なものです。

最近ではさらに痛みを感じる様々な要因が分かってきました。
体に損傷がなくても、痛みを伝える神経そのものが痛みを感じたり、体や神経などに異常がなくても、心の状態社会的環境的な原因で痛みを感じるなど、は様々な要因で〝痛み〟を感じています。


今回はその中のにあたる傷や損傷による痛みを感じるメカニズムと痛み止めがどのように効果を発揮しているかについてです。


💊痛みを脳に伝える化学物質が放出される


体に怪我などによる損傷が起こると、細胞膜からアラキドン酸が遊離され、酵素によってプロスタグランジンになります。
プロスタグランジン炎症を起こす物質です。

また損傷部位の血管からブラジキニンが放出されます。
ブラジキニン痛みを感じさせる発痛物質です。

細胞→プロスタグランジン(熱、炎症)⇄ブラジキニン(痛み)←血管

プロスタグランジンは少しのブラジキニンでも痛みを感じるようにしたり、炎症を起こすことで、痛みを増幅させ、ブラジキニンはプロスタグランジンの生成を促進したりして相互の働きで痛み、熱、炎症が増強されるのです。


痛みは神経の束を通じて脊髄から脳へ伝わりますが、体の表面や骨格の痛みは早く伝わりますので、痛い場所も限定してはっきりわかります。
一方内臓には発痛物質がなく、痛みが伝わるのが遅いので、痛い部分がはっきりしなかったり、気づきにくい特徴があります。


💊痛み止めの働き


☆消炎鎮痛剤

通常痛み止めと言うと、一般的には消炎鎮痛剤(NSAIDs)と言われるものが良く知られています。

ロキソニンイブバファリンボルタレンなどですね。

これらの薬はアラキドン酸→プロスタグランジンに変える酵素の働きを抑えて、プロスタグランジンの生成を減らすことで、痛み、熱、炎症を和らげます。


💊痛み止めで胃が悪くなるのは何故でしょう。


プロスタグランジンは痛みに関わるだけではなく、他にもいろいろな働きをしています。


胃の粘膜を保護したり、血管を拡張して血流量を増やしたり、血小板を凝集して止血したり、腎臓の血流量を増やしたりしています。


その為、痛み止めでプロスタグランジンを減らすと胃の粘膜の血流量が減り、胃粘膜保護作用が弱って、胃炎胃潰瘍を引き起こしてしまうのです。

また腎臓の血管の血流量も減らすことで、腎臓が悪くなることもあります。

痛み止めで副作用が起こるのは、薬が胃に直接刺激を与えることだけではなく、その効果を発揮する仕組みそのものが原因となっているのです。


💊最後に

痛みは発痛物質とそれを増幅させる化学物質によって脳が〝痛み〟を認識します。
痛み止めは発痛物質が作られる過程をブロックして、発痛物質の生成を抑えることで痛みを抑えます。
発痛物質は痛みの他にも、胃の粘膜を保護する働きもしますので、痛み止めを使用すると胃を保護する働きも抑えることになり、胃炎や胃潰瘍になりやすくなります。
痛み止めで胃が悪くなるのは、痛み止めの薬理作用によるものなのです。

痛み止めを使用する際には、効果と副作用のバランスを考えて上手く利用しましょう!


こちらの記事に副作用の起こる仕組みを書きましたので、ご参考に!



最後まで読んで下さりありがとうございました。

心から感謝を込めて.。❍〇💖



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