2023年9月議会 原稿
9月 原稿
皆様、こんにちは。しらさぎ・無所属クラブ、平塚ユーチューバーしんこと元島 新です。
まず前談となりますが、2023年7月にしらさぎ無所属クラブで熊本市へ視察へ行って参りました。目的は二つ、熊本地震の経験を活かした最新の消防防災設備また日本で唯一の赤ちゃんポストであります、慈恵病院のこうのとりのゆりかごと、その、こうのとりのゆりかごに対する熊本市の対応を聞き取りに伺いました。
どちらの視察先もとても丁寧にご教示くださいました。ありがとうございました。
今回は熊本で得た情報と平塚市の育休の課題についてお話させていただきます。それではよろしくお願いします。
1災害に備えた消防設備とスマホを使った新しい通報
熊本市では2016年4月14日に熊本地震があり、多くの被害を受けました。実際に消防にも影響があったそうで、その経験を踏まえ、可搬型指令システムを含む新消防指令管制システムを導入したそうです。
熊本地震発生時の指令センターの概要は、指揮台1席、 無線統制台(むせんとうせいだい)1席、指令台4席の計6席で運用する通常モードから、大規模災害が発生した場合は、最大18席に拡張して119番通報に対応する大規模モードに切り替える体制でした。
前震が発生した4月14日から本震発生後の16日にかけても大規模モードに切り替え、合計2,822本の119番通報に対応したものの、実際にどれだけの119番通報があったのかは、今でも不明なままになっています。
また、指令管制システム自体のダウンはなかったものの、激しい揺れを受けて、指令台の液晶画面数台に接続されていた電源プラグが脱落したため、数分間画面操作ができない状況が発生し、119番通報受信から出場指令までに通常よりも時間を使ったほか、16面マルチスクリーンも非常用発電設備からの供給を受けるまで使用できなくなりました。
このように熊本地震で被災したことを受け、地震を踏まえたシステム機能の検討を十分に行う必要があると判断し、「可搬型指令システム」という装置の導入に踏み切りました。
可搬型指令システムについて概要を説明します。
指令センターが震災により被害を受け、業務継続が不可能となった場合でも、装置の一部を被災が軽度な署に持ち出し、設置することで119番通報の受付・指令の業務を継続可能にするものです。119番通報の受付窓口をすぐに引っ越せる持ち出し式の箱みたいなイメージです。
この様に可搬型指令システムは設置する場所を選ばず、取り外しから設営完了までの時間についても移動時間を含めて最長3時間あれば可能としており、大規模な災害により指令センターが万が一、被災した際でも、可搬型指令システムは指令業務の継続に非常に有効なアイテムとして使用可能です。
以上が可搬型司令システムの前提となります。
2点目、熊本市消防局では、公共の場での応急手当の実施率、救命率の向上のため、令和2年4月から119番通報の後に行う応急手当のアドバイス(口頭指導)を強化しています。その一つとして、映像を活用した口頭指導「Live119」を導入しています。これは、通報者のスマートフォンを使い、救急現場などの映像を災害救急情報センターに送信等ができる仕組みです。管制員は、送られてきた映像を見ながら応急手当の方法を指導したり、応急手当のやり方が分かる動画を通報者に送信することができます。
Live119導入の効果として3つ紹介します
1. 突然、家族が倒れて慌てていた通報者が、「Live119」を活用し、同じ状況を管制員と共有することにより、落ち着きを取り戻し、応急手当を実施できた
2. 通報者が行っている応急手当の映像を送信してもらうことで、より応急手当の効果が上がるようにアドバイスすることができた
3. 「Live119」の動画送信機能により、応急手当の動画を見た通報者が心臓マッサージなど適切な手当を管制員の説明のとおり行うことができました
Live119は、対象者を限定せず、音声による 119 番通報が行われる際に広く利用できるサービスです。通報者がソフトのインストールやアプリのダウンロードをすることなくウェブブラウザ上でリアルタイム通信を行うための新技術を採用しています。
LIVE119について今年2023年3月の議会で「導入に当たっては、スマートフォンをうまく操作できないことや、電波状況、通信速度の影響など、運用面での諸課題も多い。今後も、本システムの費用対効果及び、運用人員なども含めた中で、導入事例を参考に調査研究を継続してまいります。」とお答えいただいた議事録を確認しました。
実際に導入されている熊本市消防局の実績では「電波状況、通信速度の影響での失敗は3割程度であり、7割はうまくいった」というデータでございました。また市民はLIVE119に対して非常に協力的だったというデータでいただきました。
上記を踏まえて質問いたします。
まずLive119の導入事例を参考に調査研究を継続ということですが、
①2023年3月から9月までの間で調査研究があればお聞かせ下さい。
②平塚市でのLIVE119と可搬型指令システムの導入の予定はございますか?
③現状の情報収集について、平塚市の119番通報での電話による聞き取り以外の状況把握方法があれば教えてください。
④口頭指導について、通報者に心肺停止状態の傷病者に対する蘇生法を口頭指導する際、指令管制員は電話越しに伝えられなければならないかと思います。熊本では正しく相手に伝わっているか常に不安を感じながら口頭指導を行っていた。とおっしゃっておりましたが、平塚でも同様の懸念はありますか?
⑤平塚市は海と川に隣接する街ではありますが、津波の被害で消防指令センターの機能が失われた場合、どういった対応が取られますか。
(再質問)LIVE119の導入について前向きな場合、熊本市では実証実験について6ヶ月行ったそうですが、平塚市ではどのくらいの期間の実証実験を予定されておりますか?
2 平塚市の中心から始める育休
平塚市では産後パパ育休拡大の対象事業者と助成制度の検討、国が昨年2022年10月に創設した産後パパ育休制度は、出生後8週間以内の子を養育(よういく)していれば利用が可能で、全ての事業者が対象となり、従業員に育児休業を取得させた中小企業に対しては、両立支援等助成金の制度があります。平塚市としては、産後パパ育休の拡大を強く働きかけ、もう一人子どもが欲しい家族を積極的に応援。この助成制度の活用を市内事業者へ周知していくとともに、本市独自の取組についても子ども・子育て推進会議の中で検討とのことです。
産後パパ育休の拡大の働きかけありがとうございます。
政府主導で動き出した取り組みで、国家公務員の男性職員の育休取得率は、令和3年度において34%となっております。地方公務員はというと、目標として、令和7年までに育休取得率を30%にすることを目標としており、大きな差があることが分かります。ただ政府が主導し、国家・地方公務員は性別問わずに育休を取る時代に動き出しているのは確かで、地方公務員の男性職員の育児休業・休暇取得率は近年増加傾向にあります。
育休は「女性だけの制度」という認識だったものが、国をあげての少子化対策の一環として男性も育休を取ることを推進しているので、理解されやすい環境に少しずつなっているのではと思います。
ただ、地方公務員の育休取得率は、令和3年度のデータで19.5%です。前年度13.2%ということで前年度に対し、6.3%増加しているものの、国家公務員の取得率(令和3年度の34%)と比べると、やはりまだ低水準です。
取得期間も1カ月以下が5割以上となっており、地方公務員は国家公務員と比べて取得率が低いのが現状です。法律では地方公務員の育児休業等に関する法律より、子が3歳になる日まで、育休を取得可能です。
タイトルに戻りまして、平塚市の中心から始める育休ということで平塚市役所全体の産後のパパの育休について質問します。平塚市は民間企業に向けて、今後産後パパ育休の拡大を強く働きかけをするようですが、
①現状平塚市の中心である平塚市役所の公務員の方の男女の育休取得率を教えてください。
②育休の期間については男女それぞれ、どのくらいの長さを取得されておりますでしょうか。
③取得率向上の取り組みについて教えてください。
民間へ推進するのであればまず平塚市からやったほうが市の姿勢として望ましく社会情勢からみても素敵な街に見えるのではないかと思い、今回質問いたします。よろしくお願いします。
3予期せぬ妊娠を含む妊娠出産の専門的な相談支援窓口について
熊本市が2023年4月に新たに設置した「妊娠内密相談センター」に6月時点で50件あまりの相談が寄せられ、相談の内訳では「思いがけない妊娠」の相談が最も多かったことが分かりました。
熊本市の「妊娠内密相談センター」は市の内外を問わず匿名の人からの相談にも応じており、今年4月から相談の受付を始めました。
相談の対応には保健師や社会福祉士などがあたっています。センターの開設からおよそ3か月が経過し、熊本市は相談の状況を発表しました。それによりますと、4月から5月末までにあわせて53件の相談が寄せられたということです。
相談内容で最も多かったのは「思いがけない妊娠」で26件、続いて「出産や養育に関する相談」が14件です。半数以上が「思いがけない妊娠」という結果となりました。また2021年12月、熊本市の慈恵病院で国内初の「内密出産」が行われたと報道され、大きな話題となりました。
慈恵病院は、思いがけずに妊娠して子どもを育てるのが難しい女性が、誰にも妊娠を打ち明けられぬまま孤立した状況で出産することを防ぐために、病院が匿名を保証した上で出産する「内密出産」の取り組みを独自に導入しました。
内密出産とは匿名で出産をすることを望む母親が特定の人にだけ身元を明かして出産することです。赤ちゃんやお母さんを助けるための出産です。
妊娠した女性にとって、安全な病院で出産できることはメリットである一方、生まれてきた子どもの戸籍、養育環境、出自を知る権利などが保証されていない点が問題視されています。海外では他者に妊娠を知られずに出産する法制度が整備されている国もありますが、日本ではまだ法整備は進まず、議論も十分に行われていません。
思いがけない妊娠をした女性の中には、経済的困窮、性犯罪、健康上の問題、家族やパートナーとの関係性などの様々な理由から、周囲に妊娠を知られたくないと考える女性がいます。
妊娠を知られないために妊娠・出産・養育に関わる行政の支援・制度への利用を避ける傾向があり、結果的に母子の健康を害するリスクや遺棄・虐待のリスクが高くなると考えられます。
内密出産に至った10代の女性も、妊娠発覚による母親との関係悪化やパートナーからの暴力への恐怖が、妊娠を知られたくないと考える背景にあったそうです。
日本における2019年度の子どもの虐待死57人のうち、約半数は0歳児で、そのうち約40%は生後1ヶ月未満。また、35%は予期しない妊娠または計画していない妊娠であったことも報告されています。
子どもの遺棄・虐待を防止するためにも、計画外の妊娠をした女性全てに届く支援が必要とされています。
平塚市でも2017年2月に出縄で生後まもない乳児の遺体を空き地の地中に高校生の男女が埋めてしまった事件や2018年12月に花水川橋付近の浅瀬でへその緒が付いた女児の遺体遺棄が過去にありました。
事前の周知が大事になってきますが、相談窓口が知られていれば、ネットで「平塚市 妊娠してしまった」と調べたとき市への案内がもう少し円滑であればもしかしたら何か相談があったかもしれません。
極論、平塚市でも赤ちゃんポストがあればと思いますが、なんとも病院頼りですので今回、市ができるサポートとして、予期せぬ妊娠や、周囲に知られたくない妊娠を相談できる場所が内密相談センターを平塚市でもと思い、調査いたしました。
そこで質問します。
1. ネウボラルームはぐくみ、には予期せぬ妊娠や、周囲に知られたくない妊娠等の質問はありますか?そういった質問がある場合の対応はどうしていますか?
2. 内密相談センターを平塚市でも設けることは難しいですか?
最後の項目からは以上の2点を質問させていただきます。
よろしくお願いします。
追記 再質問原稿です↓