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夢のその先へ

夢の中へ行ってみたいと思いませんか?

こどもの頃、夢をコントロールする2つのスキルを持っていた。

1つ目は、
今が夢だとわかる俯瞰スキル。

夢だとわかると、どうなるか?

うふっふ~ うふっふ~

ご想像に任せます。
でも、こどもです。

たこ焼きを食べまくるとか、
本屋でマンガを読みまくるとか、
ドッチボールのヒーローになるとか、
そんなことぐらい。

かわいらしいもんです。

でもね、
夢の中の本には、文があり、
漫画には、絵があり物語があった。
それは理解を超えて不気味だった。

こどもの近くには神様がいるらしい。

大人になっても、
不意に発動することはある。
大人がしたいことは、
みんな、99%あれしかない。

うふっふ~ さーぁ~ あーぅふっふ~

ご想像に任せます。
もう大人なので書けません。

で、2つ目は、
夢から逃れる脱出スキル。
現世では禁止されている。

夢の中から逃げたい時、

崖から転落する観光バスの中、
吸血鬼に追い込まれた路地裏、
大観衆の前でセリフを忘れた時、

瞳を閉じて、
ワー!と心の中で念じれば、
現世に戻れた。

だから夢の中では無敵。
だから寝るのが好き。

ある時、夢だと気づく。
好き勝手に、遊ぶ。
危なくなったら逃げる。
自由自在にコントロールできていた。

現世に戻ったら適当に過ごし、夜を待つ。
その繰り返し。

そこまでは良かった。
夢のような毎日だった。

でも1度だけ、
夢の中で寝てしまったことがある。

夏休み中の真夏の夜。

その先どうなったかというと、
夢の中で普通に目覚めた。
それは、最悪の経験だった。

その世界は、現世ではなかったが、
現世のようにダラダラ生きた。
長い間、夢の中で普通に生きた。

そのまま夢の中で死んだら、
肉体はどうなったのだろう。

夢の中で生きつづけることは死と同じ。

幸い夢は、自然に覚めた。
肉体の限界だったのかもしれない。

目覚めた時は錯乱した。
あれほど怖かったことはない。

それ以来、
夢の中で遊ぶのをやめた。
夢かどうかを判定することもやめた。
おそらく夢というものは、
その先まで、深入りするものではないのだろう。

ただ、

夢の先にたどり着いたこの世界が、
夢ではないことを確かめるスキルは、
私には、まだない。


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