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【短編小説】ハメハメハ

※完全にギャグ小説です。

南の島の大王は その名も偉大なハメハメハ
ロマンチックな王様で 風の全てが彼の歌
星の全てが彼の夢 ハメハメハ ハメハメハ
ハメハメハメハメハ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
南の島に住む人は 誰でも名前がハメハメハ
覚えやすいがややこしい 会う人会う人ハメハメハ
ハメハメハ ハメハメハ ハメハメハメハメハ
作詞:伊藤アキラ 作曲:森田公一
    『ハメハメハ大王』1・4番より


ハメハメハ「んー、ハメハメハのやつ、どんだけ待たせるんだよ。」

ハメハメハ「わりぃ!遅れた!」

ハメハメハ「おぉ!来た来た、おいハメハメハ!今日みたいな大事な日くらい遅れるなよ?」

ハメハメハ「ごめんって。いや、途中まで普通に行ってたんだけど、道中で偶然ハメハメハに逢っちゃってさ。めっちゃ時間食ったわ。」

ハメハメハ「え!?ハメハメハって……。まさか、あのハメハメハ!?」

ハメハメハ「そう、あの話が長いことで有名なハメハメハだよ。全く、町長のハメハメハさんの息子さんのハメハメハくんを見習ってほしいよ。」

ハメハメハ「そうだなぁ。あ、そういや、ハメハメハのやつはまだ来ないの?」

ハメハメハ「あ、ハメハメハのやつなら、ハメハメハと途中で合流して、その後ハメハメハの車で向かうってさ。」

ハメハメハ「オッケー。あ、ハメハメハ。」

ハメハメハ「ん?なんだハメハメハ。」

ハメハメハ「その、これから見つけに行く『ハメハメハの財宝』ってやつについてなんだけど。」

ハメハメハ「ああ、それが?」

ハメハメハ「実は俺、ハメハメハ教授からなんとなぁ〜く聞いて乗り気になっただけなんだ。その、ハメハメハの財宝ってのは、どんなやつなんだ?」

ハメハメハ「お前、これからそんな大事なことするのに、詳しく知らないのか!?全く、どこのハメハメハだよ……。」

ハメハメハ「わりぃ!父さんとか、ハメハメハさんとか、ハメハメハさんとか、あとー、ハメハメハさんとかに聞いたんだけど、皆んなよく知らないみたいで。」

ハメハメハ「いいか、昔このハメハメハ島を発った1人の青年が、ここから程近い海に面した洞窟で、すげぇ量の財宝を見つけたんだ。でもな、その青年の後をこっそり辿ってた、悪の魔王、ハメハメハによって、その宝は奪われてしまったんだ。」

ハメハメハ「ハメハメハ最低だな!」

ハメハメハ「でもな、青年は負けじと闘ったんだ。そしたら、2人とも海に真っ逆さま。」

ハメハメハ「んで、そのハメハメハの財宝は、今も誰にも取られずに、何処かに眠っていると。」

ハメハメハ「ああ、噂じゃあ、この小さな南の島くらいなら、丸々買えちまうほどのお宝なんだと。」

ハメハメハ「うひゃあ!てか、その青年の名前は分からないのか?」

ハメハメハ「んー、船出まで付き添った人の名前なら、ハメハメハって分かってるんだけど、その人もとっくのとうに亡くなってるから、確かめようが……。」

ハメハメハ「んー、なんだろうなぁ。もしかして、大王と同じ名前の『ハメハメハ』だったりして!」

ハメハメハ「んな訳ねーだろ。」

ハメハメハ「そうかー。」

ハメハメハ「あ、ハメハメハとハメハメハ、そろそろハメハメハの車でこっち着くって。」

ハメハメハ「やっとかぁ!」

ハメハメハ「……なぁ、ハメハメハ。」

ハメハメハ「ん?なんだハメハメハ。」

ハメハメハ「ハメハメハさぁ、お宝見つけたら、何に使う?」

ハメハメハ「えー!?んー、どうしようかなぁ。とりあえず、ハメ八メハタイムズに掲載されるのは間違いないだろ?」

ハメハメハ「そりゃそうだろうな。」

ハメハメハ「そしたら一躍有名人だぜ!きっと、取材とかも来るだろうなぁ。そしたらさ、金がまたギャラみたいな感じでドンドン増えてくだろ!?」

ハメハメハ「まぁ、そうなるか。」

ハメハメハ「そしたら、ウハウハだよ!有り余った財力で、好きなだけ贅沢してやる!ちょっとお高いレストランとか行っちゃう!?ハメハメハとか、ハメハメハとか、あとーハメハメハとか。」

ハメハメハ「え?その3つ目ってハメハメハじゃなくて、ハムハムハじゃないっけ。」

ハメハメハ「どっちでも同じだよ。」

ハメハメハ「お、同じじゃねーよ!」

ハメハメハ「あれ、もしかしてハメハメハ、ハムハムハの料理長の娘さんのハメハメハちゃんが好きなのか!」

ハメハメハ「ち、ちげぇよ!俺が好きなのはハメハメハちゃんな!」

ハメハメハ「えー!?お前ハメハメハちゃん好きなのか!意外だなぁ。お前なんか、ハメハメハちゃんというよりかは、ハメハメハちゃんが好きなのかと。」

ハメハメハ「あー、ハメハメハは、単に幼馴染って感じかな。」

ハメハメハ「そうかー。」

ハメハメハ「わりぃわりぃ!遅れた!」

ハメハメハ「あ!ハメハメハにハメハメハー!」

ハメハメハ「おいおせーぞ!」

ハメハメハ「ごめん、ごめん。実はさ、途中でハメハメハに逢っちゃってさ。」

ハメハメハ「お前らもかよー。」

ハメハメハ「まじアイツ話長過ぎなぁ。」

ハメハメハ「本当になぁ……あ!ハメハメハ大王の行列だ!」

ハメハメハ「え!?ハメハメハ大王!あの偉大なお名前のハメハメハ大王!?」

ハメハメハ「は、早く平伏しろ!」

ハメハメハ大王「ふむ。皆のもの、ではこれより、行って参るぞ!」

ハメハメハA「ハメハメハ様ー!」

ハメハメハB「いってらっしゃいませー!」

ハメハメハC「ハメハメハ様が居ない間は、僕たちが国を守ります!」

ハメハメハ大王「ほっほっほ、こんなに言われると、少し照れてしまうなぁ!はっはっは!では!」

ハメハメハ「なぁ、この声、どっかで聞かなかったか?」

ハメハメハ「うん、前から思ってた。」

ハメハメハ「顔、見ちゃう?」

ハメハメハ「馬鹿言え!ハメハメハ大王がお通りになるときは、皆んな頭を下げる決まりじゃないか。大王の側近以外は、その麗しいお顔なんざ見れねーよ。」

ハメハメハ「んー、でも、こんなに人だかりになってたら、少しくらい見てもバレねーよな!」

ハメハメハ「まぁ、確かにな。」

ハメハメハ「じゃあ、一斉に見るぞ、せーのっ!」

ハメハメハ「……え。あいつって……!」

ハメハメハ一同「ハメハメハァ!?」

ハメハメハ「さて皆んな!途中で『ハ』ではなく『八』と表記された『ハメハメハ』があったよ!さて、どこにあったかなぁ?」

ハメハメハ「だ、誰に話してるの?」

今日も、小さな南の島は、1人の勇敢なる青年、ハメハメハによって、見守られている。


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