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流体の不思議さと美しさに魅せられて「一見難しそうな流体力学を積極的に学んでほしい」

今回は機械システム工学科の田川義之先生にインタビューしました。
中学時代から現在までの田川先生のこだわりがわかる内容になっています。ぜひご覧ください!

<プロフィール>
お名前:田川義之先生
所属学科:機械システム工学科
研究室:田川義之研究室
趣味:チェロを弾くこと



流体力学とは?


―流体力学とはどんな授業ですか?
 
まず、流体力学は一見複雑そうに見える流体現象を少ない数理モデルで表現することを目指して発達してきた学問で、飛行機や新幹線などの乗り物だけでなく、生体・医療・災害・食品などにも関わるものです。この科目では、流体運動の「保存則」、流体に働く「力」の性質と数理モデルを詳しく説明し、流れの具体例を数多く取り上げ、流れの特徴と実用的な関係式を示します。

難しい流体力学を分かりやすく


―授業ができるまでの過程とこだわりポイント(伝え方、意識している点)を教えてください。
 
流体力学は大学で初めて出会う物理学ですので、皆さんが流体現象の特徴を理解できることを第一の目標としています。そのためにまず流体現象の特徴を実感してもらうため、自宅でも可能な流体実験を紹介しています。また教卓でのデモ実験、難しければ実験室での撮影動画や数値シミュレーション結果を講義中に紹介しています。
 
―具体的にはどのようなことをやるのですか?
 
例えばコップに水を入れて秤にかけ、その水の中に指を入れたら、秤の目盛りはどう変化するのかというクイズを出題します。その後、授業では教室で自分の指を浸して確かめてもらいます。実際指を浸すと目盛りが増えます。これは浮力が指に働いてるためその反力が下に働くことで目盛りが増えます。答えを知った後だと説明がつくのですが、その前に正しく予測するのは意外に難しく、このような事象をできるだけ毎回ミニクイズにして最初に行っています。その後に、その単元に関する直感と反するようなものを見せてから授業をする形式をとっています。流体が難しいというところに囚われるのではなくて、直感と反するところで難しいと感じるのですが、その「難しい」を「面白い」に変えていけたら、流体力学により積極的に取り組むことができると思っています。
 
―大学の先生って高校の先生と違って研究がメインなイメージがあるのですが、どうしてそんなに丁寧に授業をなさっているのですか?
 
流体は動きが見えないために、一般的には難しいと思われることが多いので、できるだけ実感を持ちながら学習を行うことを意識しています。例えばイルカが空気の輪を出しているのは渦輪と言う流体の現象です。輪から輪を作るのですが、このような現象とか見ると流体のイメージも変わると思います。「これ、面白い、なんでだろう?」っていうところから流体の特徴について学んだ方が、より意欲的に学ぶことができると思い、このように授業を行っています。
 
―1学生としてはとてもありがたいです。
 
―ではその授業に対するモチベーションや楽しさを教えてください。
 
流体力学を楽しみに受講してくれる学生さんが少なくありません。デモ実験を見たときには不思議に見えた現象も、実際に物理的な説明で理解できた時の嬉しそうな表情や、問題が解けた時の晴れやかな姿を見せてもらえると私のモチベーションになります。最近は先端の流体研究にも興味を持ってくれる学生さんがいるため、さらにモチベーションになります。

授業を通じて学生に感じてほしいこと


―授業を通じて学生に感じてほしいことは何ですか?
 
流体は面白い!と感じてほしいです。面白さには様々な側面がありますが、現象が複雑で制御が簡単ではないからこそ、基礎的理解が非常に有効に働きます。そのエッセンスの妙を感じてもらえたら私の『流体力学』の授業で感じてほしいことは達成できたと思います。

きっかけは中学生の頃の自由研究


―先生はなぜ研究の道に進もうと思ったのですか?
 
中学生の頃、自由研究で「凧の研究」をしました。単純に凧揚げが好きだったからなのですが、今思えばその頃から流体の不思議さと美しさには興味がありました。現在は混相流(注1)分野の研究をしていますが、直接のきっかけは学部生の時の研究室選びの時に、数メートル規模の気泡を含む流れが、たった数滴の界面活性剤(洗剤に含まれているもの)で大きく変化することに魅了されたことです。その後、泡の研究からジェットの研究にシフトしても、その美しさと意外性には変わらない魅力を感じています。
 
 

好きなことをとりあえずやってみる


―高校生や大学生の間にやっておいた方がいいことはありますか?
 
好きなことをたくさんやるということです。
 
―熱中できることを見つけるみたいなことですか?
 
そんなに大げさではなく、面白いと思うことをやってみるということです。高校生でしたら流体力学の授業はないと思うのですが、流体の流れや雫を面白いと思ったら、高校生向けの流体の本を読んでその中にある実験とかやってみるということです。他にも語学で英語を学習しているのと思うのですが、それ以外にも例えばドイツのサッカーが好きならドイツ語を学習してみるとよいと思います。そのような経験は大人になって生きてくるので、それをやったら良いと思いました。


(注1)混相流とは、液体と気体、液体と固体、気体と固体など異なる相が混ざりあった流れのこと。


文章:あき
インタビュー日時:2022年8月22日
インタビュアー:あき
記事再編集日時:2023年7月11日

※授業の形式はインタビュー当時と変わっている場合があります。何卒ご了承ください。
※インタビューは感染症に配慮して行っております。


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