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映像という表現の需要増える

 「世の中が変化していく中で、映像という表現の需要が増えた。」そう答えるのは東北芸術工科大学デザイン工学部映像学科の柏倉琉生さん。彼はカメラマンとして多種多様な写真を撮ることや、ミュージックビデオ(以降MVと記)の作成などを手がけている。コロナ禍となり映像メディア表現が世の中に溢れかえった。その中で目まぐるしく活躍し、今もなお納得のいく一枚を求めて活動を続ける彼に迫ろうと思った。

柏倉さんとカメラとの出会いは高校一年生の頃。部活に所属していなかった柏倉さんは、自分の時間を有意義にしようとカメラを始めた。特別感を感じ、写真を撮る行為や自身の作品を見てもらうことが一種の快感に変わっていったという。彼のそれまでの写真は全て独学であった。見てもらうことに限界があり、一から学びたいと思い本大学に入学した。

 本大学での学びは外への活動に非常に生かされている。特に、大学一年生の時に参加した「oyasumi」というイベント。企画の先輩が行ったもので、そこで同じ年代の人たちとの人脈ができていったという。柏倉さんは「人脈を自分で作って広げていったりする力がついた。技術の面に関しては、外に出て自分でやって振り返ることの繰り返し。教えてくださる教授の方はたくさんいるがやっぱり一番は自分の足で」と笑顔で語る。

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ー責任感と還元

主な活動としてコーヒースタンド(day &coffee)のインスタグラムの写真の撮影や新聞記事の写真の撮影、友人「陽」のMVの撮影などがある。柏倉さん自身、日々の活動については学生のうちからお世話になっている先輩が多く、そういった人たちに恩返しができたらなという思いで取り組んでいる。

 この仕事というのは実にやりがいのあるものだ。柏倉さん自身も「見てくれる人が居るというのがやりがいの1つだ」と言う。社会で大人としてやってきている先輩方が、たくさんのカメラマンがいる中で自分を信頼して任せてくれる。たとえそれが自分を育ててくれると言う意味合いがあったとしても、自分を選んでお願いしてくれる。そのことに喜びを感じ、それと同時に重大な責任感が生まれるのだ。「恥をかかせないように」という強い思いが、彼の映像メディア表現に対する向き合い方をより一層良い方向へと向けてくれているに違いない。


ー「人のため」のものづくりになるな

令和二年。コロナウイルスが蔓延し、世界的に大きな被害を受けた。様々なイベントが中止・延期になり、加えて学校や企業でのリモート化が進んだ。コロナ以前より人々は映像に触れる機会が増えたのではないだろうか。

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社会が変化していく中で、映像という表現の需要が増え、広告的に多くの人に見られるようになった。現代における映像メディア表現の魅力について柏倉さんはこう語る。「見た人が心打たれるような映像を作りたい職人と、心打たれるような映像を見たいという人が増えた。視聴者側の目が肥え始めたという点でも魅力なのかなと思う。」表現者として、「誰かのアイデアに乗っかって一緒に明るく楽しくやることが必要。」と話す。楽しいのその先に、人々が求めるみたいものが在る。私は彼の、"やり続ける姿勢"に感銘を受けた。

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小岩春馬
東北芸術工科大学 総合美術コース

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