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コイルを流れる電流がスイッチを入れる直前と直後で同じてある理由【高校物理】

(問題)下図のような起電力 E の電源、抵抗値 R₁, R₂の抵抗、自己インダクタンス L のコイルおよびスイッチ S からなる回路がある。

以下の問いに答えよ。

(1)スイッチを入れた直後にコイルを流れる電流の大きさを求めよ。

(2)スイッチを入れて十分時間が経過してからスイッチを切る。スイッチを切った直後にコイルを流れる電流の大きさを求めよ。

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生徒:(1)は、最初電流は流れてないんだからスイッチを入れた直後も当然ゼロなんじゃないかしら?

(2)もスイッチを切る直前にコイルを流れていた電流は E/R₁だから直後も E/R₁と考えればいいんじゃないかしら?

先生:答えはあっていますが、スイッチを入れる直前と直後の電流が同じであることは当たり前なんだろうか。

例えば、起電力 V と抵抗 R、それとスイッチだけの回路があったとする。スイッチを入れる前は電流ゼロ。スイッチを入れたあとは電流 V/R。スイッチを入れる直前と直後で電流は同じじゃないね。

生徒:ホントだ。

先生:スイッチを入れる直前と直後で電流が一致することは当たり前じゃないんだね。

生徒:じゃあ、この問題どうやって解くのかしら?分からなくなった…

先生:次のように考えるんだよ。

コイルに生じる誘導起電力 V の式は

誘導起電力 V は常に有限の値しか取らないね。発散しない。もし電流 I が不連続だったらそこで V は発散してしまって有限の値を取らないことになってしまう。それは矛盾。だからコイルを流れる電流は必ず連続、ジャンプしたりしないということが言えるんだよ。

生徒:なるほど!だからコイルを流れる電流はスイッチを入れる直前と直後で同じなんだ!

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この問題は「コイルを流れる電流は連続」を知らないと正解できないと思います。

市販の問題集はそこをあまり強調していないものが多いですが、私は重要なことだと思っています。

「コイルを流れる電流は連続」を強調しておきたいです。

スイッチを入れる(切る)直前と直後でコイルを流れる電流は同じだということですね。


今回の内容は『微分積分を用いて高校物理を考える』からの引用です👇

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