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【高校化学】Alと濃NaOHの反応の式の導き方

2Al+6H₂O+2NaOH→2Na[Al(OH)₄]+3H₂
みなさんこの式どう覚えてますか?丸暗記❓丸暗記はなかなか厳しいですね。

暗記は忘れてしまうし、信用が置けない。それに、高校化学には覚えることがたくさんある。すべて暗記に頼るのはいい方法とは言えない。

そこで、この式を暗記せず、必要になるたびに組み立てるという方法を解説します。

まず、全体の基本の式、錯イオン化反応の式です

Al(OH)₃+OH⁻→[Al(OH)₄]⁻…① 

この式が基本骨格です。酸化物の沈殿とOH⁻で錯イオン化する、ですね。

ここから、この式を用いるために酸化物Al(OH)₃を作ることを考えます。

水溶液中には水が電離してH⁺があります。AlとH⁺があるとイオン化傾向の大小から次の酸化還元反応が起こります

2Al+6H⁺→2Al³⁺+3H₂

H⁺は水由来なのでOH⁻を足して整えて
2Al+6H₂O→2Al(OH)₃+3H₂…②

水中でこの反応を行うと、Alの周りに不溶性のAl(OH)₃の被膜ができてしまって、すぐ反応が止まります。

しかし、濃NaOH水溶液中では①の反応が続いて起こって、反応は止まらず進みます。

①②からAl(OH)₃を消去して
2Al+6H₂O+2OH⁻→2[Al(OH)₄]⁻+3H₂

Na⁺を足して整えて
2Al+6H₂O+2NaOH→2Na[Al(OH)₄]+3H₂

これで完成‼️


まとめると

錯イオン化反応
Al(OH)₃+OH⁻→[Al(OH)₄]⁻…①

酸化還元反応
2Al+6H⁺→2Al³⁺+3H₂
2Al+6H₂O→2Al(OH)₃+3H₂…②

①②からAl(OH)₃を消去して
2Al+6H₂O+2OH⁻→2[Al(OH)₄]⁻+3H₂

Na⁺を足して整える
2Al+6H₂O+2NaOH→2Na[Al(OH)₄]+3H₂


このように組み立てます。暗記した方が楽だよ、という人もいるでしょう。しかし、この方法は応用が効きます。

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