夜な夜な

私が20歳ころの話。

大好きだった芸人さんがいた。

もともと好きな芸人さんの後輩のやってるコンビの相方で、
ほんとに突然夢に出てきて、気づいたら恋愛的に好きになっていた。
ガチ恋勢というやつ。

突然夢に出てきて好きになったなんて、今思えばうらやましい限りである。
叶うことがなくても恋をするのは楽しい。女子だもんね

失礼ながらマイナーめな方だったので、ファンとして会いに行ったり写真を撮ってもらったり握手をしてもらったりは簡単だった。

でも、だからなかなか熱が冷めなくてこじらせてしまったんだろうな、

その人はとても文章が上手なひとで、
とにかくそのひとの綴る言葉のひとつひとつが麗しかった。
ブログなんてもう真骨頂を発揮しまくっていて凄まじかった。

だから私は6年経った今でも、夜な夜な見返して時々ノートに書き写す。
「ああ、なんで同じ言葉でもこの人が連ねるとこんなに力強かったり瑞々しかったりするの」「この一節が面白いんだよなあ」なんてぶつぶつ唱えながら。

我ながら相当気持ち悪い性癖である。
アダルトなビデオをみて、なんていう人よりよっぽどこじれててきしょい。

だけど、
死ぬほどしんどくてそれこそ消えたくなる夜とか、自分で自分を傷つけそうで、実際にそうしてしまって虚しい夜中の味方なんです。
大げさに聞こえるかもしれないけど全然寧ろ足りない。

そのくらい言葉には力があるよね。
ましてや大好きなひとの書く言葉なんてのは。


絶対ないと思うけれど、もしこのnoteが当人に見られたら
相当気持ち悪いだろうと思います。ごめんなさい…

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